「恐ろしくも幸福な虚構」星野智幸が描く異色の11編 『植物忌』5月7日発売
朝日新聞出版では、2021年5月7日(金)に星野智幸さんの新刊『植物忌』を発売いたします。本書は、著者が10年以上にわたって書き続けてきた「植物」を題材にした珠玉の短編に、書きおろし作品を加えた11編からなる小説集です。
植物へ植物へ、ヒトが溶けて滲み出す。これは多方向的で悦ばしい『変身』の群。
――いとうせいこうさん推薦!
草木を皮膚に植えるうちに人間が植物化していく「スキン・プランツ」、お花見に出かけた恋人たちが桜の木にのみ込まれていく「桜源郷」、喋る植物の作出によって逆に人間が言葉を失っていく「喋らん」など、人間と植物の境界が曖昧になっていく虚構が描き出されています。人間としての存在が溶け出していく様には恐ろしさがありますが、同時に言葉にできない多幸感も漂います。
また、装画は新進気鋭の若手画家・瀬川祐美子さんに担当いただきました。本書の世界観からインスピレーションを得て描かれた完全新作です。装幀家・鈴木千佳子さんとのコラボレーションによるブックデザインにもぜひご注目ください!
■収録作品
避暑する木/ディア・プルーデンス/記憶する密林/スキン・プランツ/ぜんまいどおし/植物転換手術を受けることを決めた元彼女へ、思いとどまるよう説得する手紙/ひとがたそう/始祖ダチュラ/踊る松/桜源郷/喋らん
・あまりの種― あとがき
■星野智幸 (ほしの・ともゆき)
1965年、米ロサンゼルス生まれ。早稲田大学卒。新聞社勤務を経て、97年、『最後の吐息』が文藝賞を受賞しデビューする。2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、03年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、11年『俺俺』で大江健三郎賞、15年『夜は終わらない』で読売文学賞、18年『焔』で谷崎潤一郎賞を受賞。ほか『植物診断室』『呪文』『未来の記憶は蘭のなかで作られる』『のこった もう、相撲ファンを引退しない』『だまされ屋さん』など著書多数。
≪イベント開催も決定!≫
星野智幸(作家)×瀬川祐美子(画家)×山﨑のりこ(ショコラティエ)
『植物忌』とアートとショコラの展覧会「光合成しちゃう?」
小説から生まれたアート作品とショコラを一緒に味わう展覧会です。
会 期:2021年5月27日(木)~6月1日(火)12~19時
会 場:HYPERMIX(門前仲町)8階 入場料:500円(ショコラ1粒付き)
- 5月29日(土)には3名によるトークイベント(参加料1000円)も行います。詳細とチケットのご購入は https://bit.ly/3sB8KOx よりご確認ください。
『植物忌』
著者:星野智幸
定価:1760円(本体1600円+税10%)
発売日:2021年5月7日(金曜日)
https://www.amazon.co.jp/dp/4022517603
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