社長の肩書「CEO」5年で1.7倍に増加 若い経営者で導入目立つ CEOの約4割が「40歳代」以下、平均54歳 「取締役社長」より6歳若い

2025年「CEO制度」導入企業調査

株式会社帝国データバンク

帝国データバンクは、信用調査報告書ファイル「CCR」(200万社収録)など自社データベースから分析可能な各年約25~27万社を基に、企業の代表者における「肩書」のうち、「CEO」を採用している企業について分析を行った。

                

SUMMARY

 2024年末時点で、経営トップの肩書に「CEO」を導入する企業は1536社判明し、前年から13.9%増加、コロナ禍前の2019年からは1.7倍に増加した。サービス業、特にIT産業などのスタートアップ企業で採用が目立った。CEOの平均年齢は54歳前後で、全国の代表取締役(社長・会長)より約6歳若い。CEO制度は企業のグローバル化やコーポレートガバナンス強化への対応、意思決定のスピードを早める目的で導入が進んでおり、今後も増加が見込まれる。                       

[注1] 対象は「株式会社」「有限会社」「合名会社」「合資会社」「合同会社」の5法人格が対象(いわゆる「会社」に相当)

[注2] 「CEO」対象企業は、類似する「COO」「CFO」も僅少ながら含む


 CEOの約4割が「40歳代」以下 若い経営者で導入目立つ 

企業のトップを表す肩書に「CEO」を導入する企業(以下、「CEO企業」)が増えている。保有する企業データを基に「CEO企業」を分析した結果、2024年末時点で少なくとも1536社が、経営トップの肩書として「CEO」を使用していた。調査対象となる約27万社のうち、割合は1%に満たないものの、前年からは13.9%・187社増加、コロナ禍前の2019年(910社)からは1.7倍に増加するなど、「CEO制度」が日本企業に浸透している。

CEOとは「最高経営責任者(Chief Executive Officer)」の略称で、経営方針や事業計画を策定し、最終的な責任者として会社の業務執行を統括する役割を担う。日本の会社法では、CEOに関する職責や権限に明確な規定がないため、多くの企業では「代表取締役社長(会長)兼CEO」という肩書で使用することが多い。日本企業では、ソニーが初めて米国の執行役員制度を導入したことを皮切りに経営と業務執行を分離する動きが広がり、CEO制度の導入が日本でも進んだとされる。

CEO企業を業種別に分析すると、特に「サービス業」で採用が多く、CEO企業1536社のうち4割を超える690社が判明した。サービス業の中でも、ソフトウェア開発といったIT産業で多く、スタートアップ企業など新興企業でCEOを採用するケースが目立った。年齢別では、CEO全体の年齢は平均約54歳と、「代表取締役(社長・会長)」(約60歳)に比べて約6歳若い。CEOの年代でも、全体の約1割が「30歳代」以下、「40歳代」以下では約4割を占め、「取締役社長・会長」(40歳代以下:18.8%)に比べて2倍となるなど、若い経営者で「CEO」を肩書として採用するケースが多かった。

業歴が長い大企業でも、ソフトバンクグループなど海外市場の展開を進める企業ではグループ全体でCEO職の設置を進めるケースがある。このほか、外部からの投資を受けたい起業家が、自らCEOとして職務を遂行するケースもあるなど、CEO制度を導入した背景や事情は企業によって様々だ。

企業のグローバル化が進展し、国内外の投資家がコーポレートガバナンス(企業統治)を重視するなか、高い透明性の確保や、迅速な意思決定による企業運営を実現するためにCEO制度・肩書を取り入れる動きが拡大している。足元では、2025年8月時点で「CEO企業」はさらに増加しており、経営トップのあり方として「CEO」が特別でなくなる日はそう遠くないだろう。

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会社概要

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URL
https://www.tdb.co.jp/index.html
業種
サービス業
本社所在地
東京都港区南青山2-5-20
電話番号
03-5775-3000
代表者名
後藤 信夫
上場
未上場
資本金
9000万円
設立
1987年07月