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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ユニセフ事務局長イエメン訪問「和平のみがこの状況を改善できる」【プレスリリース】

人道支援必要とする子ども1,100万人

公益財団法人日本ユニセフ協会

サヌアの病院で栄養不良の治療を待つ子ども。(2018年6月27日撮影) © UNICEF_UN0219816_サヌアの病院で栄養不良の治療を待つ子ども。(2018年6月27日撮影) © UNICEF_UN0219816_

【2018年7 月3 日 ジュネーブ/ニューヨーク/アンマン(ヨルダン)/サヌア(イエメン)発】

 容赦ない紛争により、すでに混沌状態にあったイエメンの状況はさらに悪化しました。社会サービスはほとんど機能していません。経済は崩壊し、物価が高騰しています。病院は破壊され、学校は避難所と化し、または武装勢力に占領されています。

 アデンとサヌアへの訪問から戻ってきたところですが、そこでは数十年もの開発の遅れと慢性的な国際社会の無関心の後に起きた3年に及ぶ激戦が、子どもたちに与えている影響を目の当たりにしました。子どもたちは、学校に通えなくなり、闘うことを強要され、幼く結婚させられ、お腹をすかし、予防できる病気で亡くなっています。今日、1,100万人のイエメンの子どもたちが、食料、治療、教育、水と衛生の支援を必要としています。

 2015年以降、保健施設の半数以上が機能しなくなりました。学校1,500校が空爆や砲撃を受け破損しています。少なくとも2,200人の子どもが殺され、3,400人が負傷しました。これらの数字は私たちが確認できたものだけで、実際の数字はさらに高いものでしょう。 

 この殺戮を正当化することはできません。
 

アデンの子どもにやさしい空間で、子どもたちと触れ合うヘンリエッタ・フォア事務局長。(2018年6月24日撮影) © UNICEF_UN0219823_アデンの子どもにやさしい空間で、子どもたちと触れ合うヘンリエッタ・フォア事務局長。(2018年6月24日撮影) © UNICEF_UN0219823_

 ホデイダの暴力から逃れてきた子どもたちに心理社会的ケアを提供しているアデンのセンターで、幼い少女が、彼女が暮らしたい世界を描いた絵をくれました。そこには、晴れた日に大きな家の隣にある公園で、おしゃれをした少女が友達と一緒に座っている様子が描かれていました。それは、避難生活、破壊や恐怖といった彼女を取り巻く現実の世界とは対照的なものでした。

 サヌアでは、栄養不良児の病棟で、新生児ほどの体重しかない生後8か月の赤ちゃんに会いました。新生児ICUでは、保育器の中で懸命に呼吸をしている小さな赤ちゃんに会いました。中には、生きるために手術が必要な結合双生児もいました。しかし、イエメンでは手術は受けられません。この病棟は、サヌア市の主要な病院の中にありますが、非常時のバックアップ電源はなく、停電時は燃料を使用する発電機に頼っています。しかし、停電は頻繁にあり、燃料は貴重で高額です。そこでは、彼らの限界を超えながらも、命を守り、患者に無料で治療と薬を提供するために最善を尽くす献身的な保健スタッフに会いました。史上最悪のコレラの集団発生の拡大を防ぐことに貢献した彼らですが、2年間給料が支払われていません。

 そしてなお、紛争は続いています。

 ホデイダでは、この2週間に5,000家族が家を追われました。現地にいるユニセフのチームからの報告によると、サヌア市の商店やパン屋、飲食店のほとんどが閉店しており、市場への物資の供給が制限されています。小麦粉、植物油、および調理用ガスを含む基本的生活必需品の供給が減少しています。この1週間で、小麦と植物油の価格が30%、調理用ガスは50%上昇しました。電気は市街地のほとんどで供給されず、水道管の損傷により深刻な水不足が起きています。 
 

ホデイダでユニセフ支給の人道支援物資を受け取った女の子。(2018年6月30日撮影) © UNICEF_UN0219931_ホデイダでユニセフ支給の人道支援物資を受け取った女の子。(2018年6月30日撮影) © UNICEF_UN0219931_

 ユニセフが、25万人の女性と子どもを支援するためにジブチから海路で輸送した、抗生物質、パラセタモール、葉酸を含む50トン以上の医療物資は、木曜日にホデイダに到着しました。今回の輸送の前にも、ホデイダでの戦闘が始まる前に、ユニセフは保健センターが必要とする医療物資を補充し、妊産婦、新生児や子どもを含む50万人が基本的保健サービスを受けられるようにしました。

 他の地域と同様に、いまだかつてないほど緊急に和平が求められています。紛争当事者と彼らに影響を持つ者は、国内全土におけるこれ以上の事態の悪化を防ぎ、和平交渉を再開するために行われている外交努力を支持すべきです。

 また、希望する家族が安全に避難できること、学校、病院や水道施設などの市民インフラの安全が維持されることが必要不可欠です。そして、これだけ規模の大きな人道危機においては、必要とする人々に支援を届けるために、人道支援組織が支援チームを迅速かつ滞りなく派遣できなければなりません。

 いかなるときでも、子どもたちを地雷、徴兵・徴用、搾取や攻撃から守ることを最も優先しなければなりません。

 ユニセフは現地で活動を続けています。アデン、サヌア、イブ、ホデイダ、そしてサアダに250人以上の職員を置いています。そのほとんどはイエメン人で、戦闘地での日々の生活の苦難に奮闘しながら、子どもたちを守るために活動しています。今年に入って、ユニセフは、非営利および政府のパートナー団体と協力して、以下の活動を実施しました。
  • 弱い立場にある家族の購買力を高めることを目的とした世界銀行との共同イニシアティブの下、約900万人に現金給付支援を実施。
  • 公営の水道の修復を通じて、460万人に安全な水を供給。
  • 重度の栄養不良に陥った5歳未満児約8万人に対して治療を提供。
  • 約50万人の子どもに対してプライマリーヘルスケアを提供。

 私たちは、イエメンの子どもたちと若者に対して、出来る限りのことをしていく覚悟がありますが、紛争の政治的解決が必要です。和平に機会を与える必要があります。そうすることでしか前へ進めないのですから。

* * *

■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 ( www.unicef.or.jp

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本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
-
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