鉄道分野の特定技能人材育成が本格ステージへ~オープンな教育プラットフォームとして、特定技能人材育成研修が始動します~
◯JR東日本では、2025年2月から3月にかけて海外から招聘した人材を対象に「特定技能人材育成研修」を試行的に実施し、研修生25名のうち24名が鉄道分野の特定技能1号評価試験に合格しました。今年度から、本研修の受講者を年間100名規模に拡大し、JR東日本以外の鉄道事業者等も参画可能な教育プラットフォームとして募集を開始します。本研修の実現を踏まえ、鉄道分野の特定技能2号への追加を目指し、特定技能人材が活躍する環境を整えていきます。
○さらに、JR東日本では、「勇翔2034」の実現に向けて、本研修をはじめ、JR東日本グループ及び鉄道業界の未来を創造していく総合的な人材育成プログラムを展開していきます。そのための学びの場として、JR東日本総合研修センター敷地内に新研修棟を建設します。
1.特定技能人材育成研修について
(1)概要
JR東日本グループは鉄道業界全体のサステナブルな事業運営に貢献するため、2025年2月から3月にかけて試行的に実施した特定技能人材育成研修を本年度100名規模で本格始動させるとともに、この研修プログラムの門戸を広くJR東日本以外の鉄道事業者に開きます。
なお、本年6月26日、JR東日本において技能実習生として就労していた人材から鉄道事業者初の特定技能人材3名が誕生しました。

(2)運営体制、就労までの流れ
JR東日本が実施主体となり、研修全体のコーディネートや研修生の受入れ、研修生の日本滞在中のサポート、研修生の受験手続支援等を担う(一社)海外鉄道技術協力協会(JARTS)、研修講師等を担う(株)JR東日本パーソネルサービス(JEPS)、研修生の母集団形成を担う送り出し機関や登録支援機関など、様々な機関と連携して研修を運営します。

研修生は研修受講前に、JR東日本をはじめ参加企業各社から特定技能1号評価試験合格後の雇用契約締結に向けた内定を取得します。そして試験に合格し、内定している会社と雇用契約締結後、在留資格「特定技能」を取得し、車両・軌道・電気設備のメンテナンス業務に従事することになります。

(3)実施概要
1.実施場所
JR東日本総合研修センター(福島県白河市)
2.対象区分及び募集予定人数
<車両整備区分> 約20名
<軌道整備区分> 約40名
<電気設備整備区分> 約40名
3.スケジュール(予定)
<車両整備区分> 研修:2026年2月23日~3月22日 評価試験:3月下旬頃
<軌道整備区分> 研修:2026年2月27日~3月26日 評価試験:3月27日
<電気設備整備区分> 研修:2026年2月16日~3月15日 評価試験:3月16日
4.申込方法・募集期間
鉄道事業者が、自社グループ及びパートナー会社、協力会社等の採用希望を取りまとめの上、本研修に係る業務を当社より受託するJARTSへ申込むことを基本としますが、自社直轄で事業運営を行っている鉄道事業者や、協力会社等からも申込み可能です。詳細については、JARTS外国人材業務部(電話:03-5684-3179、E-mail:gaikokujinzai@jarts.or.jp)へお問い合わせください。
<第1次募集期間>:2025年7月16日~8月7日
(予定募集人員を超える申込をいただいた場合、参加人数の調整をお願いする場合がございます)
<第2次募集期間>:2025年8月20日~8月29日
(先着順。なお、第1次募集で予定募集人員を上回った場合、第2次募集は行いません)
5.研修参加費用
研修受講者一人あたり30万円(税別)
本研修受講に伴う日本への渡航費(往復)、短期滞在ビザ申請費、日本国内移動のための交通費、研修受講費、教材費、宿泊費、食費、特定技能1号評価試験受験料を含みます。
2.新たな学びの場の建設について
(1) 新研修棟の計画概要
定技能人材育成研修を含む未来創造型総合人材育成の学びの場として、2027年度中(予定)の完成を目指し、JR東日本総合研修センター敷地内に新研修棟の建設を計画しています。新研修棟をこの象徴と位置づけ、最新技術と高い環境性能を備えた最大100名の宿泊研修が可能な建物とする計画です。具体的な内容がまとまりましたら、別途公表する予定です。

(2)未来創造型総合人材育成プログラム(※)について
※グループ経営ビジョン「勇翔2034」の「LX(ライフスタイル・トランスフォーメーション)を実現するための中長期施策」のひとつに掲げている新人材育成プログラム。
JR東日本グループが積み重ねてきた技術・技能や人材育成の力を活かし、加速度的な経営環境の変化に対応し、グループのサステナブルな成長を実現するとともに、広く鉄道業界全体の技術者確保等に貢献するプログラムです。特定技能人材育成研修に加え、鉄道技術者育成と次世代リーダー育成の3つのプログラムを検討しています。(1)及び(2)はJR東日本グループ以外の他の鉄道事業者からの受講を可能とします。
(1)特定技能人材育成:鉄道業界の特定技能人材の安定確保に向けた基礎技術教育
(2)鉄道技術者育成 :主として過去に専門的技術教育を受けていない人材を対象とした、技術分野の初期教育を通じた鉄道技術者の育成
(3)次世代リーダー育成:JR東日本グループにおける次代の経営リーダーの育成
【別紙1】<特定技能人材育成研修トライアル(2025年2月~3月)の概況>
・ インドネシアとベトナムから25名の研修生を日本に招聘し、区分毎に4週間の研修を実施しました。
・研修修了者25名のうち24名が3月に行われた特定技能評価試験に合格しました。
・車両整備区分の合格者5名についてはJR東日本と雇用契約を締結し、8月頃に来日してJR東日本に入社、東京総合車両センターに配属する予定です。
・軌道整備区分の合格者11名、電気設備整備区分の合格者8名については、それぞれJR東日本の協力会社等と雇用契約を締結し、8月頃に来日し、各社に入社する予定です。

【別紙2】<鉄道事業者初の特定技能人材誕生について>
(1)対象者
・2025年6月26日、JR東日本にて鉄道事業者初の特定技能人材3名が誕生しました。彼らはいずれも「JR東日本Technical Intern Training」で来日したベトナム国籍の男性です。
・彼らは2022年6月26日に来日し、同年8月1日にJR東日本入社、大宮総合車両センターにて冷凍空気調和機器施工職種で3年間の技能実習に従事し、良好に修了しました。
・技能実習中は必須作業として鉄道車両の冷房装置のメンテナンス業務に、関連作業として鉄道車両の台車・輪軸のメンテナンス業務等に従事しました。
・2025年3月15日に行われた特定技能1号評価試験(車両整備区分)に合格し、6月26日に在留資格を「特定技能」へと切り替え、鉄道分野の特定技能人材として就労可能になりました。
(2)配属箇所
大宮総合車両センター
(3)「JR東日本Technical Intern Training」の実施状況
・JR東日本ではこれまで「冷凍空気調和機器施工」「鉄道施設保守整備」「鉄道車両整備」の各職種にて、累計38名の技能実習生を受け入れてきました。
・3年間の技能実習を修了した実習生のうち、本人意向と会社意向が合致した場合は、今後も同様に特定技能に移行して継続就労を可能とするべく、実習生の長期キャリアプランに伴走していきます。

「JR東日本Technical Intern Training」の実施状況一覧

【参考】<関連するこれまでのプレス>
◆「JR 東⽇本 Technical Intern Training」を始動します︕ 〜アジアを中⼼とした国際鉄道⼈材の育成について〜 [2019年2月5日]
https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190201.pdf
◆「JR 東日本 Technical Intern Training」実習分野を拡大します! ~保線分野(鉄道線路のメンテナンス)での技能実習を開始~ [2022年12月12日]
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221212_ho01.pdf
◆外国人技能実習生 タイから鉄道車両整備職種で初の受入れ ~「JR 東日本 Technical Intern Training」の拡大~ [2024年2月6日]
https://www.jreast.co.jp/press/2023/20240206_ho01.pdf
◆JR 東日本の技能実習生にインドネシア、ベトナムから新たな仲間が加わります ~JR 東日本 Technical Intern Training 3 カ国に拡大~ [2024年6月27日]
https://www.jreast.co.jp/press/2024/20240627_ho01.pdf
◆外国人特定技能人材の育成で鉄道をサステナブルに ~鉄道分野で就労する特定技能人材を育成する研修を実施します~ [2025年2月4日]
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