横浜港で船舶の排出ガス可視化サービス「Maritime Emission Portal」を日本の港湾として初めて活用を開始します
DX推進により横浜港のカーボンニュートラルポート形成に取り組みます
横浜市はMEPの活用を通じて、船舶からの排出ガスのより正確な把握に努め、DX推進によるカーボンニュートラルポートの形成に取り組みます。
1 Maritime Emission Portal(MEP)とは
MEPはライトシップ社が開発した海運業における排出ガスと環境への影響を追跡・監視するためのプラットフォームです。
このシステムは船舶の自動識別装置(AIS)のデータとライトシップ社が独自に収集した膨大な船舶情報のデータを組み合わせて、船舶からの排出ガスを正確に把握し、可視化して提供します。システムユーザーは排出ガスの状況を把握し、削減対策を検討することができます。
2 Maritime Emission Portal(MEP)活用の背景など
臨海部の脱炭素化を目指すカーボンニュートラルポートの形成や、海外港湾との連携によりグローバルサプライチェーンの脱炭素化を目指すGreen Shipping Corridor※の形成に向けて、港湾内の船舶から排出されるCO2等の排出ガスを把握し、削減に向けた取組を官民で進めることが求められています。
横浜市は、船舶からの排出ガスの推計にあたり、他港に先駆けて、国際的に採用されている原単位を用いた独自の推計方法を採用して、より正確な排出量の把握に努めてきました。しかし、今後、ロサンゼルス港など海外先進港とGreen Shipping Corridorの形成を進めるにあたり、排出ガスについて定量的な比較ができる態勢を整えて推計値の検証をする必要があると考え、現在活用できる唯一のシステムであるMEPを採用しました。
本システムの活用により得た知見や経験をライトシップ社と共有することで、日本の港湾の脱炭素化に寄与できるように取り組みます。
3 ライトシップ社とは
ライトシップ社(本社:オーストラリア・メルボルン)は世界の海運業界の業務改善を推進するために2001年に設立されました。ESGにフォーカスした世界有数のデジタル海事プラットフォームであり、グローバルな安全性、持続可能性、社会的責任の実践に関する専門知識を提供しています。現在では800社以上の顧客がライトシップ社のデューデリジェンス、環境、検査サービスを利用しており、リスク管理と全体的な海上安全基準の向上を支援しています。(www.rightship.com)
ライトシップ社 日本担当 山田 優 コメント
ライトシップのMEPは、「AIS(船舶動静データ)」と「20年以上かけて蓄積したライトシップの船舶インサイトデータ」を統合したソリューションで、既に世界中で使用されています。このツールは、2030年までに温室効果ガス排出量を2008年比で20~30%削減するというIMO MEPC 80の目標達成に向けた取組において、港湾やターミナルにとって重要な環境負荷削減の懸念分野や機会の特定を可能にします。
具体的には、港を航行・錨泊・停泊している船舶・オフショア船・タグオペレーションからの温室効果ガス(C02、CH4、N20)及び大気汚染物質(SOx、NOx、VOCs、PMs)の排出を可視化し、どの船舶がどの状態で何をどれだけ排出したのか等の詳細を表示し、表や報告書の形式で出力が可能です。
設定や立ち上げ作業は港湾側からいただいた情報に基づきライトシップが行い、システムは常に自動でアップデートされるため、港湾側の皆様の一切の労力や時間の負担なく海上からの全排出の把握を可能にするOne Stop Solutionです。
これにより横浜港は、効果的な脱炭素化戦略の正確な測定、特定、実行が可能になります。
今後とも、イニシアティブのある港湾の皆様のお役に立てるのであれば幸甚です。
※Green Shipping Corridorとは、海運業と港湾経営の脱炭素化にあたり、新たに提唱された考え方で世界的に普及が進んでいます。港湾を結ぶ航路に新たな技術を導入し、官民の連携による取組や政策を通じて、海運や港湾活動による温室効果ガス等の削減を促進する取組のことです。
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