イラク:洪水と厳寒に晒される子どもたち。ユニセフ、16万人以上に冬服を提供【プレスリリース】
【2018年12月10日 バグダッド(イラク)発】
イラクのヤジディ教徒であり性暴力の被害者であるナディア・ムラド氏がノーベル平和賞を受賞したことを受け、ユニセフは、イラクの何十万人もの子どもたちの窮状に対して関心を寄せるよう呼びかけています。イラクでは、広範囲で発生している洪水と凍えるような寒さによって、避難民の子どもたちの命が脅かされています。
「信じ難いほどの体験を経て、人権活動家として活動するナディア・ムラド氏を、世界が称賛しています。一方で、常に心にかけておくべきは、イラクには厳しい状況に置かれた多くの子どもたちがいて、たとえ最悪の状況は過ぎ去ったとしても、今なお支援を必要としているということです」とユニセフ・イラク事務所代表のピーター・ホーキンスは述べています。
イラクの冬は厳しく、ヤジディ教徒の大半の人々や国内避難民の子どもたちが暮らす北部地域では、雨や雪が降って気温は氷点下になることもあります。避難している家族の多くは、暖房設備も乏しい荒廃した家屋か、寒さから身を守ることがほとんどできない避難民キャンプで、貧困ライン未満の生活を送っています。子どもたちを暖めるための燃料や冬用衣服を手に入れることもできません。
「壊滅的な被害をもたらしている洪水によって、この冬は、避難民の子どもたちにとってさらに厳しいものになっています。避難民の子どもたちは低体温や呼吸器疾患になるリスクが極めて高いのです。ひとりの子どもも、こうしたリスクに晒されることがあってはなりません。すべての子どもが暖かい居場所で健康に育つ権利があるのです」(ホーキンス代表)
ユニセフは、シンジャル(Sinjar)、アルビル(Erbil)、ドホーク(Dohuk)、アンバール(Anbar)、ニナワ(Ninawa)、ディワニヤ(Diwaniya)、バスラ(Basra)、サラハッディン(Salaheddin)、バクダッド(Baghdad)、スレイマニヤ(Suleimaniah)において、およそ16万1,000人の子どもたちを対象に、ブーツ、マフラー、帽子などの冬用衣料を、現金給付も含めて支援しています。
ユニセフはこの冬、国内避難民キャンプあるいは支援が届き難い地域で暮らしている、生後3カ月から14歳までの、最も厳しい状況に置かれた子どもたちを対象に、支援を届けています。
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