シリア・東グータで緊急治療要する子ども137人足止め、5人死亡【プレスリリース】
ユニセフ、人道支援と緊急医療搬送の許可要請
【2017年12月10 日 ダマスカス(シリア)/ アンマン(ヨルダン)発】
シリアの首都ダマスカスから10キロほど離れた東グータでは暴力が続いており、ひと月以上、地域の大半の学校が閉鎖され、治療を受けられる場所への医療搬送を必要とする多くの子どもたちが足止めされています。
腎不全、重度の栄養不良、紛争に関連したけがを抱える生後7カ月から17歳の子ども137人が、緊急の医療搬送を必要としています。子ども5人が必要な医療ケアを受けられずに亡くなったと報告されています。
東グータは、シリアで依然として包囲が続く地区のひとつで、推定40万人が、2013年以来、人道支援からほぼ完全に切り離された状態で暮らしています。
「東グータでの暴力が激化し続ける中、何千人もの子どもたちが静かに苦痛に耐えています」とユニセフ・ シリア事務所代表のフラン・エクイザ(Fran Equiza)は述べました。「状況は、日々悪化しています。保健システムは崩壊しつつあり、学校は1カ月近く閉鎖されています。病気の子どもたちは医療搬送を切実に必要としており、また何千人もの子どもが普通の平和な子ども時代を生きる機会を奪われています」
国連の支援物資を載せた車列が、最後に東グータのナシャビエ(Nashabieh)に入ったのは11月29日で、その際に現地入りしたユニセフの保健員たちは、シリア紛争の勃発以降、最悪の保健・栄養状況を目撃していると話しました。重度の栄養不良状態にある2歳の男の子の腕は、小指のように細かったと説明しました。
東グータで急性栄養不良に陥っている5歳未満児の割合は12%近くにのぼり、シリア紛争勃発以降、最も高い割合になっています。
「子どもたちは、今もとてつもない恐怖の中を生きています」とエクイザは話します。「今こそ、すべての紛争当事者たちが、正しいことをし、暴力を終わらせるときです」
首都ダマスカスと東グータでは暴力が激化しており、ダマスカスに撃ちこまれるロケット弾や迫撃砲の数はこの6週間で著しく増えています。
シリアの学齢期の子どものほぼ3人に1人にあたる175万人が学校に通えていないと推定され、学校校舎の3分の1が損傷または破壊されています。
ユニセフは、シリアの子どもたちに対して、妨害されることのない、無制限かつ継続的な人道支援ができるよう要請するとともに、すべての紛争当事者と影響力のある人たちに対して、いかなるときでも子どもを保護し、早急に病人やけが人の医療搬送を許可するよう求めます。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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