映画界の巨匠ジャン=リュック・ゴダール。彼の映像表現の革新性をひも解く日本初の展覧会《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》が、7月4日に新宿にて開幕。クラウドファンディングも開始。
ゴダールの遺作となる映画『シナリオ』は8月公開の予定。

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下、CCC)で、アートの生活提案を行うCCCアートラボは、このたび新しい形で映画とアートの鑑賞体験を提示するため、7月4日(金)~8月31日(日)の期間、ジャン=リュック・ゴダール《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展を新宿・歌舞伎町の王城ビルにて開催します。(主催:同展実行委員会、企画:CCCアートラボ、パラダイス商事株式会社)。
また、6月からのチケット一般発売に先立ち、4月24日(木)よりGREEN FUNDINGにて、開催に向けての支援者を募るクラウドファンディングを開始しました。リターンのひとつとして、ゴダール最後の長編映画『イメージの本』と、ゴダールの遺作となる『シナリオ』(2025年8月公開予定)に関する、2つの制作ノートのレプリカブックをご用意しました。
ジャン=リュック・ゴダール《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展公式サイト|https://godardtokyo.com
クラウドファンディング支援募集サイト|https://greenfunding.jp/global/projects/8678
映画の芸術性を拡大させたゴダールの世界を体感するインスタレーション
本展覧会は、ジャン=リュック・ゴダール監督最後の長編作品であり、カンヌ映画祭でパルム・ドールを超越する賞として、映画祭史上初の「スペシャル・パルムドール」を受賞した『イメージの本』(2018年発表)を映像インスタレーションとして再構成。ゴダールの眼で世界を見る内容となっています。
映画『イメージの本』は、1世紀以上にわたる歴史、戦争、宗教、芸術などの変遷を、さまざまな映画の引用でコラージュし振り返る、5章立ての作品です。本展では映画の各章をさらに断片化し、引用される映像の順序も常に変化させます。それらを会場内に多数設置されたスクリーンに投影・展示するという手法により、映画上映の時系列的な束縛を打ち破り、視覚的、空間的にゴダールの世界を体感いただきます。会場では、往年の映画ファンはもちろん、ゴダールを知らない多くの若い世代の方たちも、その映像や音の断片を通じて、その場に立ちながらゴダールの思考に入り、彼の眼で世界を見つめる観察者となっていきます。
これまでにドイツ、スイス等で会場の特徴をいかした展示が行われてきた同展を、このたび日本で初めて、東京で開催することになりました。会場は、新宿 歌舞伎町の歴史を60年前から見守ってきた「王城ビル」。開催会場の魅力については次回以降ご紹介します。 ゴダールの芸術性を極限にまで拡大させた本展に、ぜひご期待ください。


アラーニョ氏は後期ゴダールの右腕で、映画『イメージの本』のプロデューサーのひとり
2010年の映画『ゴダール・ソシアリスム』から撮影/音響/編集を手掛け、晩年のゴダールの右腕であったスイスの映画作家・ファブリス・アラーニョが本展のアーティスト/キュレーターを務めます。映画『イメージの本』のプロデューサーでもある氏は、本展のコンセプトを「『イメージの本』の編集室を拡大し、映画のなかの世界のように拡張させたもの。観客は自分で映画のプロセスを選択し、観客自身が時間のカーソルとなって、まるで森のような映画空間を散策できる。」と語っています。
ファブリス・アラーニョ Fabrice Aragno
1970年、スイス・ヌーシャテル生まれ。ローザンヌ州立美術学校卒業。映画作家、プロデューサー。『ゴダール・ソシアリスム』(2010年)、『さらば、愛の言葉よ』(2014年)、『イメージの本』(2018年)など、多くの映画でジャン=リュック・ゴダールの撮影監督として参加。またゴダールと共同で、イメージ、サウンド、編集、ミキシングの各オペレーターを指揮するなど、晩年のゴダールの右腕として活躍。

クラウドファンディングによるご支援について
《感情、表徴、情念 ゴダールの「イメージの本」について》展 実行委員長 門司孝之
CCCは、TSUTAYAでの映像レンタル事業を通して日本における映画文化の普及に務めてまいりました。映画の新たな鑑賞体験を提案するこの展示に携わることができること、そして、ゴダールの功績を往年のファンだけでなく、若い世代にお届けできる機会に恵まれたことを、とても意義深いことと感じています。また、ゴダールを支えたファブリス・アラーニョさんを知っていただく機会にもなればと考えています。日本の全ゴダールファン、映画ファンに鑑賞していただきたい企画です。
ご支援していただけるファンの方にはきっと喜んでいただけると思う特別なプランも考えました。
本展の基となるゴダール最後の長編映画『イメージの本』と、ゴダールの遺作となる『シナリオ』(2025年8月公開予定)に関する、2つの制作ノートのレプリカブックをご用意しました。
ゴダール自身が「未来を語るのはアーカイブである」と述べていたように、本展覧会は、20世紀の映像アーカイブを作品として振り返り体験することで、人間の歩みについて学び、未来への指針を探ることに繋げることができる展示となっています。日本で初めてとなるこの展覧会をぜひ盛り上げていきたいと思います。ご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
クラウドファンディング支援募集サイト|https://greenfunding.jp/global/projects/8678

本展に寄せて
海外で開催された同展覧会(Sentiments Signes Passions, à propos du Livre d'image, J.L. Godard)を観覧された方々にご寄稿いただきました。
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ゴダール最後の長篇『イメージの本』が空間に放たれ、
映画・絵画・書物の断片が交錯する映像インスタレーションとして立ち上がる。
迷宮のような展示空間を歩くその体験は、
彼の思考の森を彷徨う、またとない時間になるだろう。
堀 潤之(映画研究者)
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一昨年秋にリスボンで、ジャン=リュック・ゴダールが遺した映像音響素材を、ファブリス・アラーニョが構成する本展示を見る機会を得た。
幾重にも重なる映像のただなか、音声が複数の空間を浸透させ合う。それはSon-Image(音-映像)の海に潜るような体験だった。
これがゴダールの頭の中? それは誰にもわからない。ただ、今も時折そのダイバーズ・ハイのような感覚を反芻している。
またあそこに行きたい。
濱口竜介(映画監督)
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「物凄い精度の適当さーこの世界が失われる前に」
2023年の11月、僕はリスボン映画祭のクロージングイベントでコンサートを行い、その翌朝、ファブリス・アラーニョに彼がキュレーションした「イメージの本」についてのインスタレーションを案内してもらった。それは後期ゴダールの作品と同様に、部分と全体という二項対立を無化し、物凄い精度の適当さというこの世界から失われつつある幻のように美しく凶暴な空間だった。
僕はこの作品はもう観れないと思っていた。だから断言しよう、この展示は絶対に見逃さない方がいい。
渋谷慶一郎(音楽家)
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そこに永遠に座っていたかった。
杉田協士(映画監督)
展示詳細
ジャン=リュック・ゴダール《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展
Sentiments Signes Passions, à propos du Livre d'image, J.L. Godard
会期|2025年7月4日(金)~8月31日(日)
会場|王城ビル(新宿区歌舞伎町1-13-2)
主催|《感情、表徴、情念 ゴダールの『イメージの本』について》展 実行委員会
チケット料金|一般2,200円(税込)
企画|カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社、パラダイス商事株式会社
後援|在日スイス大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、新宿区
アーティスト / キュレーター|ファブリス・アラーニョ(Fabrice Aragno)
アシスタント&コキュレーター|槻舘南菜子
キービジュアルデザイン|北山雅和
GREEN FUNDING|https://greenfunding.jp/global/projects/8678
一般チケット|ART PASSにて6月より販売
公式サイト|https://godardtokyo.com/
公式Instagram|https://www.instagram.com/godardtokyo
映画界の巨匠ジャン=リュック・ゴダールの遺作『シナリオ』について
2022年9月、彼が自ら選んだ死の前日に完成した、ジャン=リュック・ゴダールの本当の遺作『シナリオ』が8月に公開の予定。コラージュ技法による18分の本編と、ゴダール自身が制作ビジョンを語るドキュメンタリー映像の2部で構成されている。時代を超えた美学と革新的な映像表現を追求し続けた巨匠が、映画と私たちに贈る最後のメッセージ。
54分|カラー|フランス語|日本語字幕(英語字幕なし)|2024年|フランス/日本|ねこじゃらし
監督
ジャン=リュック・ゴダール
1930年、フランス・パリに生まれる。50年代から映画批評家として活動し、『勝手にしやがれ』(60)で長編映画監督デビュー。ヌーヴェルヴァーグの旗手として知られ、映画史に多大な影響を与えた。代表作に『気狂いピエロ』(65)、『ウィークエンド』(67)、『万事快調』(72)などがある。晩年まで実験的な映画制作を続け、2022年9月、居住していたスイスで安楽死によって91歳で死去。
キャスト
ジャン=リュック・ゴダール
ジャン=ポール・バッタジア
ファブリス・アラーニョ
CCCアートラボ
CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
https://www.ccc-artlab.jp/
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