【国立劇場12月文楽鑑賞教室】東京屈指のターミナルである池袋・東京芸術劇場プレイハウスで初の文楽、近松門左衛門の傑作『国性爺合戦』を上演!

これまで多くの伝統芸能公演を制作、上演してきた国立劇場は、ただいま首都圏の各劇場にて主催公演を続けています。今回は、東京屈指のターミナルである豊島区・池袋に位置する東京芸術劇場プレイハウスにて初めて文楽を上演いたします。
国立劇場では、初めて文楽をご覧になる方にも、その魅力を存分にお楽しみいただけるよう、出演者による解説と文楽を代表する名場面を上演する文楽鑑賞教室を、昭和44年(1969)から継続して開催しています。各回配役の異なるダブルキャストで1日2回公演です。また、平日や日中に忙しい方でもご覧いただきやすい午後6時開演「大人のための文楽入門」(5日・6日)や、英語によるサポートを手厚くした「Discover BUNRAKU―外国人のための文楽鑑賞教室―」(17日)を開催します。
報道各位におかれましては、本件の皆様への周知にご協力を賜りますようお願い申し上げます。
幕開きは『万才(まんざい)』で楽しく文楽の世界へ

近畿圏の四季の情景を春・夏・秋・冬の4つの場面に綴った景事(けいじ/けいごと)物(演奏は台詞よりも旋律的な部分が多く、人形の演技は舞踊的な演目)である『花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)』のうち、春の場面にあたるのが今回ご覧いただく『万才』です。振付は、上方舞の楳茂都(うめもと)流三代家元楳茂都陸平(りくへい)で、京都の町並みを背景に2人の芸人が新春を寿ぐおめでたい一幕です。
『万才』
正月を迎えた京都では、町に門松が立ち並び、清々しい空気が漂っています。そこへ、芸人の太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう)がやってきました。2人は新春を祝い、鼓の音をうららかに響かせながら寿ぎの舞を見せ、商売繁盛、子孫繫栄を祈るのでした。
楽しい実演付きで初めてでも楽しめる『解説 文楽の魅力』

技芸員が実演を交えながら文楽の魅力をお伝えします。
異国情緒漂う近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)の傑作『国性爺合戦(こくせんやかっせん)』


正徳5年(1715年)11月に大坂竹本座で初演された、近松門左衛門作の全五段の時代物です。前年に、義太夫節を確立した近松の盟友・初代竹本義太夫(たけもとぎだゆう)が没し、竹本座は重大な危機に直面していましたが、近松が日本と中国を舞台にした壮大なスケールで描いた本作は、そのドラマチックな展開と異国情緒の物珍しさから、初演当時17か月に及ぶロングランを記録する大ヒット作となりました。
明国(みんこく)出身の父・鄭芝龍(ていしりゅう)と日本人の母を持ち、明国再興に尽力した17世紀の武将・鄭成功(せいこう)(作中では、和藤内(わとうない))の生涯をもとに、日本と中国大陸を股にかけた華々しい活躍や、悲惨な戦の中での義理人情の厳しさと美しさを描いた、近松の時代物の代表作です。
今回は、和藤内という青年が、両親とともに日本の肥前国から中国大陸へ渡ってからのストーリーで、初演以来絶えず上演される名場面、「楼門(ろうもん)」「甘輝館(かんきやかた)」「紅流しより獅子が城(べにながしよりししがじょう)」を上演します。
臣下の裏切りにより韃靼(だったん)国に滅ぼされた明国の再興のため、明国出身の父と日本人の母とともに中国大陸へ渡った和藤内は、明国の旧臣である五常軍甘輝(ごじょうぐんかんき)を味方に引き入れるべく、今は彼の妻となっている異母姉・錦祥女(きんしょうじょ)を訪ねていきます。力ずくで話をつけようとする和藤内を制して、錦祥女と老母は、何とか甘輝の説得を試みます。
錦祥女の提案で、夫が味方に付く場合は館の遣水(水路)に白粉(おしろい)を流し、交渉が失敗したら紅(べに)を流すという合図を決め、和藤内は城の外でその知らせを待ちますが、必死の説得もむなしく、水路には紅が流れ、物語は一気に和藤内と甘輝、2人の英雄が対峙するクライマックスへ向かいます。
異国情緒漂う近松門左衛門の傑作を、ぜひお見逃しなく。
池袋・東京芸術劇場プレイハウスでの初めてとなる文楽の公演

老朽化などに対応する再整備事業のため、令和5年10月末日をもって初代国立劇場は57年の歴史に幕を閉じました。閉場後も他劇場にて主催公演を引き続き行っています。今回は、池袋・東京芸術劇場プレイハウスにて、国立劇場主催の文楽公演を初めて開催します。
東京芸術劇場は、東京都が都民のための音楽・演劇・歌劇・舞踊等の芸術文化の振興とその国際的交流を図るため、平成2年(1990)10月に開館した芸術文化施設です。平成21年7月には、日本を代表する演劇人である野田秀樹氏が初代芸術監督に就任し、以降、古典の新演出から既成のジャンル分けを超えた実験的な作品までさまざまなプログラムを展開しています。
普段は、演劇・舞踊等の公演を行うプレイハウスに文楽廻し(床)を設置し、本格的な文楽の上演を行う文楽鑑賞教室。東京都の音楽・舞台芸術の創造発信型劇場である“芸劇”でご覧いただく文楽の新たな一面は、文楽ファン・演劇ファンともに必見です。
池袋駅はJR、東京メトロ、東武東上線、西武池袋線が乗り入れしており、東京屈指のターミナルとしてアクセスも大変便利です。近隣には多くの商業施設があり、観劇後のお買い物やお食事も存分に楽しんでいただけることでしょう。
無料のプログラムもついて、お手頃な価格で文楽の魅力を存分にご堪能いただける文楽鑑賞教室。
17日(水)午後6時開演の「Discover BUNRAKU―外国人のための文楽鑑賞教室―」では、英語を交えた特別版の解説と日本語・英語のイヤホンガイドや6か国語のプログラムを無料でご利用いただけます。
ぜひともこの機会に、文楽の魅力に触れてみてください!
国立劇場 令和7年12月文楽鑑賞教室
万才(まんざい)
解説 文楽の魅力
近松門左衛門=作
国性爺合戦(こくせんやかっせん)
楼門の段/甘輝館の段/紅流しより獅子が城の段
※日本語プログラム付き。
【公演日程】
令和7年12月4日(木)~18日(木) ※8日(月)は休演
午前11時開演/午後2時30分開演
※5日(金)は午後2時開演のみ
※6日(土)・17日(水)は午後2時30分開演のみ
大人のための文楽入門
令和7年12月5日(金)・6日(土) 午後6時開演
主催=独立行政法人日本芸術文化振興会
Discover BUNRAKU-外国人のための文楽鑑賞教室-
令和7年12月17日(水) 午後6時開演
※英語を交えた特別版の解説となります。
※日本語・英語のイヤホンガイド、6か国語のプログラム付き。
主催=独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
令和7年度日本博2.0事業(委託型)
【料金[各部・税込]】
学生2,000円/一般 [1等席]6,000円 [2等席] 4,000円
※障害者の方と介護者1名は2割引です(他の割引との併用不可)。
※車椅子用スペースがございます。詳細はチケットセンターまでお問い合わせください。
※インターネットでも学生料金・障害者割引による申し込みが可能です。
※残席がある場合、公演会場にて当日券のみ窓口販売いたします
当日券窓口 午前10時~各部開演前
(5日は午後1時~各部開演前、6日・17日は午後1時30分~各部開演前)
【会場】
東京芸術劇場プレイハウス (〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)
JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線 池袋駅 西口から徒歩2分・駅地下通路2b出口直結

国立劇場について
日本の伝統芸能の保存及び振興を目的として昭和41年(1966)に開場。大劇場・小劇場・演芸場・伝統芸能情報館を備え、多種多様な日本の伝統芸能公演、初心者や外国人を対象とした解説付きの鑑賞教室を上演。
老朽化による再整備事業のため、令和5年(2023)10月末に閉場。外部劇場にて主催公演を継続して上演している。また、開場当初から伝統芸能伝承者の養成事業にも引き続き取り組んでいる。
所在地:東京都千代田区隼町4-1
03-3265-7411(代表)

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