転職サービス「doda」、AI普及前後の企画系職種「営業企画」「事業企画・開発」「経営企画」の応募要件の変化を発表

~「プロジェクト推進」ニーズの高まりを受け、3職種すべてで同求人の年収がアップ。未経験求人では各業務の中核となるスキルが求められる傾向に~

パーソルキャリア株式会社

パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:桜井 貴史)は、AI普及前後の企画系3職種(営業企画、事業企画・事業開発、経営企画)の応募要件を比較した調査結果を発表します。これは、dodaに掲載された求人票を対象に、AIの普及前後にあたる2022年と2025年の応募要件を独自に比較し、求められるスキルの変化や募集年収との関係などを分析したものです。AI普及による採用ニーズの変化や傾向について、doda編集長の桜井 貴史が解説します。

詳細:「AI普及前後(2022・2025)の企画系3職種の求人を比較」

調査結果サマリ

  • 2022年から2025年にかけて、企画系3職種で最も増加したスキルカテゴリは「プロジェクト推進」。さらに「プロジェクト推進」の関連キーワードを含む求人は、含まない求人よりも募集年収が高い結果に。

    …AI普及後は、 “組織を動かし、テクノロジーを活用してやりきる”「推進・実行」の需要がより拡大。

  • 一方で、「OAスキル・事務オペレーション」の関連キーワードを含む求人は3職種すべてで募集年収が低下。

    …資料作成や定型処理といった「手を動かす」工程はAIに代替されやすい傾向に。

  • 未経験歓迎求人で求められるスキルカテゴリは「営業スキル」「経営・会計関連」など、いずれも各職種の中核となる業務テーマが上位に。

    …各職種の業務テーマに直結するスキルを持つ人材への募集間口が拡大する傾向。

<調査前提>

1.分析方法、スキルカテゴリの分類と代表キーワードについて

「企画系3職種」とは、営業企画、事業企画・事業開発、経営企画を指し、事業や組織の意思決定・推進に関わる職種を分析対象としました。

本調査では、これら3職種の求人票を対象に、応募資格欄(「対象となる方」)に記載されたキーワードを、doda独自の17のスキルカテゴリに分類・分析しています【図1】。

本記事では、応募資格欄に記載された条件やキーワードを総称して「応募要件」、分析上の分類単位を「スキルカテゴリ」として扱います。これらはあくまで本調査のために整理した分析上の区分です。

【図1】スキルカテゴリ(一部)

※1 代表キーワードは各スキルカテゴリの判定に用いた主なキーワードの一部です。実際の判定では、これら以外の類義語・関連用語も含めて総合的に判定しています。17の全スキルカテゴリは「AI普及前後(2022・2025)の企画系3職種の求人を比較」のページをご確認ください。

2.スキルカテゴリ別出現率の変化について

各スキルカテゴリに関連するキーワードが応募要件に登場した求人の割合を「出現率」と呼び、この指標で変化を分析しました。数値が高いほど、そのスキルを求める求人が多い傾向があることを意味します。

3.スキルカテゴリの有無で見た募集年収差について

企業側が求人票で提示している募集年収レンジ※2に着目し、各スキルカテゴリに該当する求人と該当しない求人で、募集年収にどのような差があるのかを分析しています。

※2 求人票に記載された募集年収レンジの下限・上限から中間値を算出し、各スキルカテゴリに該当する求人と該当しない求人それぞれの中間値の中央値を比較したものです。転職希望者が転職時に最終的に得た決定年収の差ではありません。

主な調査結果

【3職種全体/スキルカテゴリ出現率】3つの職種全体で最も増加したスキルカテゴリは「プロジェクト推進」

3つの職種全体において、2022年から2025年にかけて最も出現率が上昇したのは「プロジェクト推進・実行」(+3.1pt)でした【図2】。構想力に加えて、立場の異なる関係者の間に立って調整し、計画を前に進めていく実行力が問われるスキルカテゴリといえるでしょう。

また、4位「AI/機械学習・生成AI」の出現率は2025年時点で3.6%と限定的ですが、2022年比の倍率で見ると約1.9倍まで広がっており、増加幅や昨今の普及スピードから、今後拡大する可能性が示唆されます。

【図2】【企画系3職種全体】スキルカテゴリ別出現率の変化幅上位5項目(2022年→2025年)

【職種別/スキルカテゴリ出現率】営業企画は「営業スキル」、事業企画・事業開発と経営企画は「プロジェクト推進」の上昇が目立つ

営業企画で最も伸びたのは「営業スキル(提案・開拓)」で、2022年比で2025年は+6.1pt伸長しました【図3】。「プロジェクト推進・実行」(+2.5pt)は3番目の伸びを示しました。現場運用の支援や数値管理を含めて営業組織を支える役割が重視されている様子がうかがえます。

【図3】【営業企画】スキルカテゴリ別出現率の変化幅上位3項目(2022年→2025年)

事業企画・事業開発で最も伸びたのは「プロジェクト推進・実行」(+2.5pt)でした【図4】。構想を描く役割にとどまらず、事業や組織を束ね、立ち上げや推進まで含めて担うポジションが多いことがうかがえます。

【図4】【事業企画・事業開発】スキルカテゴリ別出現率の変化幅上位3項目(2022年→2025年)

経営企画で最も伸びたのは「プロジェクト推進・実行」(+5.9pt)で、3職種の中で最大の上昇幅を記録しました【図5】。予算策定や予実管理など、数値面から経営判断を支える役割に加え、実行につなげる力の重要性が高まっていることがうかがえます。

【図5】【経営企画】スキルカテゴリ別出現率の変化幅上位3項目(2022年→2025年)

【職種別/スキルカテゴリの有無で見た募集年収差】3職種すべてで「プロジェクト推進」を含む求人は募集年収が上昇

2025年の求人を対象に、各スキルカテゴリのキーワードを含む求人と含まない求人の募集年収中央値を比較したところ、「プロジェクト推進・実行」を含む求人は、3職種のいずれでも、含まない求人より募集年収差の中央値が高くなりました。営業企画では+50万円、事業企画・事業開発では+75万円、経営企画では+50万円となり、3職種に共通してプロジェクト推進を含む求人で年収が上昇しています。

営業企画では、1位「組織マネジメント」(+75万円)、「プロジェクト推進・実行」「SaaS活用・業務ツール運用」などが+50万円で続きました【図6】。

【図6】【営業企画】スキルカテゴリ別募集年収中央値の差分ランキング(2025年)

事業企画・事業開発では、「プロジェクト推進・実行」と「SaaS活用・業務ツール運用」が同率1位で+75万円となりました【図7】。

【図7】【事業企画・事業開発】スキルカテゴリ別募集年収中央値の差分ランキング(2025年)

経営企画では、「プロジェクト推進・実行」「コンサルスキル(課題解決・提案)」「経営戦略・中計・資本政策」「語学・海外ビジネス」がそろって+50万円となりました【図8】。

【図8】【経営企画】スキルカテゴリ別募集年収中央値の差分ランキング(2025年)

「定型業務」の募集年収差は3職種でマイナスに

一方で、2025年の求人において、「OAスキル・事務オペレーション」を含む求人の募集年収中央値は、含まない求人と比べて3職種すべてでマイナスとなりました。過去にパーソルキャリアで実施した調査※3でも、AI導入・活用で中途採用人数が減った領域として「定型・ルーティン業務中心の職種」(32.9%)が最上位にあがっています。OAスキルそのものの重要性が下がったというより、企画職では定型的な事務処理や資料作成だけでなく、課題設定、関係者との折衝、プロジェクト推進といった、より非定型で成果に直結しやすい役割が重視されているためと考えられます。

※3 「企業のAI活用実態と人材戦略に関する調査レポート 第1弾『求める人材の変化編』」

【職種別/未経験求人数の変化】営業企画は「営業スキル」、事業企画・事業開発は事業戦略、経営企画は「経営・会計関連」が中心

職種ごとに未経験求人で求められるスキルカテゴリを見ると、いずれもその職種の中核となる業務テーマが上位に並んでいることから、完全な未経験採用ではなく、各職種の業務テーマに直結するスキルを持つ人材へ応募の間口を広げていると考えられます。

営業企画では「営業スキル」(41.0%)が最上位、次いで「営業戦略・営業支援」(29.2%)と続きました。営業活動や営業支援に関わるスキルカテゴリが、営業企画の未経験歓迎求人でも上位に入っています【図9】。

事業企画・事業開発では「事業戦略・BizDev・アライアンス」(51.2%)が抜きん出て高く、次いで「プロジェクト推進・実行」が続きました。事業づくりやアライアンス、関係者を巻き込んだ推進に関わるテーマが、未経験歓迎求人でも重視されていることがうかがえます【図10】。

経営企画では「経営戦略・中計・資本政策」(57.5%)と「会計・財務・管理会計」(53.2%)の割合の高さが際立っています。経営判断や数値管理に関わるテーマが、未経験歓迎求人でも重視されやすいことが分かります【図11】。

【図9】【営業企画】未経験歓迎求人のスキルカテゴリ別出現率上位3項目(2025年)
【図10】【事業企画・事業開発】未経験歓迎求人のスキルカテゴリ別出現率上位3項目(2025年)
【図11】【経営企画】未経験歓迎求人のスキルカテゴリ別出現率上位3項目(2025年)

doda編集長解説

今回の調査で最も出現率が伸びたスキルカテゴリは「プロジェクト推進・実行」で、営業企画、事業企画・事業開発、経営企画の企画系3職種すべてで、このスキルを含む求人の募集年収差がプラスでした。逆に「OAスキル・事務オペレーション」を含む求人は3職種ともマイナス。生成AIの普及で資料作成や定型処理といった「手を動かす」工程が代替されやすくなる一方、関係者を巻き込んで物事を前に進める「推進・実行」は代替が難しく、人の価値として残りやすいと考えられます。企業が評価する重心が、構想を描くことや作業をこなすことから、組織を動かし、テクノロジーを活用してやりきることへと移りつつあるのではないでしょうか。転職希望者に求めるスキルとして「AI/機械学習・生成AI」の出現率が2022年比で約1.9倍に伸びている点も、こうした背景によるものかと思います。

未経験歓迎求人においては、「誰でも歓迎」ではなく、業界や職種の経験よりも、その職種の土台となる高度なポータブルなスキルを重視する傾向が見られました。背景には、事業サイクルが短期化する中で、特定業界の知見そのものよりも、環境を問わず持ち運べる力の価値が高まっていることがあるのかもしれません。企画職を目指す人にとっては、自身の専門領域を土台にしつつ、関係者を動かしてプロジェクトを前に進める推進力を「どう磨き、どう語れるようにするか」が、これからのキャリアを左右する鍵になりそうです。

解説者プロフィール doda編集長 桜井 貴史(さくらい・たかふみ)

新卒で大手人材会社に入社し、一貫して学生のキャリア教育や就職・転職、幅広い企業の採用支援事業に携わる。2016年11月、パーソルキャリア株式会社に中途入社。株式会社ベネッセホールディングスとの合弁会社、株式会社ベネッセi-キャリアに出向、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」の立ち上げを牽引し、初代dodaキャンパス編集長に。その後、同社 商品サービス本部 本部長として、キャリア講座やアセスメントを始めとした、大学生向けサービスの責任者を務める。2023年4月、doda副編集長 兼 クライアントP&M本部 プロダクト統括部 エグゼクティブマネジャーに就任、法人向け採用支援プロダクト全体を管掌。2024年4月、doda編集長に就任。サービスを通じてこれまで60万人以上の若者のキャリア支援に携わり、Z世代の就職・転職動向やキャリア形成、企業の採用・育成手法に精通している。

調査概要

【調査対象】

dodaに掲載された東京勤務を想定した企画職(営業企画、事業企画・事業開発、経営企画のいずれか)求人

【対象期間】

2022年・2025年の1月~12月の期間で掲載された求人

【分析方法】

対象求人の応募資格欄のテキストを対象に、17のスキルカテゴリごとに定義したキーワードを部分一致で判定。なお、キーワードの直後10文字以内に「不問/問わない/問いません/不要」などの否定表現がある場合は、要件としてのカウント対象から除外しています。

【出現率】

各スキルカテゴリの該当件数 ÷ 全求人数

※各スキルカテゴリは重複して計上しているため、構成比の合計は100%になりません。

【募集年収の定義】

求人票に記載された募集年収レンジ(下限・上限)の中間値から算出した中央値。

※dodaサービス登録者の決定年収ではありません。

※上限が「1,000万円以上」と記載された求人は、年収中間値が算出できないため、年収中央値の集計対象から除外しています。

【未経験フラグ】

2022年・2025年それぞれについて、未経験歓迎のフラグが設定された求人票をもとに、職種未経験歓迎、業種未経験歓迎、またはそのいずれかに該当する求人の出現率を比較。

※N数・実数の扱い:社外露出では実数の記載は行わず、集計・掲載判断はN数100以上のデータのみを対象とします(100未満は扱いません)。

■出典の明記について

本データを引用・転載する際は、以下の情報を必ず記載してください。Webメディアで掲載する際は、「doda」にはdodaトップページ、記事タイトルには記事URLへのリンクを設定してください。

記載例)

出典:転職サービス「doda」 −「AI普及前後(2022・2025)の企画系3職種の求人を比較」

※「doda」= https://doda.jp/

※「AI普及前後(2022・2025)の企画系3職種の求人を比較」= https://doda.jp/guide/saiyo/017.html

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業種
サービス業
本社所在地
東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー21階
電話番号
-
代表者名
瀬野尾 裕
上場
未上場
資本金
11億2700万円
設立
1989年06月