転職サービス「doda」、「ハイクラス求人の増加率ランキング」を発表

~提示年収の下限が600万円以上の求人は5年で2.6倍に伸長。再開発、半導体需要、DX・AI投資なども背景に、建設・技術派遣・営業領域で即戦力人材の需要が拡大~

パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井 貴史)は、「ハイクラス求人の増加率ランキング」を発表します。これは、2022年上半期(1~6月)から2026年上半期(1~6月)の各期間、「doda」に新規掲載された求人のうち、中途採用時提示年収※1の下限金額が600万円以上の求人数の変化を業種・職種別に分析したものです。結果から見える採用ニーズの変化やトレンドについて、ハイクラス・ミドルシニア労働市場スペシャリストの石井 宏司が解説します。

※1 提示年収とは、企業が中途採用時、求人票に記載する想定年収を指す。

ランキング結果サマリ

  • 提示年収の下限金額が600万円以上の求人数は5年で2.6倍に伸長

  • 業種別ハイクラス求人の増加率ランキング 1位は「建設・プラント・不動産」で4.9倍。

    2位は「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」、3位は「運輸・物流」

  • 職種別ハイクラス求人増加率ランキング 1位は「技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場)」で4.7倍。2位は「販売・サービス職」、3位は「営業職」

トピックス

  1. 大規模再開発や、データセンター需要を背景に、建設・不動産領域でハイクラス採用が活発化。製造業やエネルギー業界出身者にも活躍の場が広がる

  2. 販売・サービス領域、小売業の市場構造の複雑化により、店舗開発や店長・スーパーバイザーなどの即戦力人材の需要が拡大

  3. AI・半導体・EV需要の高まりを背景に、組み込み・機械・電気エンジニアや技術派遣人材の需要が増加

  4. DX・AI投資がもたらした巨大なBtoB市場が、ITソリューション営業人材の需要を押し上げ

<レポート背景>

リーダーやファーストラインマネージャー(課長・係長職)以上のポジションでは、提示年収下限を600万円以上とする求人が多く見られます。また、個人においても、年収向上やキャリアアップを目的として、提示年収600万円以上の求人に関心を寄せる転職希望者も多いのが実態です。こうした背景から、本レポートでは、過去5年の「提示年収下限600万円以上※2」の求人に着目し、求人数の増加率を分析。また、業種・職種大分類別の増加率を比較することで、企業がどの領域で即戦力人材を求めているのか、その採用ニーズの変化を考察しています。本レポートが、今後転職を検討する方の、企業の採用ニーズの把握や企業選びの参考となれば幸いです。

※2 提示年収の下限金額は、求人票内「入社時の想定年収」欄で提示される年収下限金額のことを指す。

<データ>

提示年収の下限が600万円以上の求人数は5年で2.6倍に伸長

2022年上半期に「doda」に新規掲載された求人数を1とした場合、提示年収下限600万円以上の求人数は2026年上半期に約2.6倍となりました。求人全体の増加率(約2倍)を上回って推移していることから、企業による即戦力人材や専門人材への採用需要が拡大していることがうかがえます【図1】。

今後も、企業の即戦力採用ニーズは加速し、提示年収金額水準の高い求人が増加すると予測します。結果として、企業は年齢や性別に関係なく、活躍が見込める人材に採用間口を広げる必要があり、これらに早期に対応できる企業が事業成長を加速させられるものと考えます。

【図1】ハイクラス求人数の推移(2022年上半期を1とする)

業種別ハイクラス求人の増加率ランキング 1位は「建設・プラント・不動産」で4.9倍。2位は「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」、3位は「運輸・物流」

業種別で「年収下限600万円以上」の求人数の増加率をみると、最も高かったのは「建設・プラント・不動産」(4.9倍)でした【図2】。具体的には「ゼネコン」「デベロッパー」「サブコン」といった領域での求人増加がみられます。2位は「人材サービス・アウトソーシング・コールセンター」(4.8倍)で、具体的には「技術系アウトソーシング(特定技術者派遣)」やBPO領域を含む「アウトソーシング」の求人数が伸長。3位には「運輸・物流」(4.0倍)が続きます。特に「道路貨物運送業(宅配便・トラック運送など)」の求人が多くを占めました。なお、4位は「旅行・宿泊・レジャー」(3.5倍)、5位は「外食」(3.4倍)でした。

【図2】業種別ハイクラス求人(下限600万円以上)の増加率ランキング

職種別ハイクラス求人増加率ランキング 1位は「技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント・工場)」で4.7倍。2位は「販売・サービス職」、3位は「営業職」

職種別で「年収下限600万円以上」の求人数の増加率をみると、最も高かったのは「技術職・専門職(建設・建築・不動産・プラント)」(4.7倍)でした【図3】。具体的には「施工管理」の求人増加が目立ちました。2位は「販売・サービス職」(4.5倍)で、具体的には「店舗・販売」「店舗開発・施設管理」といった領域が求人の多くを占めました。3位には「営業職」(4.2倍)が続きます。「建設・土木・不動産・住宅営業」の伸びや求人割合が目立つほか、「IT営業」の求人割合も高い結果となりました。なお、4位は「技術職(組み込みソフトウェア)」と「技術職(機械・電気)」(3.2倍)でした。

【図3】職種別ハイクラス求人(下限600万円以上)の増加率ランキング

<解説>

トピックス①大規模再開発や、データセンター需要を背景に、建設・不動産領域でハイクラス採用が活発化。製造業やエネルギー業界出身者にも活躍の場が広がる

建設・不動産領域でのハイクラス求人の伸び率が業種・職種ともに高かった背景には、「東名阪での中長期的なエリア再開発が2040年ごろまで継続する」、「AIの普及を背景としたデータセンター需要の高まり」という業界動向の重なりがあると考えられます。建設・不動産領域はこれまでも慢性的な人手不足傾向が続いており、企業による採用需要は高い水準で推移しています。

加えて、請け負う業務内容は「建物づくり」から「街づくり」へ変化し、「都市インフラとの融合」などより複雑性の高い業務内容になったことで、これまで以上に高度な専門人材が求められています。さらに、建築物としては専門性・特殊性が高いデータセンター関連の案件が増えていることが、提示年収の上昇をもたらしたと言えます。

今後は、建設というハード部分だけでなく、再生可能エネルギー設備や通信インフラ、脱炭素対応などを組み合わせた大規模プロジェクトが増えることも予想されます。エネルギー、通信、製造、環境分野など異業種で専門性を培った人材への需要も高まることで、各業界での専門性や豊富な経験を持つベテラン人材の活躍の場も広がっていくと考えられます。

トピックス②販売・サービス領域、小売業の市場構造の複雑化により、店舗開発や店長・スーパーバイザーなどの即戦力人材の需要が拡大

販売・サービス領域でハイクラス求人が増加した背景には、中長期的な人材不足とコロナ禍からの需要回復に加え、小売市場における競争環境の変化があると考えられます。大型ショッピングモールやコンビニエンスストアなど従来の小売市場に加えて、近年は、ホームセンターやドラッグストアといった業態が成長、ディスカウントスーパーの拡大、ネットスーパー市場の成長などにより、市場が複雑化しています。こうした中で求められているのは、戦略的に出店を行う店舗開発や店舗運営を担う店長・スーパーバイザー、自社商品の企画開発を担う商品企画など、事業成長をけん引する即戦力人材です。これらの人材は業界内でも獲得競争が激しく、提示年収を引き上げて採用する企業が増えたことが、ハイクラス求人増加の背景にあると考えられ、今後もこの競争は続くと予想されます。

新規出店や事業拡大が続く中、求められるのは「即戦力」と「スピード感」で、これらが競争力を左右します。こうした力を持った人材が、同業界でキャリアアップしていくと考えられます。また、各社プライベートブランド商品の強化や自社独自の調達網の構築などにより、差別化・利益率アップを目指していることから、今後は食品・日用品メーカー、専門商社などで培った知見を持つ人材の需要も高まっていくと考えられます。

トピックス③AI・半導体・EV需要の高まりを背景に、組み込み・機械・電気エンジニアや技術派遣人材の需要が増加

AIや半導体の需要拡大、EV化の進展を受け、製造業では事業ポートフォリオの見直しが進むとともに、それに伴う人材ポートフォリオも大きく変化しています。成長や利益拡大が見込みづらい既存事業においては、固定人員を増やすのではなく、製造業派遣や技術派遣を活用する動きがみられます。その結果、技術系アウトソーシング企業の採用需要も高まっています。

一方で、半導体や次世代電池、EVなどの成長領域では、関連部品の製造拡大に向けて大規模な設備投資や生産ラインの新設が進んでいます。こうした領域では、製造装置を支える組み込みエンジニアや機械・電気系エンジニアに加え、新規ラインの立ち上げや生産体制構築を担う即戦力人材への需要が高まっています。特に高度な専門性を持つエンジニアは育成に時間を要することから、提示年収を引き上げて採用する企業が増えており、ハイクラス求人増加の背景になっていると考えられます。

今後も半導体や次世代電池、EV関連領域への投資は継続すると予想されます。特にこうした産業は地方を含む戦略的拠点への投資が進むため、人材確保が課題となるケースも少なくありません。引き続き即戦力人材の獲得競争は激化し、年収水準も上昇傾向が続くと考えられます。また今後は、機械系エンジニアだけでなく、半導体や次世代電池領域で求められる化学系エンジニア、EV領域で求められる電気・制御系エンジニアなど、異なる専門性や経験を持つ人材が成長領域へ活躍の場を広げていくでしょう。

トピックス④DX・AI投資がもたらした巨大なBtoB市場が、ITソリューション営業人材の需要を押し上げ

近年、企業におけるDXやAI活用への投資は拡大を続けています。業務効率化や生産性向上に加え、競争優位性を維持するためにも、IT投資やAI投資、それに伴う情報セキュリティ対策は多くの企業にとって避けて通れない経営課題となっています。こうした需要を背景に、IT・通信業界を中心としたBtoBソリューション市場は大きく拡大していると考えられます。

一方で、多くの企業は「どのようなDXやAI活用を進めるべきか」を明確に描けているわけではありません。また発注規模が大きいことから、IT業界の営業職においては、顧客企業の課題を理解し、DXやAI活用を含めた解決策を提案できる高度なソリューションセールス能力が求められています。こうした人材は市場でも希少であり、大手企業とのリレーションを維持・深耕するアカウント営業や、DX・AI導入を支援するコンサルティング型営業の需要が高まっています。結果、提示年収を引き上げて採用する企業が増えたことが、「営業職」および「IT・通信」におけるハイクラス求人増加の背景にあると考えられます。

今後もAI領域への投資は加速するとみられます。それに伴い、関連サービスを提供する企業では、自社の受注拡大に向けた専門的な営業職やセールスエンジニアの需要はますます高まっていくことでしょう。また、単にITや開発に強い人材だけでなく、顧客の事業や業務プロセスを深く理解し、その課題に応じたソリューション提案ができる「顧客軸」の専門性が重視されると考えられます。そのため、製造業や金融業界、小売業界などで培った知見を持ち、DXやAI活用の知見と各業界の知見を橋渡しできるような営業人材の需要も高まっていくでしょう。

解説者プロフィール ハイクラス・ミドルシニア労働市場スペシャリスト 石井 宏司(いしい こうじ)

2023年パーソルキャリアに中途入社、ミドルシニア事業企画部のゼネラルマネジャーに就任。就労人口が平均50歳を超える2030年を見据え、転職市場におけるミドルシニア層のキャリア支援体制の強化やミドルシニアが活躍できるキャリアパスの開発に従事。2025年4月から、領域開発部のゼネラルマネジャーとして企業のミドルシニアやハイキャリア人材活用の推進を担い、2026年4月から法人の課題解決を支援するdoda事業本部 エンタープライズ支援統括部 CX部のゼネラルマネジャーに就任。

自社の事例やデータに基づく転職市場動向の解説に加え、大手コンサル会社での勤務経験を活かし、アカデミックな視点から多角的な分析や課題の特定を得意とする、ミドルシニアの労働市場のスペシャリスト。

調査概要

対象:2022年上半期~2026年上半期に転職サービス「doda」に新規掲載された求人のうち、提示年収の下限金額が600万円以上であるもの

※業種・職種別データについては求人数が当社基準を満たしているもののみランキング化しています。

転職サービス「doda」について< https://doda.jp >

「doda」は、「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに、転職サイトや転職エージェント、doda転職フェアなど、各種コンテンツで転職希望者と求人企業の最適なマッチングを提供しています。

■パーソルキャリア株式会社について<https://www.persol-career.co.jp/

パーソルキャリア株式会社は、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス転職サービス「doda X」を通じて人材紹介、求人広告、新卒採用支援などを提供しています。2022年5月にはプロフェッショナル人材の総合活用支援サービス「HiPro」を立ち上げ、副業・フリーランス領域にも本格参入。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。

当社のミッションについて:https://www.persol-career.co.jp/mission_value/

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会社概要

パーソルキャリア株式会社

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー21階
電話番号
-
代表者名
瀬野尾 裕
上場
未上場
資本金
11億2700万円
設立
1989年06月