ベネッセ「ChatGPTの利用に関する意識調査」小学生「ChatGPTを知っている」2割、うち7割に利用経験
■ChatGPTの希望用途1位は、親子ともに「好きなことについて調べる」
■小学生の約9割が「ChatGPTが書いた文章をそのまま使わないようにすることは大事」
株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:小林 仁)は、全国の小学3年生から小学6年生とその保護者1032組に、ChatGPTの認知、利用経験や今後の利用意向、利用する上で大事だと思うことなどについてアンケート調査を実施しました(※)。ChatGPTを提供するOpenAIから発信されている方針では、利用対象は13歳以上であることが推奨されていますが、実際の小学生とその保護者の利用状況や利用意向を把握することを目的として調査を実施しました。結果は以下のとおりです。
※子どもの回答は、保護者から子どもに質問していただく形式で聴取しています。
■小学生のChatGPTの認知・利用経験
子どもの約2割がChatGPTを「知っている」
Q.お子さまはChatGPTについて知っていますか N=1032
以降は、ChatGPTを「知っている」と回答した子ども205名と保護者518名に質問対象者を絞っています。
ChatGPTを知っている子どもの約7割に利用経験
Q.お子さまはChatGPTをどのくらい使っていますか N=205
■子どもがChatGPTを利用することに対する保護者の意見
約6割の保護者が利用に肯定的(「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」)。否定的な意見(「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」)は約3割。
Q. お子さまのChatGPTの利用についてどう思われますか。もっともお気持ちに合うものをお選びください。
N=518
■子どもがChatGPTを利用することに対する意見の理由
利用に肯定的な(「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」)保護者の意見でもっとも多い理由は「新しい技術の活用力を養うよい機会になりそうだから」。否定的な意見(「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」)の保護者の回答理由でもっとも多いのは「自分で考えなくなりそうだから」。
ChatGPTを「知っている」と回答した保護者518名のうち、前問にて今後のChatGPTの利用に肯定的な回答をした保護者294名と、否定的な回答をした保護者151名のそれぞれに理由を聞きました。
Q. 前問のご回答の理由として、もっともお気持ちに合うものを選んでください。
「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」理由 N=294
「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」理由 N=151
■子ども自身のChatGPTの利用意向
約8割の子どもが利用に肯定的(「たくさん使いたい」「少し使ってみたい」)。否定的な意見(「あまり使いたくない」「まったく使いたくない」)は約1割。
Q. ChatGPTを今後どのくらい使ってみたいですか。もっともお気持ちに合うものをえらんでください。 N=205
■ChatGPTの希望用途:ChatGPTの利用希望としてもっとも多いのは、親子ともに「好きなことについて調べる時」
ChatGPTを「知っている」と回答した子ども205名と保護者518名のうち、前問で今後のChatGPT利用に肯定的な意見を持つ子ども176名と保護者294名に質問対象者を絞っています。
Q.どのような時にChatGPTを使いたいですか N=176(子)/ お子さまにChat GPTをどのような時に使ってほしいですか N=294(保護者)
■ChatGPTを使う時に大事だと思うこと
どの項目も親子で同程度で、中でも「正しい情報かどうかを確かめる」ことを大事だと思うスコアがもっとも高い。
Q. ChatGPTを使う時に、次のことはどのくらい大事だと思いますか。 N=205(子) N=518(保護者)
選択肢:とても大事/まあ大事/あまり大事ではない/まったく大事ではない/わからない
※グラフは「とても大事だと思う」「まあ大事だと思う」の合計
<調査概要>
調査対象:小学3年生~6年生とその保護者1,032組
調査期間:2023年6月22日~23日
調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査項目:ChatGPTの認知、利用経験や今後の利用意向、利用する上で大事だと思うことなど
【調査の結果を受けて】
NPO法人 奈良地域の学び推進機構 理事 石川千明
これからの時代を生きる子どもたちにとって、AIは生活や学習において善いパートナーになる可能性があります。AIの正しい使い方、有効な使い方を学び、より良く使いこなしていくことが求められていくでしょう。
「子どもがAIに頼るのはよくない」と表現されていることを見かけますが、AIは頼る相手はなく、自らの思考力や問題解決能力を向上させる手段となると考えています。そのためにもAIに過度に依存せず、自分で情報を分析し、独自の意見やアイデアを生み出せる場所にしていくことが大事でしょう。
広島工業大学 情報学部情報コミュニケーション学科 教授 安藤明伸
AIの技術は、今まさに迎えようとしているSociety5.0という時代の鍵となるテクノロジーです。
今後も性能や精度が上がり、未来の生活を変えていくといわれています。中でも教育においては、学習の方法やスタイルを大きく変えていくことが予想されます。
AIが教育現場で活用されるようになると、自分で調べて答えたり考えたりしたことを元に、AIを活用して自分の考え以外のアイデアや多くの視点に気付けたりします。
そして、AIへの質問と回答のやり取りという対話の中で、「どんなふうに質問すればよりよいアイデアを出すためのヒントを得られるか」といった思考力と質問力が問われるようになります。
また、お子さまや親御さんが、既に知りえている確実で正確な情報を敢えてAIに聞いてみることで、生成された内容の正確性やAIが何を学習してそう回答しているのか等、AIに対する健全な批判力も育成していくことが大切です。
AIを効果的に利用して1人ひとりの力に応じた学習が進むことで、お子さまの未来はさらに広がっていくでしょう。
【その他の調査結果】
■小学生の保護者のChatGPTの認知・利用経験
Q.あなたはChatGPTについて知っていますか N=1032
Q.あなたはChatGPTをどのくらい使っていますか N=518
ChatGPTを「知っている」保護者518名のみに質問対象者を絞っています。
■ChatGPTの使い方について保護者と子どもで話したことがあるか
Q.お子さまとの使い方について話したことがありますか。N=518
ChatGPTを「知っている」保護者518名のみに質問対象者を絞っています。
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