スマートスピーカーおよび音声アシスタントに関する調査

アマゾンジャパン合同会社

~ 「音楽再生」「アラームやタイマーのセット」「外出先からの操作」「家電操作」が機能満足度の上位に ~

~ 家事や育児中の「ながら作業」が利点としてトップ。今後は高齢者や子どもの見守りに期待 ~

~ トレンド評論家の牛窪氏は「家族との会話の醸成や離れた家族とのコミュニケーション利用に期待が高い」と分析 ~

Amazonは20~60代の日本全国の男女1,000名(以降、「一般生活者」)ならびにスマートスピーカー利用者の男女500名(以降、「利用者」)を対象に、「スマートスピーカーおよび音声アシスタントに関する調査」を実施しました。また調査を受けて、トレンド評論家の牛窪恵氏に、現代の消費者の傾向を分析してもらいました。

主な調査結果は以下の通りです。
  • 約7割が「音楽再生」や「アラームやタイマーのセット」に加え、「外出先からの操作」「音声での家電操作」に満足
  • 75%が「家事や育児をしながら天気予報を確認するなど、『ながら作業』ができるようになった」と実感
  • あらゆるものが音声で操作でき(80%)、高齢者や子どもの見守りが容易になる(69%)暮らしへの期待感が高い
  • トレンド評論家の牛窪氏が分析、「家族との会話の醸成や離れた家族とのコミュニケーション利用に期待が高い」

スマートスピーカーの認知度は5割
知っているスマート家電*1について尋ねたところ、一般生活者ではロボット掃除機(64%)、スマートスピーカー(50%)、スマートウォッチ(45%)、スマート照明(28%)、スマートテレビ(28%)の順で認知度が高いことがわかりました。

利用割合は男性が女性を上回る。子どものいる家庭は約5割、仕事に従事する有職者が約7割
スマートスピーカーを利用している男女の割合を見てみると、男性64%、女性36%であり、一般生活者(男女ともに50%)に比べ男性の比率が高い傾向にあります。また利用者のうち48%が子どものいる家庭(一般生活者41%)、68%がなんらかの仕事に従事する有職者(一般生活者は56%)という実態も垣間見えました。


女性は、利用後に利便性に満足する実態が明らかに
利用前の期待度と利用後の満足度を比較してみると、女性においてスマートスピーカーの利用満足度が期待度を上回る傾向にありました。最も開きがあったのは40代女性で35ポイント(期待度55%、満足度90%)、次いで60代女性の34ポイント(期待度52%、満足度86%)、30代女性の20ポイント(期待度62%、満足度82%)です。女性利用者は、利用前はさほど利便性を期待していなかったものの、利用してみると満足している実態が明らかになりました。


約7割が「音楽再生」や「アラームやタイマーのセット」に加え、「外出先からの操作」「音声での家電操作」に満足
スマートスピーカーの利用者に、利用前に活用したいと考えていた機能を聴いたところ、上位は音楽を聴く(74%)、天気予報を聞く(72%)、ニュースを聞く(61%)、アラームやタイマーの設定(59%)、時間の確認(53%)となりました。一方で、利用後に満足に感じている機能については、音楽を聴く(78%)、スマホと接続して外出先から操作(76%)、アラームやタイマーの設定(75%)、音声による家電の操作(71%)、ラジオを聴く(68%)、といった機能が挙げられました。また、利用前の期待度はさほど高くなかったものの、利用後の満足度が高かった機能として、お気に入り写真を投影(67%)、ビデオ通話を利用(65%)、音声操作でネットショッピング(58%)なども挙げられました。

 

75%が家事や育児の合間に「『ながら作業』ができるようになった」と実感
利用者にスマートスピーカーを利用して良かった点について聞いたところ、「家事や育児をしながら天気予報を確認するなど『ながら作業』ができるようになった(75%)」、「家事や育児、仕事が効率的にできるようになった(45%)」など、ハンズフリー操作による家事や育児の効率化を挙げる声が聞かれました。また子どもがいる30、40代女性からは、「子どもの好奇心への刺激になった(75%)」との声も聞かれました。一方で、「思っていることと違う回答が返ってくる(52%)」、「自分の言葉(単語)を正確に聞きとってくれない(44%)」、「長文で話しかけると理解してくれない(39%)」といった、音声アシスタントとより滑らかなやりとりを期待する声も挙げられました。

30、40代の女性に「子どもや高齢者の見守り」や「家族の話し相手」、「カスタマイズ性」へのニーズ高い
一般生活者、利用者ともに今後利用したい機能について聞いたところ、30代と40代の女性の約3人に1人が、将来的にスマートスピーカーを活用した子どもや高齢者の見守りに興味があることがわかりました(30代女性37%、40代女性34%)。特に子どもがいる30~40代女性では半数近くが見守り機能への期待感が高く(46%)、またスマートスピーカーに対し、子どもや高齢者との話し相手としての役割(36%)やユーザーに合わせたカスタマイズ機能(28%)を求める傾向にあることが判明しました。

20代の60%、小学生以下の子どもがいる家庭55%で、「家族や大切な人との会話のきっかけが増えた」と実感
20代利用者の60%が「スマートスピーカーにより家族や大切な人との会話のきっかけが増えた」と実感しており、利用者全体(42%)と比較して高い傾向にありました。小学生以下の子どもがいる家庭でもこの傾向は高く(55%)、スマートスピーカーをきっかけに若年層や家族の間でコミュニケーションが生まれていることがわかりました。またスマートスピーカー利用者の59%が「音声アシスタントへの呼びかけをきっかけに発話することへの抵抗感がなくなった」と感じており、特に30代(69%)、20代(68%)の利用者で高い傾向が見られました。

あらゆるものが音声で操作でき(80%)、高齢者や子どもの見守りが容易になる(69%)暮らしへの期待感が高い
一般生活者の約8割が「あらゆるものがオンラインでつながり、音声で操作できるようになる(80%)」と考え、約7割が「高齢者や子どもの見守りが容易になる(69%)」と感じています。この傾向はスマートスピーカーの利用者ほど顕著で、約9割が音声操作の可能性(89%)や見守り機能(77%)について、期待感を示しています。


調査内容はAmazon ブログ Day One ( https://blog.aboutamazon.jp/devices_smartspeaker_survey2020 )でもご覧いただけます。

トレンド評論家の牛窪 恵氏は今回の調査結果を踏まえ、スマートスピーカーおよび音声アシスタントの可能性ついて、以下の通り分析しています。

今回の調査では、楽曲再生やアラームの設定といった人気の機能のほか、スマートスピーカーをきっかけに家族で会話が生まれている様子がわかりました。また、離れた場所にいる家族とのコミュニケーション利用に期待度が高い傾向にあった点も、今のように先行き不透明な時代には、より一層見逃せません。一般に、声を介したコミュニケーションは、文字のやり取りに比べ、人間の感性に響きやすいと言われます。またアレクサに「ありがとう」と言うと、「どういたしまして」「またいつでも呼んでください」など、答え(反応)が返ってくる。これだけでも、一人暮らしの方や主婦の方、特に仕事や家庭でルーティンワークを任されることが多い女性は、自己肯定感を抱きやすいのではないでしょうか。今回の調査で20~40代女性の利用満足度が高かった理由も、一つはこうした双方向性にあると思います。

現代はお子様がいる世帯でも、共働きが7割を占め、多忙なご夫婦が多い。また近年は若い世代を中心に、膨大な情報を瞬時にやり取りする傾向が高まっており、「時短」は引き続き、時代のキーワードです。そうした中で「掃除機をかけながら音楽を聴きたい」や、「料理の最中に足りない食材を注文したい」など、「ながら」やマルチタスクの重要性が増しています。調査でも、音声による家電の操作の満足度が71%と高い傾向にあり、声で操作できるメリットが「時短」や「ながら作業」にも貢献する様子が垣間見えました。

今後、スマート家電やスマート自動車、スマート住宅などいろんな物がインターネットで繋がる時代になることは、消費者の皆さんもお分かりになっているでしょう。2025年には、シニアのいわゆる「見守り」関連市場が、2018年比でおよそ2倍(約125億円)になるとも言われますが※、今回の調査では特に30代、40代の女性で、高齢者や子どもの見守り機能への期待が高い様子も、明らかになりました。また、テキスト入力に不慣れなシニアの方自身にとっても、声を介した見守りやコミュニケーションはハードルが低いはず。「音声」または「音声アシスタント」は、幅広い世代にストレスなく使えるという意味でも、間違いなく今後の生活の中心的存在になるだろうと考えています。

同時に、家電や家、自動車はもちろん、「人」ともリアルタイムで、しかも「音声」で繋がれる利便性は、普段テキストやスタンプでコミュニケーションすることが多い若者世代ほど、「付加価値が高い」ことだと感じるでしょう。スマートスピーカーを通じた「人」どうしの繋がりは、多様な世代が様々なメリットを感じながら、より一層発展していくものと確信します。

 ※出典:(株)富士経済「注目「高齢者」施設・住宅&介護関連市場の商圏分析と将来性 2018」
 

トレンド評論家 牛窪恵氏
世代・トレンド評論家 /立教大学大学院・客員教授
修士(経営管理学)/インフィニティ代表取締役/マーケティングライター

同志社大学・創造経済研究センター「ビッグデータ解析研究会」部員。日本マネジメント学会、日本マーケティング学会会員。
1968年東京生まれ。立教大学大学院・博士課程前期修了。
トレンド、マーケティング関連の著書多数。「おひとりさま(マーケット)」(05年)、「草食系(男子)」(09年)は新語・流行語大賞に最終ノミネート。

【調査概要】
調査名:「スマートスピーカーおよび音声アシスタントに関する調査」
調査対象地域:日本全国
調査対象:
■スマートスピーカー利用者587名
20~69歳の男女でAmazon Echoシリーズをはじめ主要各社のスマートスピーカーを現在利用している方々
■一般生活者1,034名
スマートスピーカーの利用有無にかかわらず、20~69歳の男女でアンケートに回答いただいた方々
(集計サンプルを人口構成比に合わせて回収)
調査期間:2020年3月6日(金)~7日(土)
調査方法:インターネット調査

※本調査は、アマゾンジャパンがウェーバー・シャンドウィック(再委託先 マクロミル)に委託し実施した調査になります
※調査結果をご利用の際は、「アマゾンジャパン調べ」と明記ください。
※本調査では小数点第1位で四捨五入しているため、合計数値が100%とならない場合があります。

*1 本調査での「スマート家電」は音声アシスタントを搭載する家電やインターネット接続が可能な家電製品を指します。
 
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