母のことがゆるせない!そんな母親を、はたして娘は看取れるのか? 7人のリアルストーリー
・親を介護しない、という選択もある
・人生の優先順位で最初にあげるべきものとは?
株式会社主婦の友社は、2020年2月21日に『きらいな母を看取れますか? 関係がわるい母娘の最終章』https://www.amazon.co.jp/dp/4074384698/ を出版いたしました。著者は、フリーライターの寺田和代(てらだ・かずよ)さんです。
母親からの過干渉や虐待、家庭崩壊などの理由で母と距離をとるようになった娘。成人して、母との関係に区切りをつけたのち、介護という場面でふたたび母と出会うことになったとき、どのような選択肢があるのか。7人のストーリーを追いました。
謝罪は求めない。
だけど赦さない。
一人目は、短大を卒業したあと、おなじ会社で働きつづけている会社員のエリコさん、53歳。つねに不機嫌な父親と、過干渉な母のあいだで、一人娘として育った。進学先から就職まで、すべて母が口を出し、従わざるを得なかった。現在は、高齢者マンションに住む母と会う機会もあるけれど、人生をだいなしにされた怒りと悔しさは、一生消えないし、赦さない、と語る。
両親のやまない依存症により
家族解散の道を選んだ
ギャンブル依存症とアルコール依存症の母。小さなころから怒声と暴力が絶えない家庭で育ったアユミさん。両親の離婚、“家族解散”をへて、自分の家庭を築き、長い年月をへてようやく落ち着きを感じられるようになった。アユミさんは、この先も両親を看るつもりはない、同じ問題で悩む人がいたら、できないことはしなくていい、するのは危険でさえある、という。
あなたは、
母の介護にどう向き合いますか?
著者である寺田和代さんも、母を看取らなかった娘の一人だ。複雑な家庭に育ち、みずからに起こった出来事を整理するのに30年を要し、今も回復途上だという。
この本は、当事者だからこそできたインタヴュー、書けた本である。事情を知らない人からかけられた、「お母さんに優しくしてあげて。親子でしょう」という言葉が、つらい子ども時代を送った人をどれだけ傷つけるか。
「母娘問題に困難を抱えてきたあなたは、母の介護にどう向き合いますか?」
自身が当事者であることを明らかにしたうえで始まったインタヴューは、どのように展開したのだろう。いままさに親の介護に直面して葛藤している人、これからの介護にすこしでも不安を感じている人の心につきささる内容だ。
7人のストーリーが語られたあと、2人の専門家が母娘の介護問題に道しるべを示してくれる。
子は親を引き取るべきですか?
いえ、子どもの義務はありません
子は親をみるべき。長く信じられてきたこの呪縛に、法的な根拠はあるのだろうか。弁護士の松本美代子さんは、「たとえば、ひとり暮らしで介護が必要になった親から「私の面倒をみて」と、私的に(裁判所が関与しない形で)同居や“引き取り”を求められた場合、経済的な余力とは別に、できないことはできないと言っても法的には問題がありません」といいます。
子が、老いた親の引き取りを拒否するには、それなりの背景があり、そこを法律が強制することはできないということなのだ。
そうだとしたら、「親の介護はしない」という選択の先に、何が見えるのだろう。
人生の優先順位で
最初にあげるべきものとは?
母娘に横たわるテーマに長年かかわり、『母が重くてたまらない』の著者であるカウンセラーの信田さよ子さんは、「優先すべきは自分の人生」と喝破する。
「どんな人も、人生の優先順位で最初に挙げるべきは、親ではありません。自分の人生です。自分を苦しめた母との関係を時間と労力をかけて整理し、ようやく距離がとれたからこそ、今ここに、こういうあなたがいるのであって、母の要介護で再びその距離を縮めてしまって果たしてその後の暮らしや人生に平穏が保てるのでしょうか。」
母との“ものわかれ”は
わたしにとって解放の地点でした
本書の最後を著者はこう締めくくっている。
「母と私は、母娘というこの世で特別とされる縁で偶然に出会いながら、ついに出会うことなく、その関係を終えた。そこには自分でも意外なほどさっぱりした気分と、これ以上、母娘関係に苦しいエピソードが重なることを不安に思わなくていいという放心したような安堵感だけがあった。」
母娘の関係は言うまでもなく、千差万別だ。看取る選択も看取らない選択もあり、それを誰も断罪することはできない。「母がきらいだ」「母を看取れない」という思いをかかえた人が底なしの孤独におちいらぬよう、本書がヒントになれば幸いだ。
- 【イベント】著者・寺田和代先生×ゲスト・信田さよ子先生トークショー
関係がわるい母娘を取材した著者と、家族問題に長年かかわってきた信田さよ子さん。子どものころからの過干渉、心身の暴力、家庭崩壊などの理由で母親といったんは距離をとった娘たち。
自分の人生を踏み出したのち、介護の場面でふたたび母に向き合うとき、どのような選択肢があるのでしょう。6人の取材を通して考えたこと、感じたことを、著者が語ります。関係がわるい母と娘に焦点をあて、「重すぎる母」との関係になやむ多くの娘をみてきた信田さよ子さんとともに、苦しい母娘関係の生きのび方を語り合います。
日 時|2020年3月16日(月) 19:00開演 18:45開場
会 場|紀伊國屋書店新宿本店9階 イベントスペース
詳細・申し込み方法は
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Shinjuku-Main-Store/20200219150009.html
- 【著者プロフィール】
寺田和代
立命館大学卒業後、会社員を経てフリーライター・エディター。女性誌、文芸誌、総合誌でのインタヴュー・執筆、単行本などの企画・制作に携わる一方、2000年に社会福祉士資格を取得し、高齢者介護・医療・暮らしの分野でも取材活動を続ける。欧州ひとり旅の体験をもとに、中高年女性がひとり旅を楽しむためのガイドブック『Soliste[ソリスト]おとな女子ヨーロッパひとり歩き』を上梓。共著に『福祉用具で変わる介護のある暮らし』(中央法規出版)などがある。
- 書誌情報
タイトル:きらいな母を看取れますか?関係がわるい母娘の最終章
著者: 寺田和代
定価:本体 1500円+税
ISBN:978-4-07-438469-3
https://www.amazon.co.jp/dp/4074384698/
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