凸版印刷、傾けると潜像が現れる新構造ホログラム「トワイライトグラム™」を開発
偽造が困難な新構造により器具や知識なしでも誰でも容易に真贋判定が可能
凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、従来のホログラムとは異なる特殊構造を持ち、傾けると文字や絵などの潜像が現れる効果持つホログラム技術「トワイライトグラム™」を開発しました。器具や知識を持たない一般消費者でも、目視で潜像の出現を確認でき、容易に真贋判定をすることができます。本製品は2023年4月27日より提供を開始します。
■ 開発の背景
現在、偽造/模倣品などの知的財産侵害物品の流通は増加を続けており、2022年には全世界で4兆6,800億ドル(約515兆円)に達したと言われており(※1)、さらに近年ではインターネット経由での偽造/模倣品の流通も増加しています。偽造/模倣品の流通は、正規品の売り上げを毀損するだけでなく、その売上が反社会的勢力の資金源になるという点で一企業だけに留まらない大きな社会問題となっています。
ホログラムは、微細構造と鮮やかな輝き(光学効果)により、長年、偽造/模倣品を排除するための真贋判定に活用されてきました。しかし近年では、技術水準の向上により単純な構造のホログラムは偽造可能になりつつあるため、偽造困難でより複雑な構造のホログラムが求められています。
凸版印刷はその課題に対して、新構造ホログラム「トワイライトグラム™」を開発。このホログラム技術は、一般的なホログラムとは異なる特殊構造を有しており、凸版印刷はこの構造の特許を取得しています。また本製品の製造には今まで以上の技術と精度が要求されるため、偽造が大変困難です。加えて、この特殊構造により「傾けると潜像が出現する」という確認が容易な表現ができるため、ホログラムの知識を持たない一般消費者でも容易で明確な真贋判定が可能になります。
「トワイライトグラム™」を既存のホログラム技術・模倣品対策サービスと組みあわせることでより偽造を困難にし、偽造/模倣品の流通を防ぎたい医薬品/化粧品/高級ブランド品/機械・部品/ライセンスグッズ/金券などの用途に向けて提供していきます。
■ 「トワイライトグラム™」の特長
① 従来のホログラムが持つ「色の角度対称性」を崩す特殊構造
ホログラムの鮮やかな輝きは、光の回折という物理現象を利用しています。真上から入った光が、ホログラムの表面に設けられた微細構造により回折光となり、人間の目に届くことで、ホログラム独特の鮮やかな輝きが生まれます。
一般的なホログラムの構造から生まれる回折光は、見る角度が同じであれば、左右でどちらも同じ色に見えるという、いわば「色の角度対称性」と呼べる性質を有しています。(左図)
それに対し「トワイライトグラム™」の構造から生まれる回折光は、見る角度が同じであっても、左右の方向が異なれば異なる色が見えるという、「色の角度対称性が崩れた」回折光になります。(右図)
① 一般消費者でも視覚的に真贋判定が可能
ホログラムを傾けると文字や絵などの潜像が出現する効果で、潜像が出た場合は正規品、潜像が出現しない場合は偽物であると明確に判断をすることができ、一般消費者でも容易に真贋判定が可能になります。
② 他のホログラムや、他の真贋判定サービスとの組み合わせが可能
凸版印刷がこれまで培ってきた、パステル調の構造色を発色するホログラム「Secure Color®」や、ライトを当てると潜像が浮かび上がる「イルミグラム®」など、既存のホログラム製造技術とも組み合わせることができ、より高い意匠性と複数の確認方法を併用することが可能です。さらに、スマートフォンを用いてIDを読み取り真贋判定ができるクラウドサービス「ID-NEX®」(※1)と連携することもできます。これらの組み合わせにより、製品へより高い偽造防止性能の付与を実現します。
■ 価格
1枚5円~/100万枚製造時
※サイズやデザイン、他技術との組み合わせなどによって価格は変動します。
■ 今後の展開
凸版印刷はホログラムをはじめとした様々なセキュアソリューションをグローバル市場に展開し、2030年までに関連受注含め10億円の売上をめざします。また、模倣品対策技術の提供によって、安全・安心な社会の実現に貢献していきます。
※1 財務省広報誌「ファイナンス」令和2年5月号
https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202005/202005c.html
※2 「ID-NEX®」
https://solution.toppan.co.jp/secure/service/id_nex_shinganhantei.html
* 「トワイライトグラム™」は、凸版印刷が関連特許出願中です。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
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