結婚イベント関連産業の経済波及効果は3兆9,423億円 雇用効果は36万2,648人に ~結婚市場の経済波及効果推計 2021~

株式会社リクルート


株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長: 北村 吉弘)が運営する『リクルートブライダル総研』では、結婚イベント関連産業(※)の経済波及効果について推計値を把握するため、「結婚市場の経済波及効果推計 2021」を初めて実施しました。ここに、結果の要旨をご報告いたします。
なお、本推計は過去の『リクルートブライダル総研』実施の統計等や新たな調査(2016~20年に入籍したカップル)を基に算出したものであり、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は加味しておりません。

結婚イベント関連産業の経済波及効果 (全国)
全国の結婚イベント関連産業の経済波及効果は3兆9,423億円。
婚姻組数が1組増えるごとの経済波及効果は658万円。
雇用効果(雇用誘発人数)は36万人に上ることが判明しました。

■経済波及効果(生産誘発額)合計 3兆9,423.1億円
 ●直接効果 2兆1,153.0億円
 ●第1次間接波及効果 1兆698.2億円
 ●第2次間接波及効果 7,571.9億円

■雇用効果(雇用誘発人数)合計 36万2,648人
 ●直接効果 25万9,383人
 ●第1次間接波及効果 5万8,965人
 ●第2次間接波及効果 4万4,300人

婚姻組数1組増加ごとの経済波及効果 合計 658万円

※「結婚イベント関連産業」の定義
本推計では、1組の婚姻カップルが主に結婚を機に実施するイベント(挙式、披露宴・ウエディングパーティ、結婚前イベント、婚約記念品・指輪、写真関連等)を対象にした産業を、「結婚イベント関連産業」と定義しました。(詳細はP3.に掲載)

◆出版・印刷物へデータを転載する際には、“結婚市場の経済波及効果推計 2021(『リクルートブライダル総研』調べ)”と明記いただきますようお願い申し上げます。
◆「結婚市場の経済波及効果推計 2021」の詳細は、下記広報担当までご連絡ください。



【概要】 結婚市場の経済波及効果推計について
本推計は、結婚に関連する消費行動が、経済全体にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために、結婚イベント関連産業が生み出す具体的な経済波及効果(生産誘発額)や雇用効果(雇用誘発人数)を推計し、数値で示したものです。

■結婚市場の経済波及効果推計の概要
結婚式や結婚にまつわるイベントが実施されることで、結婚イベント関連産業のみならず、当該地域内の他の産業にもさまざまな経済的効果が発生しています。
他の産業も含めた当該地域内への経済的な効果(=経済波及効果)は、直接的に需要が生じた分(直接効果)だけではなく、原材料等の取引等(=第1次間接波及効果)や、生産活動の結果として生じる雇用者所得による消費支出(=第2次間接波及効果)も経済効果として加味されます(下図参照)。
本推計では、結婚式や結婚にまつわるイベントが、全国の経済全体にどのような影響を及ぼしているのか、結婚イベント関連産業はもとより他の業種に経済的な効果がどのくらい発生しているのか、またそれらにより雇用はどのくらい発生しているのかを推計しており、結婚イベント関連産業が生み出す具体的な経済波及効果(生産誘発額)や雇用効果(雇用誘発人数)が数値で分かるようになっています。

■経済波及効果の構造

 



■結婚市場の経済波及効果推計の方法
経済波及効果の推計は、対象とする地域の産業連関表を用いて、当該地域内の総生産額がどのくらいになるのかを算出します。既存統計や新たな調査等で最終需要額を算出し、それらを産業連関表の各部門(業種)に振り分けることによって、経済波及効果が算出されます。
本推計は、独自調査によって結婚式や結婚にまつわるイベントの最終需要額を算出し、全国の産業連関表を用いてその経済波及効果を算出しました。


■本報告書の見方




【概要】結婚市場の経済波及効果推計の方法 –結婚イベント関連産業の定義

結婚イベント関連産業の定義

■「結婚イベント関連産業」とは

本推計では、1組の婚姻カップルが主に結婚を機に実施するイベントを対象にした産業を、「結婚イベント関連産業」と定義しました。

■結婚を機に実施するイベントに含める売上推計を構成する費目は下記①~⑤
① 挙式、披露宴・ウエディングパーティ(披露宴・親族食事会・その他ウエディングパーティ)、二次会
② ①に招待されたゲストの費用
③ 結婚前イベント(結納・顔合わせ、その他の結婚前の祝賀パーティ)
④ 婚約記念品・指輪
⑤ 写真関連(別撮り、エンゲージメントフォト、その他のウエディングフォト)

■費目一覧 


データ元に関しては、上記表の“データ元”欄の印をご確認ください。
 ○印 「ゼクシィ結婚トレンド調査」2016~2020
 ☆印 本推計のために新たに実施したインターネット調査
 ※各調査概要に関しては、P.4に掲載しています



【概要】結婚市場の経済波及効果推計の方法 - 推計に使用したデータ

対象地域の結婚イベント関連産業の最終需要額を、産業連関表を用いて各部門(業種)に振り分け、全国における経済波及効果を算出

■使用した産業連関表

平成27年産業連関表(107部門)(総務省統計局)

■最終需要額の算出に使用したデータ
過去の「ゼクシィ 結婚トレンド調査」(①)より数値を用いて最終需要額を算出。その際、十分なサンプル数を確保するため、5年間分のデータの平均値を用いている。なお、「ゼクシィ 結婚トレンド調査」(①)で不足する数値※に関してはインターネット調査(②)で新たに聴取した。
※①に含まれない費目、各種イベントの実施率、各費目の発注先

①「ゼクシィ結婚トレンド調査」2016~2020
P.3の費目詳細の〇の費目に使用

 



②本推計のために新たに実施したインターネット調査
P.3の費目詳細の各イベントの実施有無、☆の費目に使用
【調査方法】インターネット調査
【調査期間】2021年2月5日(金)~2021年2月9日(火)
【調査対象】全国の2016年~2020年に入籍した方
【調査内容】調査対象者自身の結婚を機に発生した各費目の費用、実施有無、発注先
および、挙式、披露宴・ウエディングパーティに招待された際に発生した各費目の費用、実施有無、発注先
【有効サンプル数】4,701人

③婚姻組数
令和元年の婚姻組数(厚生労働省「人口動態統計(確定数)」)を用いた。

■最終需要額の算出に使用した計算式
婚姻組数×各イベントの実施率(対婚姻組数)×委託先業種割合×平均単価×実施回数(回/年)
※それぞれのデータの引用元は費目により異なる(P.3 費目一覧参照)



【概要】結婚市場の経済波及効果推計の方法 – 推計の留意点

産業連関表を用いた分析・推計は一つの経済モデルであり、利用するに当たり下記の点にご留意ください。

① 産業連関表は、作成された対象年当時のものです。(産業連関表の作成年に関してはP.4)。つまり産業構造(相互依存関係等)は、作成対象年当時のものです。
産業連関分析では、投入係数(原材料等の投入割合)が一定であることを前提にしており、作成対象年当時以降に原材料等の投入割合が変化することや、使用する原材料が変化することなどは考慮していません。

② 直接効果の推計に用いた最終需要額は5年間(2015年度~2019年度)の数値の平均値となっており、直接効果を2020年もしくは2020年度(あるいはコロナ前の2019年、2019年度)に限定したものではありません。

③ 経済波及効果が達成される期間は明確ではありません。必ずしも1年以内に生じるとは限らず、あくまでも最終的な経済波及効果の合計を計算しています (直接効果の推計値は単年の数値となりますが、経済波及効果の総額は1年間で発生するとは限りません)。



【結果】結婚イベント関連産業の経済波及効果 (全国)

全国の結婚イベント関連産業※の経済波及効果は3兆9,423億円。
婚姻組数が1組増えるごとの経済波及効果は658万円。
雇用効果(雇用誘発人数)は36万人に上る。


※結婚イベント関連産業の定義に関しては、P3.に掲載

■結婚イベント関連産業の経済波及効果分析 推計表 (全国)

 

※平成27年産業連関表(107部門)(総務省統計局)より推計
※婚姻組数は「令和元年人口動態統計(厚労省)」より婚姻組数59万9,007組を活用


結婚イベント関連産業の経済波及効果(生産誘発額)(兆円)

 



【結果】 結婚イベント関連産業の経済波及効果 (全国)

■結婚イベント関連産業の経済波及効果分析 業種別推計表 (全国)

 




<担当研究員解説>
全国の結婚イベント関連産業の経済波及効果は約4兆円、雇用効果は36万人。
結婚するカップルが1組増えることによる経済波及効果は658万円。

今回、リクルートブライダル総研では、結婚イベントが経済全体にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするために、結婚イベント関連産業が生み出す経済波及効果(生産誘発額)や雇用効果(雇用誘発人数)を推計しました。

推計した結婚イベント関連産業の経済波及効果は3.9兆円となり、婚姻組数が1組増えるごとの経済への影響(経済波及効果)は658万円となりました。また、雇用効果(雇用誘発人数)は36万人にも上ることが分かり、婚姻組数が1組増えるごとに0.6人の雇用を創出していると言えます。

結婚イベント関連産業の経済効果は、披露宴・ウエディングパーティ等の結婚式はもちろん、結納・顔合わせ等の結婚前のイベント、またそれぞれのイベント前後での消費(例えば、結婚式前後の宿泊、それに伴う飲食など)や、結婚の当事者以外の招待客にまつわる消費が含まれていること、そしてそれらの消費が直接的・間接的に影響を及ぼす経済効果まで含めて推計している点が特徴です。

結婚を決めてから挙式を行うまで、平均で12.6ヶ月(※)ありますが、その約1年の間には、婚約記念品の購入や、両家の顔合わせ等、さまざまな結婚イベントがあります。また披露宴・ウエディングパーティの招待客は平均66.3人(※)であり、その招待客一人ひとりが購入する衣装や美容ケア費等も結婚イベントに関連する消費です。(※「ゼクシィ結婚トレンド調査2020」調べによる全国推計値)

このように1組のカップルが結婚イベントを実施することにより、当事者のふたりはもちろん、当事者以外も含めた、時間軸の長い消費行動が発生する点は、他の一般消費に関わる産業とは異なる結婚イベント産業ならではの特徴と言えます。それだけ裾野が広い産業であり、地域における経済・雇用において重要な産業なのです。

今回の推計に当たっては、過去の結婚イベント実施者のデータや、現在確定している最新の婚姻組数(令和元年)を利用しており、コロナ前後の経済波及効果の変化等を表したものではありませんが、従来の市場規模とは別の新たな指標になるのではと考えています。

もちろん、結婚式をはじめとする結婚イベントの価値は経済的側面だけではありません。新たな家庭を築くふたりが誓いを新たにする場であり、ふたりを今日まで育んだ親にとっては子育て卒業を実感する節目となります。また、ふたりが今までお世話になってきた人たちに感謝を伝え、ふたりと招待客、もしくは招待客同士が絆を深める場としての価値も大きいでしょう。そういった意味で、結婚イベントは、ふたりとその周りの人々が、力強く未来を生きるためのスタート地点となる貴重な人生の節目といえます。

今後は、今回明らかにした結婚イベントの経済価値と同時に、結婚するふたりや招待客に与える影響や地域の文化的側面などへの影響を明らかにしていくことで、結婚イベントの価値を多面的に理解し、結婚イベントの今後の在り方を再考していきたいと思います。

詳細は下記リンクよりPDFをご覧ください
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20210527_marriage_01.pdf

▼リクルートについて
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本社所在地
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北村吉弘
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資本金
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設立
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