「アルミニウム車体の水平リサイクルに関する共同研究の基本方針に係る覚書」を締結しました
~アルミニウム車体の水平リサイクルの取組み検討着手~
東京地下鉄株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:山村 明義、以下「東京メトロ」)、メトロ車両株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:留岡 正男、以下「メトロ車両」)、株式会社ホンダトレーディング(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:夏目 達也、以下「ホンダトレーディング」)、日本総合リサイクル株式会社(本社:富山県高岡市、代表取締役社長:高倉 康氏、以下「日本総合リサイクル」)、日軽金アクト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:五百竹 秀夫、以下「日軽金アクト」)、川崎車両株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長執行役員:村生 弘、以下「川崎車両」)、住江工業株式会社(本社:京都府京田辺市、代表取締役社長:小野 博富、以下「住江工業」)は共同で、東京メトロ保有車両におけるアルミニウム車体の水平リサイクル※1を実現するための共同研究の実施に向け、共同研究の基本方針に係る覚書を締結し、検討着手いたしました。
東京メトロにおいては、従来、廃車となる車体のアルミスクラップのカスケードリサイクル※2を行ってきました。本共同研究では、廃車となる東京メトロ保有車両の車体に使用されているアルミスクラップを、ダウングレードさせることなく水平リサイクルし、車両構体の一部や車両内装部品へ循環利用するための技術的なプロセス等の構築に向けた技術検証を、2024年度から2027年度にかけて実施いたします。
本共同研究を通して、貴重な資源であるアルミニウムを循環利用し、より長く使い続けることで、新造車両製造時のCO2サプライチェーン排出量の削減等※3、鉄道業界におけるさらなる脱炭素・循環型社会の実現に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※1 水平リサイクル
同一純度や同一組成の合金に還流させ、純度や合金組成を維持するリサイクル。劣化を抑えるために、厳密な選別・調整が必要。
※2 カスケードリサイクル
不純物量の多い低純度材へダウングレードするリサイクル。性質の劣化・変化を伴うため元の元素に戻ることはないが、素材と
して再利用する。
※3 アルミニウムのリサイクル効果
アルミニウムはボーキサイトから新地金を製造する際に大量のエネルギーを必要とし、CO2を大量に発生させる。リサイクルする際には新地金製造時と比較して、必要エネルギー量3.4%、CO2発生量は2.8%で済むと言われている。
(2023年3月 一般社団法人日本アルミニウム協会LCA調査委員会「展伸材用スクラップ溶解のインベントリ分析報告書」より引用)
「アルミニウム車体の水平リサイクルに関する共同研究の基本方針に係る覚書」の締結 詳細
1. 背景
東京メトロでは現在、国内最大級の約2,700両以上の車両を保有しており、そのすべてがアルミニウム合金を使用した車体を採用しています。
一般的に、アルミニウムは新地金の製造時に大量のエネルギーを必要とし、大量のCO2を発生させますが、リサイクルした場合には新地金の製造時と比べて、CO2排出量の約97%相当を大きく削減させることが可能※1です。
このことから、東京メトロでは、多くの車両を保有し事業活動を展開する企業として、地球規模で拡大する気候変動問題に率先して取り組み、環境負荷の低減を強く推進していくために、これまでも廃車車体のリサイクルを推進してまいりました。
その一方で、水平リサイクルに求められる不純物除去等が技術的に困難であり、これまで東京メトロの廃車車体のリサイクルは、成分管理の比較的容易な鋳造材等へのカスケードリサイクルに限定され、鉄道車両へのリサイクル材の使用用途も限定される状況でありました。
今回、通勤車両における廃車車体の水平リサイクルの実現により、特に強度が必要となる車両構体の一部等へリサイクル材の使用用途を広げることで将来的な鉄道事業におけるCO2サプライチェーン排出量のさらなる削減を目指し、覚書を締結した各社で連携し、本共同研究を実施することとしました。
2. 共同研究内容
廃車となる東京メトロ保有車両の車体に使用されていたアルミスクラップを、ダウングレードさせることなく水平リサイクルし、車両構体の一部や車両内装部品へ循環利用するための技術的なプロセス等の構築に向けた技術検証を2024年度から2027年度にかけて実施いたします。
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