「それでも一緒に歩んでいく。だって、家族だから」ごく普通の家庭の生々しい現実を強烈にえぐり出した珠玉の連作集。窪美澄著『水やりはいつも深夜だけど』発売
「ここまで作りあげてきた家庭を壊す気なんてさらさらない。だけど、僕はちょっとだけ寂しいんだ。誰かにほんの少しだけ、興味を持ってほしいんだ」
「私と結婚したことが、そもそも間違ってたんだよ」
「仕事も、家庭のことも、子育てのことも、全部完璧にできる父親なんているかよ。なんでできないとこだけ見るんだよ」
思い通りにならない毎日。言葉にできない本音。
それでも、一緒に歩んでいく
だって、家族だから。
セレブママとしてブログを更新しながら、周囲の評価に怯える主婦。
仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。
自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。
父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。
同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。
【書籍概要】
窪美澄著『水やりはいつも深夜だけど』
刊行日:2014年11月15日 定価:1512円(税込)
体裁: 四六判上製 頁数:240頁
公式サイト http://www.kadokawa.co.jp/sp/2014/mizuyari/
【著者紹介】
窪 美澄(くぼ・みすみ)
1965年、東京都生まれ。短大中退後、広告制作会社、フリーの編集ライターを経て、2009年、「ミクマリ」で第8回女による女のためのR-18文学賞大賞を受賞しデビュー。11年、受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』で第24回山本周五郎賞を受賞、本屋大賞第2位に選ばれた。12年、『晴天の迷いクジラ』で第3回山田風太郎賞受賞。その他の著書に『クラウドクラスターを愛する方法』『アニバーサリー』『雨のなまえ』『よるのふくらみ』などがある。
◆絶賛コメント続々届いています!◆
小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、
窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家)
璧に愛せないなら最初から愛さないほうがいい? そんなわけない、狭量でも自信がなくても家族を作っていいと思わせてくれた小説です。 ――山本文緒さん(作家)
そうそう! 散らかった食卓で、深夜のリビングで、男も女も、人生の暗い淵を覗いては戻ってくる。とても他人事とは思えない。 ――小島慶子さん(タレント・エッセイスト)
見知らぬ誰かの気持ちが、生々しく、奥深くまで沁みてくる。秀逸なタイトルが胸にストンと落ちてきました。 ――中江有里さん(女優・作家)
チクチクと胸を刺すけど、読み終わったらなんだかじわじわと安心感のようなものが押し寄せてきた。いろんな「家族」があっていいと思う。 ――川俣めぐみさん(紀伊國屋書店 横浜店)
閉塞感漂う世の中で、失敗しても「もう一回やればいいんだ」という、窪さんの優しくも力強い願いが込められている傑作です。 ――山本亮さん(大盛堂書店)
コミュニケーションを取ることの大切さ、現状を抜け出すきっかけはとても身近にあって些細なことなのかもしれないなと気づかせてくれる。家族関係、人間関係に思い煩う人たちに是非読んでほしい。 ――関根和博さん(本の楽天 伊奈店)
簡単に枯れてしまう「家族」という緑を育てていくには毎日の水と栄養が必要なんだな、と思いました。窪さんの短編にはいつも心の痛いところをズンっとつかれてしまう。その痛みが心地いいのはなぜなんでしょう。 ――久田かおりさん(精文館書店中島新町店)
ほんとうは家族にカタチなんかない、ただの人間の集まりなんだ。
幻想の家族から解き放たれたとき、一緒に暮らすその人を真に愛せるのかもしれない。 ――今井麻夕美さん(紀伊國屋書店 新宿本店)
一番近くて、近いからこそぶつかってしまう家族。でもぶつかっても一緒にい続けることができるのもまた家族だからこそ、と思いました。胸にじんわりと響いてくる物語でした。 ――竹山涼子さん(SHIBUYA TSUTAYA)
立ち止まって相手と向き合う勇気をもらえました。家族ってやっぱりいいな。
思わず息子たちをぎゅーってしたくなりました。 ――山本机久美さん(柳正堂オギノ湯村SC店)
人生の闇を照らすのは人肌の温もり。尊い絆に気づいた瞬間に新たな一歩が踏み出せる・・・・・・。不器用に生きる人たちに向けた必読の一冊だ。 ――内田剛さん(三省堂書店 神保町本店)
そんなに悲しい物語はないはずなのにポロポロ泣いてしまいました。子育ては「難しい」、この「難しい」に色々と詰まっている気がします。 ――勝間準さん(MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店)
読んでいる間は苦しくて、途中で息継ぎをしなければ進めなかった。しかし、圧倒的なリアリティで絶望を描くからこそ、物語の最後に見えた光も真実味があり、読者はそれを信じて読み進めばいいのだ。 ――玉置雅也さん(TSUTAYA 梅田堂山店)
子供の行動もママ友との付き合いも、自分の思うようにはならない。些細な悩みがじわりと滲み広がる様が手に取るように描写され、少しだけ涙ぐんだ。窪美澄の作品が益々好きになった。 ――津田千鶴佳さん(今井書店 企画開発本部)
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