高額療養費自己負担増の影響を知る グループ生協で「医療・健康格差学習会」〔共済連〕

生活費削り子どものため治療断念

パルシステム連合会

パルシステム共済生活協同組合連合会(本部:東京都新宿区、理事長:渋澤温之)は4月2日(木)、東新宿本部で「医療・健康格差学習会」を開催し、オンライン視聴を含め29人が参加しました。全国保険医団体連合会(保団連)(本部:東京都渋谷区、竹田智雄会長)から講師を招き、高額療養費制度変更による影響を学びました。

660万人の負担増で長期療養者に補填

学習会では、保団連の事務局次長本並省吾さんが、2026年と2027年の8月に予定される高額療養費制度の変更とそれによる影響を解説しました。制度は、ひと月に支払う医療費の自己負担額に上限を設け、超過分を健康保険組合などの保険者が負担するものです。長期間の治療が必要な患者には、医療費による家計負担を軽減するため欠かせない制度です。

政府は2025年1月、高額療養費制度を将来にわたり維持するためとして自己負担上限額の引き上げを決定しました。患者団体などから「治療断念につながりかねない」との批判を受け、同年3月に引き上げを見送ることを発表しました。その後厚生労働省は9回の検討会を経て、12月に新たな制度改定内容を決定しました。

▲公的な社会保障制度の充実を訴える本並さん

本並さんは改定内容を「1年前と比較すれば、長期療養者や低所得者への配慮では改善点もありますが、制度利用者の8割に当たる660万人の負担は増加します」と解説します。高額療養費制度は、直近12か月で同一世帯の利用が3回を超えると、「多数回該当」として4か月目から自己負担額上限を軽減した定額となります。この金額を据え置き、年収200万円未満では引き下げられます。また、多数回該当に満たない長期療養者に配慮し、年間上限額を導入し超過分の支払いを免除します。

この財源を、2026年8月の自己負担限度額一律7%引き上げと2027年8月の所得区分細分化による引き上げで賄い、年1回から3回制度を利用する約660万人の患者が「支払い能力に応じて負担する」構造です。本並さんは「高額薬価の引き下げや政府予算からの財源確保の検討もなく、制度内で帳尻を合わせる財源調整は、患者だけに負担を強いるものです」と疑問を呈します。

月117円で脅かされる生存権

保団連は改定内容の発表を受け2026年1月、1700人の制度利用者にアンケートを取りました。47.7%が治療に伴い収入が減少したと答えるなか、うち68.4%は負担限度額が下がりません。治療のために貯蓄を切り崩し、生活費を削るとの回答は7割を超え、受診を控え安価な薬や治療法に変更するなど重症化や命の危険につながる選択も6割前後ありました。

さらに子育て世帯では、住宅ローンや子どもの教育費などの支出がかさむ中、治療しながら働き、医療費を工面する状況もあります。自身の医療費負担で子どもに我慢を強いらせ、進学先などに影響が出るのであれば、治療断念も辞さないとの切実な声もあります。高額な新薬投与など長期治療が必要で、自己負担限度額を下げるため離婚や世帯分離で対応せざるを得ないケースもあるそうです。

WHO基準では、支払い能力の4割以上を医療費が占める状態を「破滅的医療費支出」と定義します。治療により働けなくなり、所得が約3割減少した場合、自己負担上限額はほぼすべての所得階層で基準を超えるとの試算もあります。

厚生労働省は改定に伴う受診抑制による予算削減を1,070億円と見込み、国民一人当たりの保険料負担が年間1,400円削減できると試算します。本並さんは「政府は自己負担増による受診控えを試算の根拠としています。受診断念は、憲法で保障される国民の生存権を脅かすものです。大きな傷病で将来自分も使用するかもしれない手厚い制度が、月117円の軽減で、660万人の患者に負担を強いようとしています」と話します。

国民の医療や保障の向上へ

保団連は、各都道府県の医師・歯科医師10万人超が加盟する、保険医協会と保険医会51組織による連合組織です。保険医の経営と生活、権利を守りながら保険による医療の充実と改善を通じ国民の健康を守ることを目的とする組織です。医療保険制度や診療報酬の改善を目指し、患者団体などと連携し活動しています。

市民が社会保障制度を理解し、医療や介護を必要とする時に自己負担を減らせるよう、申請先や手続きの情報提供などをしています。新しい医療技術や薬への保険適用の要求やワクチン接種の普及など様々な公衆衛生と地域医療の充実に向け活動し、高額医療にアクセスできない人などを支援します。

高額療養費制度改定に当たっては、患者団体と共に負担増中止を求めるオンライン署名を呼びかけ、2月末に25万筆超を政府に提出しました。署名は3月末現在も受付中で、27万筆を超えています。

#高額療養費の限度額引き上げを撤回してください

医療をめぐる社会保障制度には、多様な課題が山積します。パルシステム共済連は今後も保団連と連携し、OTC類似薬追加負担の課題など学んでいきます。

パルシステムグループはこれからも、多様な組織との連携で暮らしを取り巻く課題に向き合い、誰もが健やかに生きていける社会づくりを目指します。

パルシステム共済生活協同組合連合会

パルシステム共済生活協同組合連合会

所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿、理事長:渋澤温之
経常収益:42.1億円、職員数:68人、共済・保険総保有件数52.2万件、出資金:20億円(2025年3月末現在)
HP:https://www.palsystem-kyosai.coop/

パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿、理事長:渋澤温之
13会員・統一事業システム利用会員総事業高2,604.2億円/組合員総数176.2万人(2025年3月末現在)
会員生協:パルシステム東京、パルシステム神奈川、パルシステム千葉、パルシステム埼玉、パルシステム茨城 栃木、パルシステム山梨 長野、パルシステム群馬、パルシステム福島、パルシステム静岡、パルシステム新潟ときめき、パルシステム共済連、埼玉県勤労者生協、あいコープみやぎ
HP:https://www.pal-system.co.jp/

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会社概要

URL
https://www.pal-system.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿
電話番号
03-6233-7200
代表者名
渋澤温之
上場
未上場
資本金
158億7560万円
設立
1991年02月