南スーダン:子ども兵士200人以上、武装勢力から解放【プレスリリース】
今も徴兵・徴用されている子ども約1万9,000人
【2018年4月18日 ヤンビオ(南スーダン)発】
17日、南スーダンの武装勢力は200人以上の子どもたちを解放しました。これはユニセフ(国連児童基金)が支援する一連の子どもの解放の2回目で、今後数カ月間にさらに約1,000人の子どもが解放される予定です。
第1回目の解放は、2月初旬にヤンビオでおこなわれ、子ども300人以上が家族のもとに戻ったり、ユニセフが支援するケアセンターに引き取られました。子どもの解放に向けた努力はその後も続き、今回、西エクアトリア州のヤンビオから車で約1時間の村Bakiwiriで、新たに207人の子どもたちが解放されました。
「どんな子どもも、武器を持ち戦ってはならないのです」とユニセフ・南スーダン事務所代表のマヒンボ・ ムドエは述べました。「解放されたすべての子どもたちにとって、今日は新しい人生の始まりを記念する日です。ユニセフは彼らが家族の元に戻り、明るい未来を築き始める支援ができることを誇りに思っています」
解放式典では、子どもたちは正式に武器を引渡し、軍服を脱ぎ、民間人の服を受け取りました。彼らは健康診断を受けた後、ユニセフやパートナー団体が提供する社会復帰プログラムで、カウンセリングや心理社会的ケアを受けます。
子どもたちは家に戻るときに、社会復帰の初期段階の支援として、家族3カ月分の食糧支援を受けます。その後子どもたちは、家庭の収入を増やしたり食べ物を十分確保できるよう、職業訓練を受けます。子どもたちが経済的に自立できることが、武装勢力と関係を持たないための重要な要素となり得ます。このような生計面での支援に加えて、ユニセフとパートナー団体は、解放された子どもたちが、確実に彼らの年齢に合った教育を学校あるいは集中学習センターで受けられるよう支援します。
「ユニセフ、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)そして政府関係者は、紛争当事者と根気強く交渉し、これらの子どもたちの解放を実現しました」とムドエは言います。「しかし、私たちの仕事はこれで終わりではありません。社会復帰の課程は慎重を要するもので、私たちは子どもたちが彼らの人生で成功するために必要なあらゆるサポートを確実に受けられるようにしなければなりません」
今回207人の子どもたち(男子112人、女子95人)を解放したのは、2016年に政府との合意文書に署名し、現在その兵士たちが政府軍に統合されている南スーダン人民解放運動(SSNLM)、ならびにスーダン人民解放運動反対派(SPLA-IO)からです。2016年7月の武力衝突の激化により、子どもたちの解放は中断されましたが、今後のさらなる子どもたちの解放への機運が高まっています。
このような進展にも関わらず、現在も約1万9,000人の子どもたちが、南スーダンの武装勢力や武装グループに徴兵されたままです。子どもたちを徴兵・徴用し続ける限り、武装勢力は国際法に基づき子どもたちの権利を保護するという約束を果たしていないことになります。和平交渉が再開され、将来の暫定政府について議論される中、ユニセフはすべての紛争当事者に対して、子どもの徴兵・徴用を終わらせ、彼らを解放するよう求めます。
ユニセフの解放プログラムには適切な資金が不可欠です。ユニセフは南スーダンで今後3年間で、1万9,000人の子どもたちの解放、武装解除、および社会復帰の支援活動に4,500万米ドルを必要としています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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