イエメン:軍事攻撃に晒される水道施設~水不足によるコレラ再流行を懸念【プレスリリース】
ユニセフ、民間施設への攻撃の中止求める
【2018年4月17日 アンマン(ヨルダン)発】
イエメンでは水道施設が攻撃を受け、人々が水の供給を受けられない状況が進み、新たなコレラの流行が発生する危険があることを受けて、ユニセフ(国連児童基金)中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは、以下の声明を発表しました。
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イエメンは、世界で最も水が不足している国であり続けています。弱い立場にあるほとんどの人々にとって、飲料水は極めて高価で、この国の860万人の子どもたちは十分な水と衛生のサービスを受けられていません。
2015年以降の紛争の激化により、水道施設やその周辺は攻撃や軍事行為を受け、より多くの人々が安全な飲み水を得られなくなり、彼らがすでに置かれていた厳しい状況がさらに悪化しました。
今週前半に、サアダ県セハール地区(Sehar district)のアル・ハマザット(Al-Hamazat)の給水システムが完全に破壊され、国内避難民を含む7,500人が水の供給を絶たれました。この攻撃により、給水システムに電力を供給していた隣接する太陽光発電所も深刻な被害を受けました。この給水システムは2015年にも攻撃を受け破壊され、2017年にユニセフが再建したものです。
同時に、武装グループは、給水所周辺からも軍事攻撃を行っています。
紛争地でさらなる水を媒介する感染症の流行を防ぐために、安全な水へのアクセスが特に重要です。昨年、イエメンは、世界最大のコレラと水様性下痢の集団発生に見舞われましたが、今後も安全な水が得られない状況が続けば、新たな集団発生の可能性が待ち受けています。
ユニセフは、イエメン全土のすべての紛争当事者に対して、また彼らに影響力を持つすべての者に対して、基本的民間インフラを保護するよう求めます。すべての紛争当時者は、国際人道法を遵守し、直ちに民間人および民間インフラに対する攻撃を中止し、学校、病院、水施設周辺に対する、またそれらの敷地内からの軍事行動を中止し、子どもたちを危険から遠ざけなければなりません。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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