AWS、「AWS Wavelength」を発表

アマゾンジャパン合同会社

AWSコンピューティングサービスとストレージサービスを5Gネットワークのエッジ搭載することで、モバイルデバイスやユーザーに対し、遅延1桁ミリ秒のアプリケーションを開発可能

AWSVerizonVodafoneKDDISK Telecomの各社と協力し米国、欧州、日本、韓国のワイヤレスユーザー遅延が1桁ミリ秒の5Gアプリケーションを実現

MapboxVarjoAWS Wavelengthを活用したアプリケーションを先駆けて開発

(シアトル発、2019年12月3日発表)Amazon.com, Inc.(NASDAQ:AMZN)の関連会社である Amazon Web Services, Inc.(AWS)は本日、「AWS re:Invent 2019」にて、コンピューティング・ストレージサービス「AWS Wavelength」を発表しました。これにより、5Gネットワークを通じて、エンドユーザーに1桁ミリ秒遅延のサービス提供に向けたアプリケーション開発機能を開発者へ提供します。AWS Wavelengthは、通信事業者の5GネットワークのエッジにAWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだもので、開発者は、エッジでの機械学習推論、産業機器、スマートカーやスマートシティ、モノのインターネット(IoT)、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)といった、超低遅延を必要とするユースケースに対応できます。AWS Wavelengthは、高いAWSの性能を5Gネットワークのエッジにもたらすため、開発者は超低遅延が求められるアプリケーションの一部を5Gネットワーク内に展開し、AWS環境で実行される残りのアプリケーション部分やその他のクラウドサービスとシームレスに接続させることが可能です。AWSの顧客企業は今後、これまでと同様に使い慣れたAWSのAPI、ツール、機能性を利用して、世界中の5Gネットワークのエッジで低遅延アプリケーションを実現できます。

AWS Wavelengthの全米展開に向けて、AWSはVerizonと提携しています。現在は、Verizonのモバイル・エッジ・コンピュート(MEC)ソリューションである5G Edge上で、一部顧客によるAWS Wavelengthのパイロットテストをシカゴで実施しています。さらに、2020年には欧州、韓国、日本でもAWS Wavelengthを提供開始するため、AWSは業界をリードするVodafone、SK Telecom、KDDIなどの通信事業者と協力しており、グローバルパートナーは今後さらに拡大する予定です。AWS Wavelengthについての詳細は、https://aws.amazon.com/wavelengthをご覧ください。

AWSのインフラストラクチャは、22のAWSリージョンによる69のアベイラビリティゾーンで構成されており、開発者は全世界のエンドユーザーに対し、低遅延のサービスを提供できます。しかし、ゲームのストリーミング、仮想現実、リアルタイム・レンダリングなどの最新の双方向型アプリケーションでは、モバイルネットワークを通じたエンドユーザーやデバイスに対する遅延が1桁ミリ秒という超低遅延が要求されます。さらに、産業用オートメーション、スマートシティ、IoT、自動運転車などのユースケースも、デバイスの消費電力や帯域幅などのリソースを節約するため、データソースの近くでデータ処理を行う必要があります。5Gネットワークは4Gに比べて最大20倍の高速化を実現しており、サポート可能なデバイス数を大幅に増加できると同時に、モバイルデバイスのネットワーク遅延を小さくすることができます。しかし、5Gが実用化したとしても、インターネット経由でアプリケーションに接続する場合、モバイルデバイスはこれまでと同様、複数のネットワークホップを経由する必要があります。現行のアプリケーション・トラフィックは、デバイスから携帯電話の基地局、メトロ・アグリゲーション拠点、リージョナル・アグリゲーション拠点、インターネットまでを経て初めて、AWS環境で実行されるリソースにアクセスできます。こうしたネットワークホップにより、100ミリ秒以上の遅延が発生することもあります。開発者にとっては、5Gの潜在能力をフル活用し、低遅延のユースケースに対応することは困難です。

5GネットワークのエッジでAWSサービスを実行し、モバイル端末からアプリケーションへの接続遅延を最小限に抑えることで、AWS Wavelengthはこうした問題を解決します。AWS Wavelengthにより、AWS開発者は、アプリケーションをWavelength Zoneに展開できます。Wavelength Zoneは、5Gネットワークのエッジにあるネットワーク事業者のデータセンター内に、AWSのコンピューティングサービスとストレージサービスを組み込んだ、AWSのインフラストラクチャ環境です。そのため、アプリケーション・トラフィックは、端末から携帯電話の基地局を経由し、メトロ・アグリゲーション拠点で実行されるWavelength Zoneまでとなります。この結果、リージョナル・アグリゲーション拠点間とインターネットを横断する複数のホップで発生する多数の遅延が解消され、顧客企業は5Gネットワークをフル活用できます。さらにAWS Wavelengthは、世界中の複数の5Gネットワーク上で一貫した開発者体験を保証し、すでに使い慣れているAWSのサービス、API、ツールを使用し、超低遅延の次世代アプリケーション開発を実現します。開発者は、アプリケーションを展開する前に、スペースや設備に関して複数の通信事業者と交渉しつつ、異なる管理インターフェイスを通じてアプリケーションの展開と運用の工程を取りまとめる必要がなくなります。

AWS Wavelengthは、高性能なAWSクラウドとVerizon、Vodafone、KDDI、SK Telecomなどの主要な通信事業者の最先端の5Gネットワークを組み合わせて、革新的なアプリケーションと新サービスを提供できる環境を提供します。AWS Wavelengthを使用する開発者は、これらの新機能を通じ、データソースのより近い環境でデータを処理することできます。さらに、遅延が1桁ミリ秒のサービスをモバイルユーザーに提供し、自社のアプリケーションを最適化することで、工場、店舗、自動車、家庭など、多種多様なプラットフォームの事例に対応できます。

こうしたアプリケーションを5Gのエッジに搭載するには、開発者は単純にAmazon Virtual Private Cloud(VPC)を拡大してWavelength Zoneを組み込み、Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)インスタンスやAmazon Elastic Block Storage(EBS)ボリューム、AWS Elastic Container Service(ECS)、Amazon Elastic Kubernetes Services(EKS)コンテナなどのAWSリソースを作成するだけです。さらに開発者は、AWS CloudFormationやAWS Identity and Access Management(IAM)、AWS Auto Scalingなどのアプリケーションを管理、保護、スケーリングを実現する、強力なAWSサービスを引き続き利用できます。この結果、分析、IoT、機械学習、ゲームのストリーミング、AR/VRなど、低遅延が要求される幅広いアプリケーションを容易に実行できます。

AWSのコンピュートサービス担当バイスプレジデントであるMatt Garmanは、次のように述べています。「今回のAWS Wavelengthによって5Gとクラウドを連携し、モバイル・エンドユーザーにとって数ミリ秒以内の時間で、クラウドサービスを一貫して実行できる強力な新機能をお客様に提供します。これは開発者にとって、全く新しい世代のアプリケーションとサービスが生まれる大変革を意味します。かつてない独自の新機能を通じ、AWSのお客様が今後実現するイノベーションに心から期待しています」

Verizonは現在、米国で最も強力な5Gネットワークを構築しています。4月に提供開始したVerizonの5G Ultra Widebandネットワークは現在、米国の18都市に加えて、16のスポーツ・エンターテインメント施設で稼働しており、年内には米国30都市以上への拡大を予定しています。VerizonのCTOであるKyle Malady氏は、次のように述べています。「最新テクノロジーを初めて市場に投入するという弊社の伝統を継続する中、Verizonの5G EdgeプラットフォームとAWS Wavelengthの連携によって、モバイルエッジコンピューティングを提供できることを大変嬉しく思います。これにより開発者は、新しいカテゴリーのアプリケーションやネットワーク・クラウド体験を創出できるようになります。Verizonの5G Ultra WidebandネットワークとAWSのあらゆる機能が1つになることで、弊社は5Gサービスの可能性を最大限に引き出すことができ、弊社のお客様は、超低遅延による最速のアプリケーションとソリューションを開発することができます」

ヘルシンキに本社を置くVarjo Technologies Oyは、画期的なVR/AR/XRのコンピューティング・デバイス向けに世界最高クラスのハードウェアとソフトウェアを開発しており、現実世界とデジタル世界を、人の目レベルの解像度でシームレスに統合しています。Varjoの創設者兼CEOであるNiko Eiden氏は、次のように述べています。「実際の生活と同レベルの視覚で物事をシミュレートすることは、標準的なVRアプローチを根底からくつがえすものです。Varjo独自の人の目レベルの解像度技術により、プロフェッショナルは時間、コスト、労力を節約できます。近い未来に、弊社のテクノロジーは完全ワイヤレス化による、コラボレーションを生かした複合現実(MR)を実現するでしょう。そして、この未来のワークスペースは、自動車メーカーのオンプレミスやリモート拠点に関わらず、クラウド内でレンダリングを行いつつ、5G経由で最高解像度の非圧縮コンテンツを1桁ミリ秒の遅延でデバイスに届ける必要があります。これまでのように、バッテリー駆動式のデバイスでは実行不可能な、高価なローカルコンピューティングサービスの開発を強いられることなく、今後はエッジ・コンピューティングを活用することで、産業仕様のVR/MRのレンダリング能力を向上させ、その事業規模を数千台から数十万台に拡大できます。高性能なAWSクラウドと5Gの高帯域幅、低遅延、コネクティビティの向上は、弊社がプロフェッショナル仕様の没入感の深いコンピューティング体験を実現することや、自社のビジネスを成長させる上で欠かせない要素です」

Mapboxは、モバイル/Web開発者向けの位置情報プラットフォームであり、地図、検索、ナビゲーションなどの位置情報機能をあらゆる体験に追加できる開発キットを提供し、人々による街の移動や世界の探索のあり方を変革しています。Mapboxのツールは現在、ライブ位置情報の開発者170万人以上に利用されており、人、テクノロジー、ビジネスの日常的な体験をサポートしています。MapboxのCEO兼共同創設者であるEric Gundersen氏は、次のように述べています。「地図は誰にとっても欠かせない存在です。ニューヨーク・タイムズの見出しを読み、Weather.comで天気を確認し、Facebookで最高のレストランやコンサートを見つける際など、毎月6億人もの人々がMapboxを利用しています。弊社の地図は誰かが使う度に進化し、AIを駆使することで、交通状況や新しい道路のアップデートを常に行っています。AWS Wavelengthの超低遅延のコンピューティングサービスは、Vision SDKによって建設されたばかりの新たな道路を特定し、渋滞時にはドライバーを迂回させ、建設現場に目印をつけるなど、数十億回ものセンサーデータ更新を処理して、地図をより良いものにするのに役立っています。AWS Wavelengthにより、当社のリフレッシュ間隔は数分単位から数秒単位まで短縮でき、Mapboxユーザーには本当の意味で生きた地図をお届けできます」

SK Telecomは、50%近くの市場シェアを誇る韓国最大の移動体通信事業者であり、テクノロジーとサービスの継続したイノベーションを通じて、世界のモバイル業界をリードし続けています。5GのパイオニアでもあるSK Telecomは、AWSと協力し、商用の5Gモバイルエッジ・コンピューティング(MEC)を先駆けて提供します。SK TelecomのMNOビジネス担当バイスプレジデント兼責任者であるRyu Young-sang氏は、次のように述べています。「SK Telecomの5GネットワークとAWSクラウドを組み合わせることで、弊社は今後、すべての個人、企業、業界に対し、革新的な変革をもたらしていきます。AWSと協力することにより、ゲームストリーミング、ヘッドレスロボット、超高解像度のインタラクティブ・メディア、自動運転、スマート工場などの魅力的な事例を作り出します。一例として、スマート工場であれば、AWS WavelengthのアプリケーションとSK Telecomの高度な5Gソリューションを通じ、保守、セキュリティ、製造の業務を実行するロボットの応答時間を短縮でき、コスト増の負担なしに工場運用を拡張できます。SK TelecomとAWSは、5Gによるマルチアクセスのクラウドサービスをエッジに展開することで、サードパーティの開発者と企業が体験品質を向上させ、ビジネスモデルを構築し、市場投入期間を短縮して新たな収益機会を実現できます。SK Telecomの5Gネットワークを通じ、高度なクラウドサービスを共同開発することで、韓国内のあらゆる規模の企業のために、より大きな価値を創造できます」

Vodafone Groupは、コネクティビティ、コンバージェンス、モノのインターネットの分野で豊富な経験を誇る、世界をリードする通信・技術サービス事業者であり、モバイル金融サービスと新興市場のデジタルトランスフォーメーションをサポートしています。Vodafone BusinessとAWSは、AWSクラウドとクラウドを必要とするデバイスの距離を縮め、Vodafoneの5Gネットワーク内における戦略的なロケーションでAWS Wavelengthを実行することで、開発者、モノのインターネット(IoT)、デバイス、エンドユーザーにマルチアクセスのエッジ・コンピューティング機能を提供します。Vodafone BusinessのCEOであるVinod Kumar氏は、次のように述べています。「9,000万以上の接続数を誇るモノのインターネット(IoT)のグローバルリーダーとして、Vodafoneは58都市に欧州最大の5Gネットワークを展開しており、AWS Wavelengthを欧州に導入する初の通信事業者となったことを嬉しく思います。高速化と低遅延化は、お客様のビジネスに革命を起こすでしょう。お客様には、弊社の通信ネットワーク内にあるVodafoneの既存機能とセキュリティ層に対して、大きな信頼をいただいております」

KDDIは、モバイルと固定通信を併せ持つ日本を代表する総合通信事業者です。KDDIは、2020年3月までに日本での商用5Gサービスを提供予定で、人口の密集する大都市圏と地方の両方で、モバイル・ブロードバンドを強化できるよう、5Gネットワークの開発を積極的に推進しています。KDDI株式会社の代表取締役社長髙橋 誠は、次のように述べています。「KDDIは、5Gサービスの立ち上げに備え、日本国内の大都市及び地方において、信頼性の高い5Gサービスを提供できることを実証してきました。高速のレーシングカーや電車走行時のハンドオーバー、野球場でのリアルタイムの自由視点映像配信、主要な駅での4K動画通信など、KDDIはさまざまな実証実験に成功しています。高性能なAWSクラウドのコンピューティングサービスやストレージサービスをKDDI 5Gネットワークのエッジで利用できるようになることで、高解像度のVR動画ストリーミング、VPS(Visual Positioning Service)、スマート工場、自動運転車などのアプリケーションにおけるIoTのイノベーションを加速できます。AWS Wavelengthを活用することで、これまでAWS上でアプリケーション開発をされているサービス提供者は、5Gネットワークを介した、より低遅延なサービス開発が可能となり、5Gによる新たなサービスの提供が可能となります。これにより、人口減少に直面する地域経済の活性化、インフラの再構築、自然災害へのより迅速な対応など、日本の社会課題への対応も可能になると期待しています。」

アマゾン ウェブ サービスについて
アマゾン ウェブ サービス(AWS)は13年にわたり、世界で最も包括的かつ幅広く採用されたクラウドプラットフォームになっています。AWSは、コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワーキング、分析、ロボット工学、機械学習および人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、モバイル、セキュリティ、ハイブリッド、仮想現実(VR)および拡張現実(AR)、メディア、ならびにアプリケーション開発、展開および管理に関する175種類以上の十分な機能を有するサービスを提供しています。AWSのサービスは、22の地理的リージョンにある69のアベイラビリティーゾーン(AZ)でご利用いただけます。これに加え、インドネシア、イタリア、南アフリカ、スペインを含む4の地理的リージョンにおける13のAZの開設計画を発表しています。AWSのサービスは、アジリティを高めながら同時にコストを削減できるインフラエンジンとして、急速に成長しているスタートアップや大手企業、有数の政府機関を含む数百万以上のアクティブなお客様から信頼を獲得しています。AWSの詳細については以下のURLをご参照ください。https://aws.amazon.com/

Amazonについて
Amazonは4つの理念を指針としています。お客様を起点にすること、創造への情熱、優れた運営へのこだわり、そして長期的な発想です。カスタマーレビュー、1-Click注文、パーソナライズされたおすすめ商品機能、Amazonプライム、フルフィルメント by Amazon(FBA)、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Kindle ダイレクト・パブリッシング、Kindle、Fire タブレット、Fire TV、Amazon Echo、Alexaなどは、Amazonが先駆けて提供している商品やサービスです。Amazonについて詳しくはAmazon Newsroom(http://amazon-press.jp)およびAmazonブログ(http://blog.aboutamazon.jp)から。

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未上場
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設立
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