LEO/MEO(※2)衛星通信アンテナの性能測定が可能な電波暗室を新設
CATR(Compact Antenna Test Range)方式として国内最大級(※1)となる口径80cmのアンテナまで対応。当社・幕張事業所に設置し、衛星通信アンテナの開発を加速
シャープは、衛星通信アンテナの開発を行う当社・幕張事業所(千葉県千葉市)に、LEO(低軌道)/MEO(中軌道)衛星通信アンテナの性能測定が可能な電波暗室を新設し、明日9月12日より運用を開始します。遠距離通信の電波特性を疑似的に短距離で測定できるCATR(Compact Antenna Test Range)方式を採用した電波暗室としては、国内最大級となる口径80cmのアンテナまで対応しています。本暗室は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)からの助成を受けて設置しました。(JPJ012368G50501)
衛星通信アンテナの開発には、アンテナの指向性や感度、信号の品質などについて設計通りの性能が発揮できているかを、外部の電波の影響を受けない環境で正確に測定・確認することが不可欠です。今回設置した電波暗室は、CATR方式を採用。天井・壁・床の6面を電波吸収材で覆うことで電波の反射を抑え、パラボラ反射鏡を用いることで、短距離での測定を実現しました。一般的な電波暗室では、口径80cmの衛星通信アンテナの性能を測るには、60m以上の幅の空間が必要ですが、本方式を採用することにより、わずか約7mの幅のコンパクトな空間の中で、高精度な測定が可能になりました。本暗室を開発拠点内に設置することで、試験や測定を迅速に行い、商品化に向けた開発スピードを加速してまいります。
さらに、本暗室は、衛星通信用途のKu/Ka(※3)帯のほかに、6Gの周波数帯として注目されるFR3(6-24GHz)帯の測定にも対応。次世代スマートフォンなど、さまざまな製品の試験や技術検証にも活用してまいります。
加えて、今般、同事業所内にある「SHARP Local 5G Trial Field(※4)」を、ローカル5Gだけでなく衛星通信を含めた次世代通信を活用した新たなソリューションの共創の場「SHARP NEXT GENERATION COMMUNICATION Trial Field 」としてリニューアルしました。将来的には、暗室も組み合わせた共創の場とし、パートナー企業や大学、研究機関などと共に、新たなソリューションの創出に取り組んでまいります。
■ 概 要
■ 主な特長
1.CATR方式を採用。一般的な暗室に比べコンパクトな空間で口径80cmのアンテナを高精度に測定可能
2.衛星通信アンテナの開発を行う幕張事業所内に設置することで、開発スピードを向上
3.Ku/Ka帯や6Gの周波数として注目されるFR3帯など幅広い周波数帯に対応し、衛星通信アンテナに加え、次世代スマートフォンなどの測定も可能
※1 2024年9月11日現在。JAXAの設備を除いて国内最大級。シャープ調べ。
※2 LEO:Low Earth Orbitの略。MEO:Medium Earth Orbitの略。
※3 衛星通信に割り当てられている周波数帯。非静止衛星通信システムの用いる周波数の一例。Ka帯:17.8~18.6GHz/18.8~19.3GHz(宇宙から地球)、27.5~29.1GHz/29.5~30.0GHz(地球から宇宙)。Ku帯:10.7~12.7GHz(宇宙から地球)、14~14.5GHz(地球から宇宙)*周波数帯の出典(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000211013)
※4 ローカル5Gを活用した新たなソリューションの共創の場として2021年に開設。(https://corporate.jp.sharp/news/210203-a.html)
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【ニュースリリース全文】
https://corporate.jp.sharp/news/240911-a.html
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