キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム、「採用と育成をつなぐ人財戦略」を公開
「成長実感の欠如」が早期離職や“静かな退職”を招く時代。構造的課題である「採用と育成の分断」を乗り越える人財戦略とは?
※本ニュースリリースは、参画企業41社・団体からなる「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム 第5期」を代表し、運営事務局のパーソルキャリア株式会社が発表しています。
キャリアオーナーシップ人材を事業成長の力に変える「個人と企業の新しい関係性」を模索する企業・団体が業界を越えて集まり、その実践論について議論・実践・検証を行う「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」< https://co-consortium.persol-career.co.jp/ >では、採用時の期待と配属後の成長機会を分断させず、採用・育成・配属を一体でデザインする方法を探究したレポート「採用と育成をつなぐ人財戦略」を公開しましたので、お知らせいたします。
本レポートを希望される方は、当コンソーシアムの「採用と育成をつなぐ人財戦略」ページよりダウンロードください。
■URL: https://co-consortium.persol-career.co.jp/article/2026/06/09/index.html

「採用と育成をつなぐ人財戦略」公開の背景
労働力人口の減少に加え、生成AIやDXの浸透が既存スキルの陳腐化を加速させ、多くの職務が『新しい価値創造型業務』へと不可逆的にシフトする現代において、採用部門と育成部門がそれぞれの役割を全うしつつもプロセスが分断され、配属後の成長支援を現場のラインマネジメントに依存してしまう『機能分業型の人材マネジメント』は、限界を迎えつつあります。多くの企業で起きているこの構造的な分断が、入社後のギャップや「成長実感の欠如」を引き起こし、結果としてミスマッチや早期離職、“静かな退職”を招く大きな要因となっています。
本レポートは、この課題を乗り越えるため、有識者や先進企業への独自インタビューに加え、当コンソーシアム第5期の「C/O人財の採用課題と打ち手」分科会における実践的な研究成果を反映しています。採用から育成・活躍までを一本の線としてつなぐ全体最適の「タレント・サプライチェーン・マネジメント思考」を提言し、環境変化に応じて自らの価値を更新し続ける「キャリアオーナーシップ人材(C/O人材)」をいかに惹きつけ、活躍に導くかについて体系化しました。
「タレント・サプライチェーン・マネジメント思考」とは何か?
「タレント・サプライチェーン・マネジメント」とは、AIの急速な進展や産業構造の変容によって「必要な人材像」そのものが変わり続ける今、事業の未来を実現するために、人材の確保・育成・配置・活躍を一本の流れとして設計・運用する人材経営の考え方です。
製品のサプライチェーンが需要から逆算して調達・製造・供給の全体を制御して最適化するように、この概念は「いつ・どのような人材を・いかなる形で確保・活用するか」を事業の方向性から構造化し、新卒採用による長期育成、社員のリスキリング、中途採用による即戦力確保、外部専門人材の機動的な活用を組み合わせながら、経営戦略の進展に即応する動的なポートフォリオとして全体を最適化します。
従来の個人の育成を中心とするタレントマネジメントや、現場からの欠員要請に応える短期的な採用管理よりも、変化に応じて設計ごと組み替えられる仕組みを持つことを重視します。そのため、人材を受動的な「リソース」として考えるのではなく、キャリア主体としての個人の自律性(キャリアオーナーシップ)を制度設計に組み込むことで、変化への対応力を組織の内側からも生み出します。人材と組織の関係を「管理」から「共創」へと転換する、これからの時代に対応するための視点です。
本レポートの特徴
●守島基博教授/服部泰宏教授および先進企業(カルビー株式会社)への独自インタビュー:
人材マネジメント研究の第一人者である守島基博教授(学習院大学)と服部泰宏教授(神戸大学)に加え、先進的な取り組みを行うカルビー株式会社へ独自にインタビューを実施。「Buy・Build・Borrow」の視点や、現場と協働する「10プロセス研修」など、令和の「採用と育成の接続」に関するリアルなインサイトを収録しています。
●分科会のインタビュー調査に基づく先進企業の事例(エーザイ・ロート製薬):
当コンソーシアム第5期 「C/O人財の採用課題と打ち手」分科会が実施した「定着率90%超」の企業に対する調査結果を基に、エーザイ株式会社の「成長設計で選ばれる採用」や、ロート製薬株式会社の「経営戦略の翻訳としての採用広報」など、実践的なノウハウを紐解きます。
●明日から使える「6つのTips」「6つの転換」「6つの実践ポイント」の提示:
採用と育成の分断を越えるため、ハイパフォーマーを起点に要件定義やオンボーディングを一気通貫で設計する「ハイパフォーマー起点で設計する6つのTips」に加え、採用・育成・現場が対等に人材戦略を設計する「『三位一体設計』で実現する6つの転換」、そして人材をサプライチェーンの視点で捉え直す「『統合設計』で実現する6つの実践ポイント」など、現場ですぐに活かせる具体的な提言を収録しています。
「採用と育成をつなぐ人財戦略」概要
目次:
はじめに (永島 寛之 氏)
第1章 キャリアオーナーシップの時代
・採用と育成をリンクするキャリアオーナーシップの時代
・採用と育成を一体化する
・人材戦略のための"3つのB"とタレントサプライチェーン
―守島基博教授(学習院大学 経済学部)インタビュー
・数字で示す課題
第2章 応募したくなる令和の採用要件定義
・令和の人材像
「成長の可視化」が採用の鍵―応募者視点から見る採用と育成の接続
―服部 泰宏教授(神戸大学大学院 経営学研究科)インタビュー
・現場と応募者のギャップを埋める
・人件費を維持しつつ魅力を伝える
・採用広報戦略
第3章 入社後に早期活躍・定着する社員の見抜き方
・コンピテンシーの明確化
・面接後フィードバック
・採用後に実施すべきこと
第4章 人材が求めるキャリアオーナーシップ
・C/O経営 (キャリアオーナーシップ経営と採用)
・おわりに 「採用が、組織を変えるイニシアチブを持つ時代へ」(伊藤 剛)
・採用と育成を接続し、採用に強い会社になるための提言
発行元:キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム
監修:永島 寛之・伊藤 剛
制作協力:PAX株式会社
発行日:2026年6月9日
ページ数:27ページ
公開URL:https://co-consortium.persol-career.co.jp/article/2026/06/09/index.html
発行にあたって(監修者コメント)
永島 寛之(トイトイ合同会社 代表社員 / 元ニトリホールディングス 人事責任者)
環境変化に応じて自らの価値を更新し、主体的に学び続け、組織と対話しながら新たな価値を生み出す力、それを持つ人材を引きつけ、採用できるかどうかが、企業の未来を左右します。採用とは、入り口で人を選ぶだけの営みではなく、組織の未来をつくる戦略的な営みです。企業の成長の軌跡と、個人のキャリアにおける成長の軌跡が重なったとき、人は会社を辞めません。本書が、採用という仕事が組織変革のイニシアチブを持つための、変化を起こす一助となれば幸いです。
伊藤 剛(パーソルキャリア株式会社 / コンソーシアム総合企画プロデューサー)
採用担当者は育成を学び、育成担当者は採用を学ぶ。原材料を調達し、商品へと加工し、消費者に届けるサプライチェーン・マネジメントのように、採用から育成・活躍・定着・昇格や再配置までを一本の流れとして俯瞰できるのが令和の人事パーソンです。採用とは、人材を「採る」だけでなく、組織の未来を「作る」営みです。「人が採れない」という経営課題の重要度が高まるほど、「採用」という機能が、単なる入口の管理ではなく、人材戦略・制度・組織、さらには経営そのものを変えていきます。本書を手にした採用に関わる一人ひとりが、その変化の担い手となってくれることを願っています。
「キャリアオーナーシップ」とは何か?
キャリアオーナーシップとは、個人が自分の「キャリア」に対して主体性を持って取り組む意識と行動のことをいいます。「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」報告書(経済産業省、2018年)では、キャリアオーナーシップについて「個人一人ひとりが『自らのキャリアはどうありたいか、如何に自己実現したいか』を意識し、納得のいくキャリアを築くための行動をとっていくこと」と説明されています。
また、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書~ 人材版伊藤レポート ~」(経済産業省、2020年)では、これからの個人と企業の関係性について、「企業は、画一的なキャリアパスを用意するのではなく、多様な働き方を可能にするとともに、働き手の自律的なキャリア形成、スキルアップ・スキルシフトを後押しすることが求められる」と指摘するとともに「個人は、キャリアを企業に委ねるのではなく、キャリアオーナーシップを持ち、自らの主体的な意思で働く企業を選択することが求められる」と報告されています。
参考:キャリアオーナーシップ リビングラボ 「キャリアオーナーシップとは?」
https://co-livinglab.persol-career.co.jp/knowledge.html
「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」について
本コンソーシアムは、「個人の主体的なキャリア形成が、企業の持続的な成長につながる」という考えの下、業種や業界を超えて「はたらく個人と企業の新しい関係」を模索する企業が集まり、「キャリアオーナーシップ人材を活用し、企業の中長期的な成長を生み出していくには、どうしていくべきか?」という問いについて、議論・実践・検証を行い、各社内および社会に対して提言していく実践共同体です。
コンソーシアムの首席顧問・ファシリテーターは田中 研之輔 法政大学キャリアデザイン学部・大学院教授。2025年度は、41の企業・団体が参画し、「キャリアオーナーシップ経営」を推進するための議論・実践・検証を行っています。
発足背景に代えて:「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」発足宣言文
キャリアオーナーシップが、社会を動かす。
人生100年時代の中、年功序列や終身雇用が限界を迎え始め「はたらく」をとりまく社会環境は激変しています。これまでのような画一的な働き方ではなく、多様な個人のニーズに対応した、働き方や人材育成、雇用モデルの変革は、もはや日本社会において待ったなしの必須課題となっています。
こうした状況の中で、一人ひとりの個人が、自律的に成長し続けるために不可欠なのが「キャリアオーナーシップ」。はたらく個人の力を最大化させ、社会の力にするために、企業は個人とどう向き合い、新たな関係性をつくっていくべきなのか?まだ答えのない問いに対し、先駆的に取り組む企業が自ら実践・実証し、企業と個人の持続的な成長を実現する「はたらく未来」を模索していくのが本コンソーシアムです。
2021年4月20日
キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム
コンソーシアムの概要
名称:キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム
設立:2021年4月20日(火)
参画企業:EY新日本有限責任監査法人、アフラック生命保険株式会社、イオンリテール株式会社、エーザイ株式会社、エームサービス株式会社、SCSK株式会社、SWCC株式会社、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社、小田急電鉄株式会社、株式会社オリエントコーポレーション、花王グループカスタマーマーケティング株式会社、株式会社モスフードサービス、関西電力株式会社、キッコーマン株式会社、キリンホールディングス株式会社、栗田工業株式会社、独立行政法人 国際協力機構(JICA)、独立行政法人 国立公文書館、サッポロビール株式会社、株式会社SHIFT、株式会社ツムラ、DIC株式会社、株式会社電通総研、株式会社電通デジタル、東洋製罐グループホールディングス株式会社、内閣官房 内閣人事局、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社かんぽ生命保険、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社 乃村工藝社、パーソルキャリア株式会社、パナソニック インダストリー株式会社、パナソニック コネクト株式会社、富士通株式会社、三井情報株式会社、株式会社 Mikzan J plus Holdings、株式会社三菱UFJ銀行、株式会社メンバーズ、株式会社ヨロズ、ロート製薬株式会社
※2025年度(第5期)企業・団体 (五十音順)
首席顧問:法政大学キャリアデザイン学部・大学院 田中 研之輔 教授
次席顧問:トイトイ合同会社代表・元ニトリ人事責任者 永島 寛之 氏
運営事務局:パーソルキャリア株式会社
URL:https://co-consortium.persol-career.co.jp/
活動内容:
個人と企業の成長を両立する「はたらくの未来」に必要なことについて、企業の暗黙知・実践知を集約し、形式知化する。具体的には、キャリアオーナーシップ人材を軸とした人的資本を最大化する実践論(キャリアオーナーシップ経営)を体系化し、その社会実装を前倒しする。
●研究会
個人と企業の成長を両立する先進的な企業の実践知を集約し、コンソーシアムで議論し、気づきと企業への提言をまとめ、各社の経営会議で報告するほか、外部に公開していきます。
第5期の研究会活動では、各社が人的資本経営やウェルビーイング経営・パーパス経営などを推進するために、組織・従業員のエンゲージメントや主体性・自律性を高めるさまざまな施策・打ち手の実装・推進を始めていますが、その実践課程で生まれた新たな課題や経験(暗黙知)を持ち寄ります。そして、持ち寄った課題・経験(暗黙知)を形式知に変換して、個人の主体性の発揮と事業・組織の成長を接続する「キャリアオーナーシップ経営」を一層推進するための具体的なフレームワークや打ち手を策定し、各社内での実践に活かしていきます。
具体的には、人的資本経営におけるキャリアオーナーシップ実装と組織戦略との接続、採用課題と打ち手、AI活用による人事の変革課題、“自分ごと”にするための意識醸成と行動変容の仕掛けなど、個人の自主的な成長や学び・経験を事業の成長戦略に組み込むための施策や打ち手を各社が導入・実践可能なレベルに深化させていきます。
●実践・検証
参画企業各間で議論して実践内容を決定し、各社間で相互に実践し、その結果を検証する。
(過去の実践・検証内容の例)
– 相互副業:参画企業間で副業による人材の越境を行い、業務遂行にどのような影響があるのかを検証するなど、企業価値向上と個人の成長を両立する働き方の実践・検証を行いました。
– C/O経営スコアの導入実証:キャリアオーナーシップ経営の推進状態を測定し、経営の意思決定を迅速化するツール「C/O経営スコア」を試作し、一部の参画企業とその導入実証を行いました。
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