コンゴ民主共和国:エボラ出血熱で親・保護者失った子ども155人【プレスリリース】
多くが学齢期、偏見に晒されることも
【2018年9月21日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ダカール(セネガル)/ニューヨーク/ジュネーブ 発】
ユニセフとパートナー団体は、コンゴ民主共和国東部における最近のエボラ出血熱の集団感染の影響で、孤児となったあるいは保護者がいなくなった子どもを155人確認しています。この数字には、エボラ出血熱により片方あるいは両方の親あるいは主な保護者を亡くした子どもたちと、親がエボラ治療センターに隔離されていて保護者不在になった子どもが含まれます。
エボラ出血熱により親を亡くした子どもたちは、大切な人や主な保護者を失うことに加えて、コミュニティから偏見の目を向けられ、孤立し、また見捨てられるリスクに直面しています。このような子どもたちは、親が治療を受けるために子どもだけで生活することを強いられた上に、特に弱い立場に置かれており、ユニセフは彼らの健全な生活を憂慮しています。
「親あるいは大切な人を亡くすということは、子どもにとって深く悲しい経験です」とユニセフ・コンゴ民主共和国事務所代表のジャンフランコ・ロティグリアーノは述べました。「私たちの使命は、エボラ出血熱の影響を受けるすべての子どもたちを守り、支援することです。感染が拡大する中、私たちは今後もパートナー団体と協力して、子どもたちの身体的、感情的、精神的な健康を支えていきます」
ユニセフは、孤児となったあるいは保護者不在の子どもたち一人ひとりの特定のニーズに合わせた支援をしています。母親を失った新生児が必要とするケアは、学齢期の子どもが必要とするケアとは違います。ユニセフによる孤児となったあるいは保護者がいなくなった子どもたちへの支援の多くに含まれるのは、心理社会的ケア、食料や物資の支援、そして学校への復学支援です。
孤児となったあるいは保護者不在の子どもの112人は学齢期で、ユニセフとパートナー団体は子どもたちを復学させる活動を行っています。
「孤児、あるいは保護者不在の子どもたちにとって、学校に戻ることが必要不可欠です」とロティグリアーノは言います。「学校は安定、コミュニティへの帰属意識、将来への希望を与えてくれるのです」
コンゴ民主共和国で発生しているエボラ出血熱は、子どもたちに、特に病気で孤児となったあるいは保護者がいなくなった子どもたちに、被害を与えています。ユニセフとパートナー団体はエボラの集団感染が確認されて以降、以下の活動をおこなっています。
- 孤児、あるいは保護者不在の子どもたちが必要とする特別な支援を迅速に確認し、支援を提供するために、心理社会専門家219人を養成
- エボラ出血熱の影響を受けるベニ(Beni)、マンジナ(Mangina)、マケケ(Makeke)およびブテンボ(Butembo)で確認された孤児あるいは保護者不在の子ども155人に対して食料と心理社会ケアを提供
- エボラ出血熱の影響で孤児となったあるいは保護者が不在の学齢期の子ども112人に対して、学用品と制服を支給し、学費を支援
- 孤児あるいは保護者不在の子どもたちを支援するために、エボラ治療センターに栄養士7人を配置
- エボラ出血熱の影響を受ける子どもたちの復学を支え、偏見の目で見られることがないように、326校の学校の管理者および教員3,163人に対して啓発活動を実施
ユニセフは、今後もエボラ出血熱の感染が広がる中、影響を受ける子どもたちを見守り、心理社会的ケアおよび支援物資の提供を続けていきます。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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