グループ経営ビジョン「勇翔2034」による新しい時代が始動します~これまでの「当たり前」を超え持続的成長をステージアップ~

東日本旅客鉄道株式会社

○JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「変革2027」において、「安全」を経営のトッププライオリティとして堅持する中で、事業活動の起点を「鉄道インフラ」から「ヒト」へと抜本的に転換し、社員一人ひとりが変革の「主役」となって「融合と連携」により事業全般にわたる構造改革を推進してきました。

 ○人口減少や少子高齢化に加え、コロナ禍によるライフスタイルやマーケットの変化の加速など、私たちが10年先に想定していた経営環境の変化が現在の課題として立ち現れていることを踏まえ、これまでの「当たり前」を超えグループの持続的成長をステージアップするため、新たなグループ経営ビジョン「勇翔2034」を別添のとおり策定いたしました。

1 グループ経営ビジョン「勇翔2034」の全体像

 JR東日本グループは、社員一人ひとりの真面目で誠実な業務遂行によって築く信頼をベースに、モビリティと生活ソリューションの二軸経営を推進し、シナジーを発揮することをめざしています。

 「勇翔2034」では、「究極の安全」を経営のトッププライオリティとして堅持する中、「成長のための5つのエンジン」(すべての人にとっての安心、グループ社員の働きがいと成長、ヒト起点のマーケットイン、技術力の深化と進化、融合と連携)で、グループ内におけるこれまでの常識や、ステークホルダーが当社グループに対して抱く期待水準・イメージという「当たり前」を超えていきます。

 そして、ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)を創造し、安心と感動をステークホルダーにお届けすることを通じて、すべての人の心豊かな生活を実現します。

2 「変革2027」からのアップデート

 「変革2027」では、事業活動の起点を「鉄道インフラ」から「ヒト」へと抜本的に転換しました。「勇翔2034」では、個の価値観の多様化によりヒト起点のサービスの重要性が増してきていることを踏まえ、「ヒト起点のマーケットイン」を事業活動の起点に据えます。

 価値創造のフィールドとして「都市、地方、世界」に宇宙を加え、モビリティと生活ソリューションの二軸で「当たり前」を超えるチャレンジを続けていきます。

3 すべての事業の基盤となる「信頼」

 私たちは、先人が培ってきた経験・技術を継承するだけでなく、最先端の技術力で社会を変えていく真の技術サービス産業をめざしていくことで、ステークホルダーの期待に応え、すべての事業の基盤である「信頼」をより強固なものにしていく必要があると考えています。

 ひとたび不正・不祥事・重大な事故などの事象を発生させてしまうと、ステークホルダーからの信頼を失い、グループの事業の基盤が崩壊しかねないということを強く意識し、2024年度から相次いで明らかになった信頼を損なう事象を厳しい教訓と捉え、コンプライアンスの確保とグループ全体のガバナンスの改善と強化に取り組み続けます。(本日公表「グループ全体のガバナンスの改善と強化に向けた有識者委員会の設置について」)

4 「信頼」を拡大させる「すべての人にとっての安心」

 JR東日本グループは、「究極の安全」の追求を経営のトッププライオリティとして堅持し、鉄道輸送をはじめとした商品・サービスの品質を高め、すべての人に「安心」を感じていただくことをめざします。これにより、すべての事業の基盤となる「信頼」を拡大させていきます。

 「究極の安全」の追求にあたっては、2023年に策定した「グループ安全計画2028」のもと、「安全文化」や安全の「しくみ」「設備」などの安全の基盤を強固にするとともに、「これまでは想定外であったリスク」を本質の理解により想像し、安全を先取ることで、安全レベルを向上させていきます。

 また、技術サービス企業グループとして、技術力の「深化」と「進化」で「究極の安全」を追求していきます。

【参考:グループ安全計画2028】

5 「当たり前」を超えていく

 「変革2027」の7年間で、社員一人ひとりが主役となった構造改革を進めることができました。「勇翔2034」では、失敗を恐れず果敢にチャレンジする企業風土を一層強固なものとし、加えて、社員一人ひとりが10年後の当社グループを自ら創るという起業家精神をさらに高めていくことで、「当たり前」を超えていきます。

6 技術力の「深化」と「進化」

 「当たり前」を超えるための重要な要素となるのが、「技術力」です。オープンイノベーションでグループ内外から最先端の技術や知見を取り入れるとともに、「ヒト起点」の発想で技術を融合させていきます。

 JR東日本グループは、最先端の技術力で、安全で安心できる商品・サービスをお届けし社会を変える、真の技術サービス企業グループをめざします。

7 ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)

 「勇翔2034」で創造する価値は、ライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)です。JR東日本グループは、社会課題や潜在ニーズに向き合い、お客さま・地域の皆さまの生活様式と社員の働き方を革新していきます。そして、思いやりとワクワクにあふれる社会を創り、新たな未来をデザインします。

【LX実現の例】

鉄道を中心としたモビリティのイノベーション

・宇宙からの衛星情報を活用したチケッティングサービス、列車制御、施設管理などの業務革新

・新えきねっと、販売窓口のAI化、Suicaの進化などによる「お待たせしない駅空間」の創出

・鉄道とバス、航空機、ライドシェア、バイクシェア、新規事業化するエアモビリティなど多様な交通手段をつなぐ立体的なMaaSの構築

まちづくり

・鉄道を中心としたモビリティと生活ソリューションの融合によるシナジーの創出に加え、地域の様々なニーズに応える「ご当地Suica(仮称)」や、環境・物流・二次交通といった地域課題へのソリューションの提供など、当社グループならではのまちづくりモデル(J-TOD)の構築を推進

・J-TODモデルによる東南アジア・南アジアなどの新たなまちづくりへの参画

 ※J-TOD=JR East-Transit Oriented Development(JR東日本型の公共交通指向型都市開発)

  JR東日本グループならではの鉄道ネットワーク型まちづくりを指す。

Suica

・「2万円上限」「事前チャージ」「タッチが必要」というSuicaの「当たり前」を超える(Suica Renaissance)

・Suicaの「生活のデバイス」への進化に合わせた新たなビジネス機会の創出

― お客さまの移動と販売をつなげた新たなビジネスモデルの構築

― 鉄道を中心としたモビリティと生活ソリューションのサービスを一体化した新たなサブスク商品の創出

― 集積するデータを活用した物販・オフィス・住宅など既存事業のバリューアップ

― 地域ごとの多様なニーズにお応えする「ご当地Suica(仮称)」の提供

― FinTechサービスの可能性の追求

・GPSや人工衛星などお客さまのご利用に合わせた通信手段によるエリア全体でのウォークスルー改札の推進

地域活性化

・海外マーケットへの展開を視野に入れたはこビュン等のビジネスモデルによる地域経済の振興と新たな観光流動の創出

・「ご当地Suica(仮称)」などを活用した二拠点居住の推進による新たな交流人口の創出

・マーケットニーズに即した駅ビルのモデルチェンジ(Beyond 駅ビル)

・駅など当社グループのインフラネットワークを活用した医療、教育、物流、二次交通など地域の課題解決と利便性向上への貢献

・増加するインバウンドの地域流動拡大(東北への宿泊を伴う移動を1.5%程度から5%に拡大)

エネルギー

・再生可能エネルギーの活用やまちづくりにおける最適なエネルギーマネジメント(電力需要の抑制・シフト・創出)の実現

・水素ハイブリッド車両の営業運転投入や、TAKANAWA GATEWAY CITYをハブとした生活エネルギーとしての水素活用へのチャレンジ

・車両・設備等の環境性能向上(水素、バイオ燃料)による環境負荷低減

・フュージョンエネルギー開発への参画と利活用の検討

8 二軸経営による成長戦略

 2025年秋に発表予定の「モビリティ中長期戦略」と、2024年6月に発表した生活ソリューションの中長期ビジネス成長戦略「Beyond the Border」のもと、モビリティと生活ソリューションそれぞれで強みを活かした成長戦略を推進します。そして、「Suica Renaissance構想」のもと、Suicaをあらゆるビジネスの基盤として進化させ、統一されたIDと合わせ、「Suica生活圏」を構築していきます。

 また、各事業者、メーカー・サプライヤーと連携した車両装置・部品の共通化や、特定技能制度を活用した外国人材の育成など、日本の鉄道事業のサステナブルな運営に貢献していきます。

9 数値目標(連結)

 「勇翔2034」のKGI [Key Goal Indicator](長期的な経営目標)として、「2031年度ROE10%以上」を掲げます。既存事業の成長と非連続な成長を通じて2031年度の営業収益4兆円超をめざし、5兆円の営業収益規模(2034年度)に向けた成長軌道を描きます。

10 キャッシュアロケーション

 各ビジネスの利益成長による営業キャッシュ・フローの拡大に加え、不動産販売の規模拡大や政策保有株式の縮減によるアセットマネジメントを組み合わせ、キャッシュインを最大化します。

 獲得したキャッシュは、「成長資金」および「基盤維持・強化資金」に重点的に充てつつ、革新的なイノベーションを目的とする「LX資金」にも振り向け、思いやりとワクワクにあふれる社会を創ります。

 株主還元については、成長投資とのバランスを勘案しながら、2027年度に向けて配当性向を段階的に40%に引き上げます。あわせて、柔軟に自己株式取得を実施します。

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会社概要

東日本旅客鉄道株式会社

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URL
https://www.jreast.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区代々木2-2-2 JR東日本本社ビル
電話番号
-
代表者名
喜㔟陽一
上場
東証1部
資本金
20億円
設立
1987年04月