イエメン:悪化する子どもたちを取り巻く環境~今こそ、子どもたちに恒久的な平和を【プレスリリース】
ユニセフ事務局長声明
【2018年9 月5日 ニューヨーク 発】
イエメンの紛争当事者が初めて和平交渉にのぞむ中、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは、子どもたちの保護を交渉の中心に据えるよう求める声明を発表しました。
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イエメンの国連チームによると、紛争の犠牲になった子どもの数は7月だけで21人に上りました。8月に入って最初の2週間にはさらに55人が犠牲になりました。紛争開始から3年以上が経過してなお、イエメンの子どもたちの状況は良くなるどころか、さらに悪化しています。
イエメンの社会サービスはほとんど機能しておらず、国全体が崩壊寸前の状況にあります。公務員のほとんどは約2年間にわたり給料が支払われていません。紛争前から脆弱だった水道、学校や医療施設などの社会インフラ施設は、攻撃を受けています。
生活必需品も圧倒的に不足しています。
このように社会サービスが機能不全に陥ったとき、最初に苦しむのは、保健、教育、および保護分野の必要なサービスを受けられない子どもたちです。
今すぐ私たちが行動しなければ、この紛争の影響は、私たち全員を何世代にもわたって悩ませることになるでしょう。たとえ今日紛争が終結したとしても、この国が復興するまでには何年もかかります。
紛争開始から3年が経過して初めて開催される和平交渉会合に参加予定のイエメンのすべての紛争当事者および彼らの同盟国に対して、交渉の議論と合意の中心に子どもの保護を据えるよう求めます。
特に紛争当事者に対しては、迅速かつ無条件に以下のことを実施するよう求めます。
- 必要とするすべての子どもたちに支援を届けられるよう、人道原則に則り、また国際人道法および国際人権法を遵守し、妨げられることのない安全な人道支援活動を保証すること
- 子どもたちを保護すると同時に、一般市民および社会インフラ施設に対する空爆や攻撃を止めること
- 紛争における子どもの徴兵・徴用を止め、武装勢力・グループと関係している子どもたち全員を解放すること
- 反政府武装グループとの関係が疑われて拘束されている場合も含め、子どもの行政拘留および拘束を中止し、治安に関連した容疑で拘束されているすべての子どもたちを釈放し、彼らの社会復帰に必要な支援を提供すること
イエメンの子どもたちは、傷を癒す必要があります。彼らは正義を必要としています。そして今こそ、恒久的な平和を必要としています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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