サハラ以南アフリカ地域で、法的に“存在しない”子ども9,500万人【プレスリリース】
5歳未満児の半数以上が出生未登録
【2017年12月7日 ヌアクショット(モーリタニア)/ダカール(セネガル)発】
サハラ以南のアフリカでは、9,500万人の子どもたちが出生登録をされておらず、確固たる行動が取られなければ、2030年にはこの数は1億1,500万人に跳ね上がる、とユニセフ(国連児童基金)は本日発表しました。
ユニセフは、第四回アフリカ閣僚(国民登録担当)会議の開催に合わせてデータを発表し、アフリカ各国に対して国民登録・人口統計制度を機能させるための重要な最初の手続きとして、出生登録を優先させるよう呼びかけています。
「これほど多くの子どもを不可視の状態に置き続けることはできません。その代償は大きすぎます」とユニセフ・東部・南部 アフリカ地域事務所代表のレイラ・パカラは述べました。「身分を証明するもの、年齢を証明するもの、国籍を証明するものも持たない、未登録の子どもたちは、児童婚、児童労働や武装勢力による徴用・徴兵などの人権侵害を受けやすくなります」
ユニセフは、サハラ以南のアフリカでは過去16年間にわたり、出生登録の普及率が改善していないことが、傾向分析により明らかになったとしています。子ども人口の急増と現在の遅い変化の傾向では、サハラ以南のアフリカでは、2030年までに、未登録の子どもの数が1億1,500万人近くにものぼる可能性があります。これは、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる、2030年までに、すべての人々に出生登録を含む法的な身分証明を提供するとしたターゲット16.9を達成できないことになります。
しかし、数々の難題を抱えているにもかかわらず、アフリカ大陸全体のデータは、特に保健分野や予防接種キャンペーンのような子どもへの保健ケアサービスなど他の社会サービス分野と共同で展開することで、保健施設や家で産まれた子どもの登録を促進し増やすことが可能であることを示しています。
「アフリカ大陸のいくつかの国々の例は、保健サービスと国民登録サービスを抱き合わせることで、低い新生児登録率を改善することが可能なことを示しています」とユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエが述べました。
ユニセフは、アフリカ大陸全土における出生登録を含む国民登録制度を恒久的に改革することを目的とした、アフリカ国民登録・人口統計改善加速プログラム(African Programme on Accelerated Improvement of Civil Registration and Vital Statistics (APAI-CRVS))を支援しています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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