コクヨとうつほの杜学園が協働で「学習机再生プロジェクト」を実施!
リサイクルが難しいメラミン(樹脂)付きの机の天板を、2025年4月開校の学園内で再利用
コクヨ株式会社(本社:大阪市/社長:黒田 英邦)は、学校法人うつほの杜学園(和歌山県田辺市/理事長予定:仙石 恭子、以下、うつほの杜学園)と協働で、廃棄予定の学習机の天板を再利用する実証実験「学習机再生プロジェクト(以下、本プロジェクト)」を実施し、2025年3月22日(土)にその成果を公開したことをお知らせいたします。

コクヨグループでは、マテリアリティの1つに「循環型社会への貢献」を掲げており、多くのパートナーや顧客と共に資源循環のための一歩をつなぎあわせ「捨てない社会」をリードするというアウトカム実現を目指して活動を続けています。2023年には循環指針「SUTENAI CIRCLE(ステナイサークル)」(*1)を策定し、これに基づくモノコトづくりを推進してまいりました。
一方、うつほの杜学園では、「サステナブルでウェルビーイングな学校づくり」を方針に掲げ、その一環として、うつほの杜学園の前身である「旧二川小学校」で使用されていた学習机の回収とその再利用を進めていました。学習机の天板を、地元紀州杉の天板に張り替えて再利用することで、子どもたちが自然との共生や循環について考える身近なきっかけになることを期待した取り組みです。
資源循環に対する想いを同じくしたことで始まったのが、学習机の天板交換の過程で残ってしまう廃天板をリサイクルする「学習机再生プロジェクト」です。2025年3月22日(土)にうつほの杜学園小学校の開校お披露目会では、プロジェクトの成果である再生材が、学内の家具などに採用された姿が公開されました。
1.「学習机再生プロジェクト」について
本プロジェクトでは、使われなくなった学習机から出る廃天板を、新たな形で学園内に再利用することを目指しました。
(1)机の天板に着目した理由
今回使用した学習机の天板を含め、一般的に、机の天板は表面がメラミン(樹脂)で覆われています。これを基材の木材からはがさないと、リサイクルは難しいとされています。
その一方で、木材は、オフィス家具に使用される素材として占める割合が約1割と、金属に次ぐ多さです。金属はリサイクルが活発ですが、このような木材は焼却や埋立て処分になる割合が高いのが現状。そのため、特にメラミン付き木材のリサイクルは、オフィス家具業界としても見過ごせない課題でした。
この課題にコクヨは向き合い、メラミン付き木材の再利用を目指して、小規模トライアルを重ねていました。そのノウハウを生かし、本プロジェクトに取り組みました。
(2)各社の役割
・コクヨ
廃天板の再利用の提案、天板の破砕・デザイン・再加工(*2)
・うつほの杜学園
使われなくなった学習机の回収
(3)成果物
化粧用ボード:机の天板や、備え付け家具の表面材に使用されています
掲示ボード:うつほの杜学園小学校の図書館に設置されています




2.今後について
今回のプロジェクトは、これまでコクヨ内で進めてきたメラミン付き木材のリサイクル研究が実用された初の事例となりました。一方で、メラミン付きの木材をリサイクル前と同等の天板に再生するには、強度や品質の安定性といった課題も残ります。
コクヨでは、顧客・パートナー固有の課題やニーズに向き合い、資源を循環させる実証実験を今後も継続して実施していく予定です。実証実験を通じて、リサイクル可能な素材の種類・量を増やし、循環型社会を実現するための共感共創の輪を広げることを目指します。
【参考】
うつほの杜学園(https://utsuho-academy.com/)
学校法人うつほの杜学園は、「熊野古道を世界とつながる学びの聖地へ」を目標に掲げた探究型グローカルスクールを実現する小学校を4月に開校します。
同学園が目指す探究型グローカル教育では、地域社会と世界、自然界とつながる中で出された教科横断的なプロジェクトを中心にした「自分軸での学び」を大切にします。うつほの杜学園は「自分軸での学び」を大切に、「関係力」「探究力」「創造力」を育んでいきます。
2025年4月に開校する「うつほの杜学園小学校」は、世界遺産である熊野古道を持つ和歌山県田辺市中辺路町に設立されます。海や山もある大自然や温暖な気候、1000年以上の歴史があるこの豊かな地を、世界の子どもたちと日本の子どもたちが集う国際的な学びのフィールドとし、自分の力でグローカルに活躍できる人材を育むことを目指しています。
【補足】
(*1)SUTENAI CIRCLE(https://www.kokuyo.co.jp/sustainability/sutenaicircle/)
「SUTENAI CIRCLE」はコクヨが掲げる循環型社会実現に向けた指針です。これまでの取り組みとして、使用済みノートを小学校から回収し、ノートに再生する「つなげるーぱ」などがあります。
(*2)メラミン付き木材のリサイクル研究に際し、アドバイザーとして株式会社ごみの学校と、技術開発および生産を株式会社エスウッドにご協力いただきました。
株式会社ごみの学校:https://gomischool.studio.site/
株式会社エスウッド:https://s-wood.jp/
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