〈祝!第2回定家賞受賞〉いま最も注目される歌人・作家、川野芽生の第二歌集『星の嵌め殺し』が快挙! 選考委員は、坂井修一氏、俵万智氏、穂村弘氏。
第29回歌壇賞、第65回現代歌人協会賞を受賞、第170回芥川賞ノミネート、様々なジャンルで活躍中の作家による第二歌集。選考の詳細は短歌研究一月・二月合併号に掲載予定。

株式会社河出書房新社(東京都新宿区/代表取締役 小野寺優)から刊行している、川野芽生さんによる第二歌集『星の嵌め殺し』が第二回定家賞(主催:短歌研究社)を受賞いたしました。
定家賞は、塚本邦雄賞の後継として2024年から短歌研究社が主催。
「選考会の前年4月1日から当年3月31日までに刊行された歌集作品(作者の第二歌集以降の作品)」を対象に、短歌という文学の可能性を広げ、深化させ得た短歌歌集作品とその作者を顕彰することを目的としています。
・定家賞 - 短歌研究社
川野芽生さんは1991年神奈川県生まれ、小説家・歌人・文学研究者として様々なジャンルで活躍中。2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞を受賞。第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房、2020年)で第65回現代歌人協会賞を受賞。4年ぶりの歌集『星の嵌め殺し』が第二回定家賞を受賞。
■『星の嵌め殺し』収録作品より
祝祭は尽きぬ泉にあらねども花冠を食む子馬たち──「燃ゆるものは」
嵌め殺しの瞳を一生嵌めたまますれ違ふひともけものも星も──「八月の嵌め殺し」
かつてわが手より落としし硝子器のすべてが月の裏にかがやく──「硝子器のすべて」
少女期を生き延びてまたここで逢ふ アリスはルイス・キャロルを捨てて──「地上のアリス」
■ 「あとがき」より
──わたしは自分のなかで他者と対話を重ねながら短歌を作ってきました。けれどわたしの対話の相手は、「短歌」という他者、「言葉」という他者であって、生身の他者ではなかったように思います。生身、なんてものがほんとうにあるのだとして。それでも、言葉の中にはつねに他者があって、言葉を発した以上は、それは他者へと届くのでしょう。
ふしぎです。これを、あなたが読んでくれているということは。
■『星の嵌め殺し』目次
第一部 鏡と神々、銀狼と春雷
燃ゆるものは
合はせ鏡を
八月の嵌め殺し
亡き王のため
水晶と鬼
硝子器のすべて
a long way from here
高きところに
第二部 航行と葬送
訳詩集
銀幕にスノードーム─タル・ベーラ『ニーチェの馬』に寄せて
冬の氷菓
高丘親王との航海記
暮れ方のコルカタ
てのひらにゴレム
花季はまた
建築のための挽歌
立つのみの旅
恐竜の不在
奇病庭園─老女の頭部の歌
第三部 繻子と修羅、薔薇と綺羅
地上のアリス
テディ・ベアを抱きしめて
party talk
おとうとの語彙
ラストノート
角
痛点とシュトレン
ルピナスの焔
火事のやうに
■著者紹介
川野 芽生(かわの・めぐみ)
一九九一年神奈川県生まれ。小説家・歌人・文学研究者。東京大学大学院総合文化研究科単位取得満期退学。二〇一八年に連作「Lilith」で第二九回歌壇賞受賞。第一歌集『Lilith』(書肆侃侃房、二〇二〇年)で第六五回現代歌人協会賞受賞。ほか、短歌集に中川多理との共著『人形歌集羽あるいは骨』『人形歌集Ⅱ 骨ならびにボネ』(いずれもステュディオ・パラボリカ、二〇二四年)。短篇小説集に『無垢なる花たちのためのユートピア』(東京創元社、二〇二二年)、掌篇小説集に『月面文字翻刻一例』(書肆侃侃房、二〇二二年)、長篇小説に『奇病庭園』(文藝春秋、二〇二三年)、『Blue』(集英社、二〇二四年)。エッセイ集に『かわいいピンクの竜になる』(左右社、二〇二三年)、評論集に『幻象録』(泥書房、二〇二四年)。
■書誌情報

『星の嵌め殺し』
著者:川野芽生
仕様:46変形判/上製/136 ページ
発売⽇:2024年7⽉29日
税込価格:2,200円(本体価格2,000円)
ISBN:978-4-309-03200-9
装丁:花山周子
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