かわいい! おもしろい! ちょっとヘン!? 動物だらけの江戸の町へ、ようこそ! 浮世絵に描かれた動物たちを読み解く『浮世絵動物園』を小学館より刊行しました!!
東京・原宿にある浮世絵専門美術館、太田記念美術館で過去に2度に渡って開催された展覧会「浮世絵動物園」が、1冊の本になりました!
愛情を注がれる猫や犬、日々の営みを助けた馬や牛など、日々の暮らしをともにした動物から、おめでたい鶴や亀、地震を起こすとされた鯰など、人々の願いや想いが託された動物、さらには舶来の珍獣まで、浮世絵には、さまざまな動物が登場します。
その多彩な表現は、「かわいい!」「おもしろい!」「ちょっとヘン!?」と、見ているだけで楽しいもの。でも、さらにそれらを読み解いていくと、当時の人びとの暮らしが動物とともにあり、また、ときに神聖でときに恐ろしい、動物のもつさまざまなイメージもふくめて、人びとが動物たちを愛でていたことが見えてきます。
掲載作品は約160点。全作品に優しい語り口の解説つき。太田記念美術館の初の試みとして、電子書籍でも発売します。江戸絵画の動物表現を楽しむとともに、江戸の人々と動物の深い関係を伝える1冊です。
『浮世絵動物園 江戸の動物 大集合!』
太田記念美術館・監修 赤木美智、渡邉晃、日野原健司・著
定価:2,640円(税込) B5判並製 128ページ
2021年5月19日発売 小学館
ISBN978-4-09-682360-6
https://www.shogakukan.co.jp/books/09682360
第1章 江戸の町は動物だらけ
浮世絵には、江戸の町で人々と暮らしをともにした、あらゆる動物たちが登場します。当時もペットとして人気だったのが、猫と犬。ほかにも、金魚やネズミ、ウサギもペットとして愛されていました。
荷物や人を運ぶ場面で大活躍だったのが馬や牛。また魚貝やクジラ、イノシシは貴重な食料でもありました。
愛情を注ぐ対象であり、労働のパートナーでもあった動物たち。江戸の人々にとって動物は、日々の暮らしに欠かすことのできない存在だったのです。
【1点目/月岡芳年《「風俗三十二相」うるささう 寛政年間処女之風俗》、2点目/葛飾北斎《狆》 いずれも太田記念美術館蔵】
第2章 動物のもつ美と力
江戸っ子には動物モティーフのファッションやインテリアも人気でした。浮世絵には、龍がデザインされた着物を着た勇ましい男性、蝙蝠柄の浴衣をまとう粋な女性らが登場し、壁に鳳凰を表してゴージャスな空間を演出する遊郭の様子も描かれます。
また、おめでたい動物の代表格である鶴や亀は、新年に配られた摺物や初夢を見るための宝船絵に散りばめられました。疱瘡除けの効果が期待されたミミズク、地震の原因とされた鯰…、こうした動物の姿には、幸福や健康への切実な願いや厄災への畏怖、江戸市民のあらゆる思いが託されているのです。
第3章 アニマルエンターテインメント
象や豹など舶来の珍獣が見世物として話題になると、浮世絵師たちはこぞってその姿を描きました。また四季折々の花と動物をとりあわせた「花鳥画」は、浮世絵でも重要なジャンルとして、人々の日々の生活に季節感を添えました。
一見、愉快で愛らしい擬人化作品は、幕府によって遊女などを描くことが禁止されたことから制作され始めました。浮世絵のバラエティ豊かな動物表現からは、江戸の人々の好奇心や、暮らしの中に楽しみを見出そうとするたくましさ、そして反骨精神をもうかがうことができます。
第4章 物語のなかの動物たち
浮世絵師たちは、歌舞伎や小説、古典や伝承など、ありとあらゆるジャンルの物語を題材に作品を手がけましたが、そのなかにはしばしば、印象的に描かれた動物たちの姿を見つけることができます。龍や獅子といった伝統的な画題や、金太郎などの昔話に登場する動物たち、妖術使いたちがイリュージョンで生み出した大蝦蟇や大蛇といった、現実に存在する動物から架空の動物まで、そのバリエーションはさまざまです。
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