2025年8月のカレー物価1食436円 最高値から5円安 9月は前月比5円安の1食431円予想、5年ぶりの下げ幅に「コメ価格」の安定寄与

「カレーライス物価指数」調査―2025年8月分

株式会社帝国データバンク

株式会社帝国データバンクは、食卓への影響度を示す「カレーライス物価指数」を独自に試算した。           

SUMMARY

2025年8月のカレーライス物価は1食436円(前年同月348円)となった。

コメ価格の安定化を背景に、前月からは▲2円と3カ月連続で値下がり(低下)した。

最新の物価動向に基づく2025年9月の予測では1食431円となり、2024年以降続いた急激な値上がり局面は一旦ピークを越えたとみられる。                                                     

[注]カレーライス物価:カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数

各種価格データは「小売物価統計調査(総務省)」のうち各都市平均値(全国平均)を参照。調理シーンは「6食分(市販のカレールー1/2パック)をまとめて調理した」ものとした

カレーライス物価指数:各月のカレーライス物価を基に、2020年平均=100とした価格推移

(計算式)([当月の指数]-[前年同月の指数])/[前年同月の指数]×100

【原材料】ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、牛肉(輸入)、コメ(コシヒカリ、1食:約1合[炊飯前重量])、カレールー(市販)、食用油【エネルギー】 電気(炊飯器での調理、約7合分の炊飯+6時間の保温を加味した)、ガス(強火・中火・弱火の各調理手順)、水道水(上水道分のみ、下水道使用料は除く。食材・食器類の洗浄にかかる水量は考慮していない)


2025年8月のカレーライス物価: 1食あたり436円

最高値から5円安 

 カレーライスを家庭で調理する際に必要な原材料や光熱費などの価格(全国平均)を基に算出し、食卓に与える物価高の影響を可視化した「カレーライス物価」は、2025年8月時点で1食あたり436円となった。1年前の2024年8月(348円)からは+88円・25.3%増と、14カ月連続で前年同月比2ケタを超える大幅な上昇が続いたものの、金額ベースでみると上昇幅は2カ月連続で100円を下回るなど、上昇ペースは鈍化傾向が続いた。また、前月(438円)からは▲2円と、2022年8月以来、3年ぶりに3カ月連続で前月を下回り、最高値だった2025年5月(441円)から5円安の水準となった。銘柄米を中心にコメ価格が安定し始めたことが要因となった。

カレーライス物価を構成する費用の内訳をみると、最も高いのが全体の約5割を占める「カレー具材(肉・野菜)」で、213円(前年同月209円、+4円)だった。前月(210円)から3円上昇と3カ月ぶりに値上がりしたほか、前年同月との比較でも2カ月ぶりに上昇へ転じた。高温や少雨を背景に、タマネギなど野菜類の価格が平年に比べやや高めに推移したことが要因となったものの、急激な上昇ペースは一服した。「ごはん(ライス)」価格は、コメの店頭価格が安定し始めたことを背景に、前年同月(110円)から+82円・7割増の192円と大幅に上昇した一方、前月からは19カ月ぶりに低下した。「カレールー」(27円)は、市販ルーや食用油の価格上昇が一服したことを背景に、25カ月ぶりに前月から低下した。炊飯器での炊飯やガス調理などの「水道光熱費」(4円)は変動がなかった。

カレーライス物価を基に、2020年平均を基準(100)とした独自算出の「カレーライス物価指数」をみると、2025年8月の指数は159.2となった。前年同月比では25.4%高く、27カ月連続のプラスとなったものの、伸び率は3カ月連続で縮小した。カレーライス物価は5年間で6割に迫る値上がりとなったものの、2025年5月をピークとして緩やかな低下傾向で推移した。

今後の見通し:2025年9月=1食431円の予想

 コメ・野菜価格に不安定要素も、当面は緩やかな低下傾向続く

全国の物価の先行指標となる東京都区部の物価動向を基に予想した2025年9月のカレーライス物価は、8月比▲5円となる1食431円前後と、カレーライス物価はピークの2025年5月から10円の値下がりとなる見込み。4カ月連続で前年を下回るとみられる。主な上昇要因となるコメ価格で、銘柄米でも価格が安定しつつあることを背景に、緩やかな低下傾向が続く見通し。ニンジンやタマネギなどの野菜類では、高温や少雨による生育不良を背景に横ばい~高値での推移が見込まれ、大幅な値下がりは期待できない状況が続く。

今後のカレーライス物価は、今秋まで430円台前後での推移が予想される。近年例を見ない価格上昇圧力を反映し、例年に比べて記録的な高値圏での推移が続いたものの、急激な値上がり局面はいったんピークを越えたとみられる。ただ、早場米を中心に高値取引が続く2025年産米の動向、高温による各野菜の収量低下と出荷量の調整による価格の上昇など不安定要素もあり、再び急激な値上がり局面を迎える可能性がある。

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代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月