9月25日「主婦休みの日」に考える ~見えないバイアスがもたらす“休みにくさ”~
130万PV突破!漫画『“生きづまる”私たち』としゅふJOB総研調査が映し出す“休みにくさ”
9月25日は「主婦休みの日」。サンケイリビング新聞社が2009年に提唱したもので、「日ごろの家事への感謝を表し、お互いを思いやるきっかけの日」としています。しかし現実には、「自分がやらなければ」と抱え込み、思うように休めない人も少なくありません。仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦)は、10年以上にわたり、しゅふの家事・育児・働き方に関する調査を継続してきました。今回は最新調査と130万PV突破した漫画『“生きづまる”私たち』を通じて家庭に潜む見えないバイアスに焦点を当てました。
1.家事分担における“見えない差”
漫画『“生きづまる”私たち』では、掃除や料理、家計管理などを「自分が全部やらなければ」と抱え込み、周囲にはその負担が伝わりにくい様子が描かれています。こうした見えない負担は、「やっているつもり」と「十分にできていない」との認識の差を生み、家族間でのすれ違いが生まれやすくなります。
▪家庭内で複数の家事を一人で抱え込み、周囲に伝わらないもどかしさを描いた場面

▪誰かがやらなければ回らない、けれど名前のつかない小さな家事=“名もなき家事”に追われる場面

▪しゅふJOB総研調査:夫の家事育児「不満なし」が過半数超え/積極的に取り組んでいた家事1位は「ゴミ出し」

しゅふJOB総研の調査「夫の家事・育児2024」でも、妻の46.7%が「夫の家事・育児に不満あり」と回答しました。一方で、「不満なし」と答えた人は53.2%と直近3ヵ年で最多となっており、家事分担への満足度は少しずつ改善傾向にあることもわかります。とはいえ特に「名もなき家事」については取り組み不足とされ、小さなすれ違いが積み重なる現実が見えてきます。
しゅふJOB総研 研究顧問 川上は家事・育児・介護といった「家オペレーション」の多くを女性が担い、男性の当事者意識はまだ不十分と指摘します。家事の全貌を見える化・共有することが、その解消に向けた第一歩になるとアドバイスしています。
2.家庭のことは自分たちでやらなければならないという無意識の思い込み
漫画『“生きづまる”私たち』では、家庭内で回りきらないタスクを前になんとか頑張るも、やりきれず、行政サービスの存在を知りながら「知らない人にお願いするのは不安」と悩むシーンが描かれています。これは、「家庭のことは自分たちでやらなければならない」という無意識の思い込みにより、家庭内で抱え込みやすい傾向を象徴しています。
▪小学校の入学説明会をきっかけに、家庭内で抱えるタスクの多さを改めて家族で共有しようとする場面(第5話 あやみと小1の壁|『“生きづまる”私たち』)

▪行政サービスの存在を知りながらも、「他人を頼るのは気が引ける」とためらう心理が描かれた場面(第5話 あやみと小1の壁|『“生きづまる”私たち』)

▪しゅふJOB総研調査:女性は管理職になりたがらない? ― 100%仕事に“時間”が使えれば管理職を希望:57.2%

しゅふJOB総研の調査では、「家庭の制約がある状態では管理職を希望する人は24.1%」にとどまるのに対し、「制約がなければ57.2%が希望する」と回答しました。この大きな差からは、本来キャリアアップへの意欲を持つ人も、家庭の事情を自分で抱え込む意識によって選択肢を狭めてしまう現実が浮かび上がります。川上は、「家庭のことは女性が担うべきだ、という見えないバイアスがあるため女性に集中しやすい。その結果、キャリアアップを望む気持ちがあっても、無意識のうちに家庭の負担を考えて抑え込んでしまう。」と指摘しています。
3.まとめ
仕事と家庭の両立はもはや“女性だけの問題”ではなく、すべてのビジネスパーソンが抱える課題であり、家事分担のすれ違いや「自分でやらなければ」という見えないバイアスは、個人の努力だけでは解決できない社会的課題だと川上は指摘しています。“主婦休みの日”は、どうすれば安心して休める環境をつくれるのかを社会全体で考えるきっかけとなる日でもあります。一人ひとりが家庭内の分担や周囲の理解を見直すことが、その第一歩となります。ビースタイルグループおよびしゅふJOB総研は今後も調査や漫画『“生きづまる”私たち』のような表現を通じて課題を可視化し、みんなが自分らしく休み、働き、生き、声を届け続けられる社会を目指して発信を続けてまいります。
漫画「“生きづまる”私たち」について
育児、家事、介護、年齢などの目に見える壁、そして「私にはムリ」「どうせ理解されない」といった目に見えない壁と向き合いながら、もがき、泣き、笑い、時には壁を突き破って進んでいくしゅふたちの姿を描いたコミックエッセイ。本作では、しゅふが実際に直面する困難を、シリアスかつコミカルに描いています。読者の心に寄り添いながら、社会の“見えない壁”を浮き彫りにしていきます。

漫画はこちら:https://part.shufu-job.jp/news/lifemagazine-type/ikizumaruwatashitachi/
【読者からの声(一部抜粋)】
「よくある主婦の日常に「わかるわかる」と共感しながら読めました!私も主夫みたいなものなので」(男性)
「小1の壁の具体的なイメージが湧き、勉強になりました」(女性)
「専業主婦の湧き上がる様々な感情を描いて、それを紐解いていくストーリーが面白いし、めっちゃ共感できます」(女性)
「主婦の妻の気持ちが少しわかったような気がしました」(男性)
「『幸せのカタチは今の私が作る』シンプルだけど心に残るワードでした」(女性)
作品全体を通じて、多くの読者が“自分ごと”として受け止めていることがわかります。公開後には、多くの共感や気づきの声が寄せられました。
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎 プロフィール
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。これまでに、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ50000人以上の声を調査・分析し、300本以上のレポートを配信。2021年に独立し現職の他、ワークスタイル研究家として解説記事の執筆・講演、広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。

実務経験分野は、人材派遣・紹介・アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げ、広報ブランディング、経営企画、人事など事業現場の最前線から管理部門まで管轄するなど多岐にわたる。人材マネジメントから法規制まで、雇用労働分野の幅広いテーマについて多数のメディア出演などを通して意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役/日本労務学会員
◇委員等 厚生労働省 委託事業検討会委員
民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職
促進検討会」(平成29~30年度)
労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラ
ム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会 派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)、内閣府 規制改革会
議雇用WG勉強会(平成26年)など
◇メディア出演 NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、
フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、
ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数
◇執筆・その他 ITメディア連載『働き方の見取り図』/JBpress連載『ワークスタイルの行方』他、
日本経済新聞、日経MJ、時事通信、BUSINESS INSIDER JAPAN、プレジデントオン
ライン、J-CASTニュースBizなど執筆・寄稿記事多数。大学や地方自治体、男女共同
参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターも務める
<しゅふJOB総研について>
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/category/report/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ

<ビースタイルグループについて>
『時代に合わせた価値を創造する』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ20万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、目指す未来 -VISION- 『かかわる全ての人がしあわせ』を実現してまいります。

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