千葉大学病院の病棟ラウンジに防音室を設置しました
クラウドファンディングなどでチェロ奏者の想いを実現
千葉大学医学部附属病院(病院長:大鳥精司)は、患者さんが入院生活を過ごす病棟(ひがし棟7階)のラウンジに「防音室」(面積5㎡)を設置し、10月上旬から運用を開始しました。
設置にかかる費用は、当院に白血病で入院し、2023年4月に旅立たれたチェロ奏者・山本栞路(かんち)さん(享年21歳)の「病院に防音室を寄付したい」という想いを継ぐため、ご両親らが立ち上げた団体「M for M」に賛同された演奏家の方々による音楽会での寄附やクラウドファンディングなどを通じて集められたものです。
【防音室設置の経緯】
山本栞路さんは当院に入院中、病室内での会話や楽器演奏が制限される環境に強いストレスを感じ、結果として突発性難聴を発症されました。この経験から、「音のある世界」を通じて入院患者の心のリハビリを支援したいという思いが生まれ、 Medicine(医療) とMusic(音楽)の頭文字からなる団体「M for M」を設立し、チャリティーコンサートやクラウドファンディングなどで支援を呼びかけました。当院は「M for M」のお申し出を受け、患者さんの心のケアに資する新たな取り組みとして、大変意義深いものと考え、設置が実現したものです。
【防音室の運用について】
・利用対象:ひがし棟7階の患者さん(院内全体へ拡大するかは今後検討予定)
・利用方法:予約制(1回30分まで)
・利用可能時間:9:00~16:00
・利用用途:楽器演奏、音楽鑑賞、歌唱、会話、リモートワーク・学習など
<取材申し込み・お問い合わせ>
千葉大学医学部附属病院 病院広報室 數馬・松浦・室田
Tel:043-226-2225 E-mail:byoin-koho@chiba-u.jp





防音室の設置は、長期入院生活を送られる患者さんの願いでもありました。「音」の制限のある病院の中で、ゆったりと音楽を聴いたり、演奏したり、歌ったり、会話を楽しんだりできるお部屋です。リハビリやストレスの解消にも役立ち、長い入院生活の中で「心が安らぐひととき」を提供できると考えています。ここで過ごす時間が、治療に前向きに取り組む力につながることを願っています。
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