凸版印刷、「春日若宮おん祭」ゆかりの屏風を複製し、春日大社で一般公開
江戸時代の絵画作品の原寸複製品をゆかりの地で鑑賞することで、歴史的な信仰や祭礼の意義や、文化の理解を促進
春日大社は所有する354点の国宝をはじめとする文化財の公開を行い、日本の文化伝統をより広く伝えることや文化継承の取り組みを積極的に進めています。このたび、春日大社の摂社である若宮の第43次式年造替(令和3・4年)にともない、凸版印刷は春日大社の文化財の保護・継承する取り組みに協力し、「春日若宮御祭図屏風」の複製を製作し奉納することとなりました。
今回複製を行った「春日若宮御祭図屏風」は、春日大社で約900年間途絶えることなく毎年斎行されている「春日若宮おん祭」を江戸時代(17~18世紀)に狩野柳雪が描いた作品で現在は出光美術館に所蔵されています。本図には、おん祭の中心となるお渡り式の行列の全貌が記録的に描写されながら、参詣客を加え、人々が生き生きと表現されています。
本複製が、春日大社の重要文化財である若宮神楽殿に展示公開されることで、作品のモチーフとなったその現地で、参拝者がこの江戸絵画を鑑賞することが可能になります。若宮への信仰や祭礼の意義と、当時の文化への理解を促進します。
凸版印刷は長年にわたり、文化財のデジタルアーカイブやそのデータの活用を通じて文化の魅力を広く伝えることに取り組んでおり、最先端の印刷技術を活用した文化財の高品位複製の開発を行っています。今後も文化財を保護・継承する技術や枠組みを開発し文化財保全に貢献します。
■ 「春日若宮御祭図屏風」複製
・ 仕様
〔寸法〕:六曲一双(161.3cm×372.2cm)
〔本紙〕:原寸大/プリマグラフィー(※3)に金箔仕上げ
〔表具〕:日本産杉(カシュウ塗装)/和紙・布貼り/真鍮
・ 製作:凸版印刷(株)
・ アーカイブデータ提供:出光美術館
■ 凸版印刷のデジタルアーカイブについて
凸版印刷では人類のかけがえのない資産である文化財の姿を後世へ継承するため、印刷テクノロジーで培った色彩を管理する技術と高精細画像データ処理技術、形状をデジタル化する立体形状計測技術を核に、より精確なデジタルアーカイブを行うため、文化財専用の大型オルソスキャナーを開発するなど、技術開発を積極的に進めています。これまでに、国宝「鑑真和上坐像」(唐招提寺所蔵)、国宝「檜図屏風」(東京国立博物館所蔵)など、国内外の数々の貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組んでいます。さらに、重要文化財「東征伝絵巻」(唐招提寺所蔵)や重要文化財「風神雷神図屛風」など文化財の高品位複製やVR作品の製作など、デジタルアーカイブデータのさまざまな表現手法の開発を推進しています。
URL: http://www.toppan-vr.jp/bunka/
※1 「春日若宮おん祭」
春日大社に若宮が創建された翌年となる保延2(1136)年、時の関白である藤原忠通公により始まり、大和一国を挙げて執り行われる大祭として約900年間、途絶えることなく連綿と続いています。12月17日の日中に行われる「お渡り式」は1,000人に及ぶ人々の参勤奉仕があり、加えて50頭もの馬が加わる一大行列です。続いて御旅所の芝舞台で奉納される数々の神事芸能は8時間に及ぶ大芸能絵巻として有名です。おん祭は国の重要無形民俗文化財に指定され、日本芸能史のタイムカプセルとされています。
※2狩野柳雪
江戸時代に活躍した狩野派の日本画家。京都御所、江戸城本丸及び西ノ丸などで障壁画を制作した。
※3:プリマグラフィー
アメリカにて版画製作の技法として登場したジークレー技法と、凸版印刷が製版・印刷で培ったカラーマネジメント技術を融合させたものです。美術版画製作の世界において、シルクスクリーン、リトグラフと並ぶ新たな技法として定着しています。
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以 上
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