<森永乳業クリニコ×キャンサーペアレンツ>3年ぶり共同調査:がんの栄養管理に関する食事と栄養についての意識調査2024
~病院での栄養相談機会が増加し、50%に到達~
森永乳業グループ病態栄養部門の森永乳業クリニコ株式会社は、『一般社団法人キャンサーペアレンツ(以下、キャンサーペアレンツ)』と共同アンケート調査を実施しました。キャンサーペアレンツの会員を対象にした共同アンケート調査「食事と栄養についての意識調査」は、2017年、2021年にも実施しており、今回は3度目の実施です。今回の調査は、がん患者さん及び医療従事者の「食事と栄養について」の意識変化を確認する目的で実施しました。主な調査結果をご報告します。
日本人の2人に1人が一生のうちに罹患すると言われているがん。がんと共存する時代となってきているいま、栄養状態をしっかりと保つことは、がんの治療を無理なく続けられることに加えて、患者さんのQOL向上に寄与することも期待できます。
医療従事者への栄養相談の機会および医療従事者からの栄養補助食品の紹介頻度が増加
がんの治療中に、通院(入院)先の病院に、栄養や食事について「相談する機会があった」という回答の割合は、2021年の調査時はコロナ禍の影響もあってか減少しましたが、今回の調査では、2021年の調査時から8.0%増加し、50%に達しました(図1)。また、「相談する機会がなかった」と回答した方のうち、74%が「相談の機会があれば利用したい」との回答をしており、がんの治療中に食事と栄養に関する相談機会を求めるニーズを確認できました。あわせて、栄養補助食品の紹介を受けた割合は、前回よりも1.5%増加し45.8%となりました。(図2)。令和6年度の診療報酬改定において、例年以上に多くの栄養関連項目が評価されたことも、医療従事者からの「栄養補助食品」の紹介も含めた栄養関連情報の提供機会増加につながった可能性が示唆されました。
Q.がんの治療中に、通院(入院)先の病院に、栄養や食事について相談する機会があったか?
(図1)
Q.栄養補助食品の紹介はあったか?
(図2)
「エネルギー」を重視して摂取する人が増加
がんの治療中に重視して摂取していた栄養素や食材については、2021年の調査時と同様に「たんぱく質」、「乳酸菌」の回答が高い結果となりましたが、「エネルギー」が2021年の調査時と比較して9.8%増加し、最も大きな変化がありました。(図3)。この結果は、医療従事者による低栄養診断・栄養食事指導などを通じて特定の栄養素のみに注目して摂取するのではなく、身体づくりの基礎となるエネルギーを摂取していくことの重要性が広まってきたことも、要因の一つであると考えられます。
Q.がんの治療中に、重視して摂取していた栄養素や食材(複数回答)
(図3)
がん治療サポートの情報収集の機会は少なく 「緩和ケア」3割/「在宅医療」1割
今回の調査から、「緩和ケア」や「在宅医療」に関する設問を初めて設け、どの程度の情報を得られているかを調査いたしました。
がんになると、身体や治療のことだけではなく、仕事や将来への不安、つらさも経験するといわれています。「緩和ケア」は、がんに伴う心と身体のつらさを和らげるためのもので、がん治療の一つと位置付けられています。「がん対策推進基本計画(平成24年6月閣議決定)」においても、「がんと診断された時からの緩和ケアの推進」が重点的に取り組むべき課題とされており、がん患者さんとそのご家族が可能な限り質の高い治療・療養生活を過ごすために、終末期だけでなくがんと診断された時からがん治療と同時にサポートが行われることが求められています。※1
しかしながら、今回の調査では、「緩和ケア」に関する情報を得る機会があった方は3割程度にとどまっていました(図4)。医療従事者から「緩和ケア」という言葉を用いられずに、緩和ケアについての情報を得られている可能性はありますが、まだまだ情報が不足しているものと思われます。
※1:出典:厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_kanwa.html
また、がん治療をサポートする選択肢の一つである「在宅医療」に関する情報を得る機会も1割程度の方にとどまっている状況がわかりました(図5)。今回のアンケートの対象者にとって、今すぐ必要な情報ではなかったことも今回の結果の要因の一つであると思われますが、事前に知っておくことによってご本人やご家族にとってもその後の選択肢が広がるため、今後の課題であるのではないかと感じました。
Q.治療中に「緩和ケア」に関する情報を得る機会
(図4)
Q. 治療中に「在宅医療」に関する情報を得る機会
(図5)
弊社考察
今回の調査では、栄養相談をする機会があった割合は、2021年の調査時から8.0%増加し、50%に達したことが示されました。これは、患者さんが食事と栄養に関して相談できる機会を求めている状況だけではなく、例年以上に多くの栄養関連項目が評価された診療報酬改定などの外部環境や医療従事者の意識変化もあってのことであると推察されます。がん患者さんの不足しがちな栄養素を補うために、日々のお食事に栄養補助食品を上手に組み込むことも選択肢の一つです。がん患者さんのQOL向上のために、栄養補助食品がより身近な存在となるよう、適切な情報提供の必要性を感じています。
また、今回より「緩和ケア」「在宅医療」を調査項目に加えましたが、これは、弊社が共催した「在宅緩和ケア」に関するセミナー※2をキャンサーペアレンツの方にご紹介した際に、「緩和ケア」や「在宅医療」に関する情報を得られていない、という声があったことがきっかけでした。実際に調査をしてみた結果、「緩和ケア」「在宅医療」ともにまだまだ情報を得られていない状況が明確になりました。がんと共存する時代となってきているからこそ、早い段階から必要な情報を入手できる環境を整えていくことの重要性を再認識させられました。栄養補助食品を扱うメーカーとして、医療従事者の方々とより深くコミュニケーションを図り、これまで以上に患者さんまで必要な情報をお届けできるように努めることで、その人らしい生活を長く過ごせるための一助になれば幸いです。
※2 「在宅緩和ケア」に関するセミナー『THE LAST 100DAYS プロジェクトセミナー』
がん患者さま・介護されているご家族向けに、がん終末期の方が最期まで、自宅で豊かに過ごすことができる在宅緩和ケアを紹介。
主催:碧水会在宅医療アカデミー
共催:株式会社シーユーシー、森永乳業クリニコ株式会社
https://www.clinico.co.jp/news/the_last_100days20240523.html
<調査概要>
【標 題】 がん患者さんの食事と栄養に関する意識調査
【調査主体】 森永乳業クリニコ株式会社/一般社団法人キャンサーペアレンツ
【調査対象】 キャンサーペアレンツ会員 30~60歳代 全国男女118名
【調査期間】 2024年7月2日~7月26日
【調査方法】 インターネットによるアンケート調査
<2021年時点:調査>
【対 象 者】 キャンサーペアレンツ会員30~60歳代 全国男女231名
【調査期間】 2021年1月16日~1月31日
【リリース】 https://www.clinico.co.jp/pdf/news/20210416.pdf
<2017年時点:調査>
【対 象 者】 キャンサーペアレンツ会員20~60歳代 全国男女256名
【調査期間】 2017年8月24日~9月16日
【リリース】 https://www.clinico.co.jp/pdf/news/20180131.pdf
<一般社団法人キャンサーペアレンツについて>
キャンサーペアレンツは、子育て世代、働く世代のがん患者の「声」を世の中へ発信し、がんになっても生きていきやすい社会の実現に向けて、活動を行っています。
【HP:https://www.cancer-parents.org/】
<森永乳業クリニコ株式会社について>
森永乳業クリニコ株式会社は、1978年に設立以降、通常の食事だけでは体に必要な栄養を満たすことができない方のための食品を開発・販売しています。入院されている方、老人ホームや介護施設に入居されている方、ご自宅にお住まいになっている方、どなたもご使用いただけるよう、医療・介護施設向けの販売や、森永乳業の通信販売など幅広く展開しています。※2024年3月1日付で社名を株式会社クリニコから森永乳業クリニコ株式会社へ変更いたしました。
<お客さまからのお問い合わせ先>
通話無料:0120-52-0050 受付時間:平日10:00~16:30
ホームページ:https://www.clinico.co.jp/
d21580-1193-02768d92010cc97148f76addb7e9a9d7.pdfこのプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
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