ユニセフ、厳しい冬の寒さに備える難民への越冬支援開始【プレスリリース】
150万人の子どもに冬服など提供
【2017年10月26日 アンマン(ヨルダン)発】
中東危機の影響を受ける子どもたちを脅かしているのは、間もなく訪れる厳しい冬です。ユニセフ(国連児童基金)は、本格的な冬の寒さが到来する前に、暖かい服や毛布などの越冬支援の提供を急いでいますが、必要な資金のうち6,000万米ドルが不足しているために、150万人の子どもたちを寒さにさらすことになりかねません。
イラク、シリア、パレスチナや近隣の難民受け入れ国で暮らす、紛争の影響を受け、生活に困窮している家族たちにとって、零下の気温、嵐や激しい積雪は、彼らがすでに直面している多くの苦難にさらなる追い打ちをかけることになります。彼らの多くは暴力のために避難を余儀なくされ、難民キャンプや仮設住居で暮らしていますが、突き刺さるような冬の寒さから自らを守るすべはほとんどありません。
数年にわたる紛争、避難生活、そして失業のために、家族の資金は底をつき、暖かい服や暖房用燃料を購入することが難しくなっています。また、学校が暖かくなければ中退する子どもの数が増えることが予測されます。
「支援がなければ、冬の寒さは、すでにあまりにも多くの苦しみを味わい衰弱しているこの地域の子どもたちにとって、さらなる過酷な打撃となりかねません」と中東・北アフリカ地域事務所代表のヘルト・カッペラエレは述べました。「十分な栄養がとれず、保健ケアも受けられず、避難生活を余儀なくされている子どもたちの健康状態は衰弱しています。子どもたちにとって低体温症や呼吸器感染症は深刻な脅威です。治療を受けられなければ死に至るのです」
ユニセフが冬の到来の前に配布を予定している支援:
- 紛争の影響で避難生活を余儀なくされた、中東地域の80万人の子どもと家族への越冬キット80万キット
- 厳しい状況に置かれた子どもたち32万人の家族への現金給付
- 10万5,000人の子どもたちが利用する子どもにやさしい空間と学校への暖房支援
- 24万人の子どもへの毛布
ユニセフが計画している、地域の危機の影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちへの冬の寒さを乗り超えるための支援には7,300万米ドルを必要としていますが、現在までに獲得できているのは僅か20%未満です。
■ユニセフが計画している越冬支援
- ユニセフはこの冬、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、シリアの子どもたち150万人を対象に、暖かい服と毛布、家族への現金給付の提供を計画しています。
- ユニセフが地域全体を支援する越冬支援には、弱い立場にある子どもたちと家族のための学校の暖房、暖かい服や学校の制服の提供、現金給付が含まれます。
- ユニセフは、本格的な冬の寒さの到来前に越冬キットと現金給付の配布を開始しました。越冬キットには、冬服、スカーフ、手袋、靴、および毛布が含まれます。しかし、深刻な資金不足により支援活動は遅延しています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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