コンゴ民主共和国:エボラ感染者の3分の1以上が子ども-親や保護者を失った子ども400人【プレスリリース】

ユニセフ、子どもを中心としたエボラ対策求める

公益財団法人日本ユニセフ協会

 

コンゴ民主共和国で起きた暴力によって数年前に母を失い、伯母に育てられていた子どもたち。しかし伯母もエボラ感染で死亡し、孤児になった。今は一番上の姉(18歳)が父親と母親代わりとして子どもたちの面倒を見ている。© UNICEF_UN0237336_Nyboコンゴ民主共和国で起きた暴力によって数年前に母を失い、伯母に育てられていた子どもたち。しかし伯母もエボラ感染で死亡し、孤児になった。今は一番上の姉(18歳)が父親と母親代わりとして子どもたちの面倒を見ている。© UNICEF_UN0237336_Nybo

 

【2018年12月11日 キンシャサ(コンゴ民主共和国)/ダカール(セネガル)/ニューヨーク/ジュネーブ 発】

 


コンゴ民主共和国東部のエボラ出血熱の集団感染の影響を受ける地域において、症例の3分の1以上が子どもであると、ユニセフ(国連児童基金)は本日発表しました。症例の10件に1件は5歳未満児であること、またエボラに感染した子どもはおとなよりも死に至る危険性が高いことも併せて報告しています。

「エボラ出血熱に感染した子どもの数が増加していることに、深く憂慮しています」と現在のエボラ出血熱の集団感染の中心地であるベニ(Beni)訪問から戻ったユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは述べました。「エボラ出血熱に感染した子どもは、専門的な保健施設で治療を受けるのが早ければ早いほど、生存の可能性は高くなります。エボラ感染の早期発見とエボラ治療センターへの迅速な搬送を確実なものとするために、コミュニティの動員と啓蒙活動が必要不可欠です」

予防対策に関する認識向上と、生存率を劇的に高められる早期治療の促進には、さらなる努力が必要です。

エボラ出血熱の集団感染の子どもへの影響は、子ども自身が感染した場合だけではありません。親あるいは保護者がエボラ治療センターに隔離されたり、感染によって亡くなることで、子どもがひとり取り残されるといった影響もあります。ユニセフはパートナー団体と協力して、集団感染の影響で、孤児となったあるいは保護者がいない子どもを、これまでに400人確認しています。親や保護者と離ればなれになった子どもの数の増加は、現在のエボラ出血熱感染の中心地であるベニ(Beni)とブテンボ(Butembo)にあるエボラ治療センターで治療を受ける患者数の多さとも関連しています。

ユニセフはエボラ出血熱に感染した子ども、孤児となったあるいは保護者がいなくなった子どもに対して、栄養ケアや心理社会的ケア、教育支援を含む、子どもたちのニーズに適した支援を提供しています。ユニセフはパートナー団体とも協力して、ベニのエボラ治療センターの隣に幼稚園を開設し、親が治療センターに隔離された幼い子どもたちを受け入れ、支援を提供しています。11月初旬の開設以来、この幼稚園では、8歳以下の乳児や幼い子ども20人以上を受け入れてきました。

ポワリエはベニで、エボラ対策に取り組む政府当局、国連機関およびNGOなどのパートナー団体と合流しました。「子どもたちはエボラ出血熱の集団感染のために大変苦しんでいます。エボラで親や保護者を失った子ども、そしてエボラに感染した子どもの両方です」とポワリエは言いました。「そのために、エボラ対策の中心に子どもを据えることが必要なのです」

ユニセフとパートナー団体はエボラ出血熱の集団感染が確認されて以降、以下の活動をおこなっています。

 エボラ出血熱の集団感染の影響を受ける子どもがいる家庭520世帯に対して、心理社会的ケアならびに支援物資を提供
  • エボラ出血熱に感染している、あるいは感染が疑われる子ども421人に、心理社会的ケアを提供
  • 学校で9万1,000人の子どもを対象に、エボラ出血熱の予防に関する情報を提供
  • 学校の教員4,310人に対して、エボラ出血熱に関する情報を提供
  • エボラ出血熱への感染リスクが高い地域の学校444校に、手洗い施設を設置
  • エボラ出血熱の集団感染の影響を受ける地域の住民675万3,000人以上に対して、エボラ対策に関する情報を提供
  • エボラ出血熱の集団感染の影響を受ける地域の住民88万9,440人に対して、水へのアクセスを提供

ユニセフはエボラ出血熱の集団感染の影響を受けるベニ(Beni)、ブテンボ(Butembo)、マンジナ(Mangina)、およびマケケ(Makeke)において、専門家50人以上とともに活動しています。

エボラ治療センターで働く医療従事者たち。エボラ患者に接触した後、感染予防のために念入りに消毒をしている。© UNICEF_UN0235950_Nyboエボラ治療センターで働く医療従事者たち。エボラ患者に接触した後、感染予防のために念入りに消毒をしている。© UNICEF_UN0235950_Nybo


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本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
■  本信の原文は、こちらのURLからご覧いただけます>  http://bit.ly/2LcQNlm

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■   ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■   日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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