不動産業界初!広域Wi-Fi“IEEE802.11ah”を活用した管理業務の効率化および物件価値向上に向けた実証実験を開始
<実証イメージ>
1. 背景と目的
人口減少、少子高齢化などに起因する様々な課題が顕在化し、不動産業界においても労働人口の減少、管理物件の増加を背景に、従業員の働き方改革の実現に向けた業務効率化のニーズが高まっています。また空室対策も課題となっており、便利で安心安全な暮らしのニーズに応えることで物件価値を向上させ、入居率の向上および家賃収入の増加を図ることが不動産管理会社の課題となっています。
今回活用する11ahの特長は、従来のLPWA※3では送受信データ容量が大きく活用できなかったカメラ等の機器が活用できることと併せ、既存の2.4G/5GHz帯を用いるWi-Fiと比べて広域なエリアでも利用できる点です。画像や映像等の送受信が可能な規格であるため、遠隔から離れた現地の状況を確認するというユースケースに適している事から、様々な利用シーンでも活用されはじめております。
不動産管理業務においては、特にトラブル対応業務に関して、これまでは従業員が現地へ移動するために、場所によってはかなりの時間がかかっていましたが、画像や映像等による現地の現況確認からトラブル対応までを遠隔で実現することで、従業員の移動時間の削減および対応時間低減による稼働負担軽減を実現します。このようなリモートワークによる働き方改革を推進することで、従業員のエンゲージメント向上と居住者・近隣住民のニーズに応えることでサービス向上へとつながります。
今回の実証実験においては、管理対象のマンションへ建物全体をカバーする無線環境を構築するための11ahのアクセスポイントと複数台のカメラ設置により、建物の遠隔監視を実現します。この実証を通じ、不動産管理会社の物件管理業務の効率化をめざします。
※1 IEEE 802.11ah :920MHz 帯を利用する IEEE 標準規格で「従来の Wi-Fi に比べ伝送距離が拡大」「数Mbps のスループットの可能性を有する」等の特徴を持つWi-Fi 規格。
※2 不動産業界初:11ahを活用した不動産管理業務のDXの取組みは、不動産業界初となります(2024年10月/NTT東日本独自調べ)
※3 LPWA:「Low Power Wide Area」の略で、低消費電力で長距離での無線通信が可能な広域無線通信技術のこと。
■IEEE 802.11ah の4つの特徴
1. Wi-Fiの伝送エリアが大きく拡大
2. 端末・アクセスポイント・クラウドまでエンドエンドで利用者が自由にネットワークを構築可能
3. フルオープン・デファクトスタンダード規格のIP通信に対応したWi-FiベースのLPWA
4. 画像や映像の送受信にも活用ができる数Mbps程度のスループット
【引用元:802.11ah推進協議会https://www.11ahpc.org/11ah/index.html】
2. 実証実験の概要
不動産管理業務で特に稼働負担が大きいトラブル対応業務について、建物周辺で不法駐車、不法駐輪、ゴミ置き場の散乱、倒木、動物の死骸、設備の稼働不良 等のトラブル事象が発生した場合に、遠隔対応を実現
(1) 実証期間
2024年11月19日~2025年3月31日(予定)
(2) 実施内容
▷武蔵コーポレーションが保有する賃貸管理物件に11ahのアクセスポイントを設置し、駐車場および建物周辺に設置したカメラにより建物監視を実施
▷物件居住者や近隣住民からの問合せ時に現地の映像をカメラで確認し、関係会社および自治体等に連絡をすることで不動産管理業務を遠隔で実現
3. 役割分担
▷武蔵コーポレーション :実証実験の場所の提供、各種データ取得およびデータの分析
▷NTT東日本 :通信回線・設備の提供、遠隔地でのモニタリング環境の構築、11ahを活用した実環境での技術実証
4. 今後の展開
▷武蔵コーポレーション
当社は賃貸アパート・マンション(収益不動産)に関して、売買・賃貸管理・工事をワンストップで提供しています。特に賃貸管理は当社における中心的事業であり、現在は約3万2000室を管理しています。
今般当社では、2033年までに賃貸管理戸数を10万戸にするという中期計画を立て、今後はスケールメリットを活かして、オーナー様や居住者様に対してより多くの価値を提供する体制を整えます。
本実証実験を通して得られた知見をもとに、賃貸管理事業を効率化させ、「住まいで人を笑顔に」という当社のミッションを実現してまいります。
▷NTT東日本
本実証実験により得られた知見をもとに、11ahアクセスポイント機能の提供のみならず、スマートホームの世界標準規格である「Matter※4」の実装等、不動産管理業務のDXを推進します。また、今後は不動産業界のみならず、地域産業のDX推進に資する取組みを進め、更なる地域活性化、より持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※4 Matter:メーカー横断でIoT機器間の接続を実現することで、利用者の利便性向上と、各メーカーの開発負担の低減および開発迅速化を目的に策定された規格。
5. 本件に関するお客さまからのお問い合わせ先
・NTT東日本埼玉事業部 営業企画部
E-mail:saitama-hanki@east.ntt.co.jp
・武蔵コーポレーション マーケティング部
E-mail:pr@musashicorp.jp
(左から)市川事業部長、大谷社長
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