新たな新幹線専用検測車の開発に着手します ~より安全で安心してご利用いただける新幹線輸送を目指して~
〇JR東日本グループは、グループ経営ビジョン「勇翔2034」に掲げたモビリティ分野における究極の安全の追求のため、AI、DXなどの新技術を活用した新たな新幹線専用検測車を開発し、より安全で安心してご利用いただける新幹線輸送の実現に取り組みます。
〇5方面の新幹線ネットワークを有し、方面毎に編成が異なることから、全方面で共通使用できる専用の検測車を2029年度に導入する予定です。
〇新たな新幹線専用検測車は、同時に開発を行う次期秋田新幹線(E6系の後継車)をベースとして最高速度320km/hに対応した新在直通車両とします。
〇JR東日本グループの社員から新たな検測車のデザイン(カラーリング)を募り、社内の多様なアイデアを未来の鉄道に反映させます。
1.概要
⑴車両形式 E927形
⑵検測開始時期 2029年度予定
⑶検測エリア 東北新幹線、上越新幹線、北陸新幹線、山形・秋田新幹線
⑷最高速度 320km/h

2.主な検測装置
AI、DXの技術を活用し、320km/hでの高速走行での検測に対応するとともに、省人化や遠隔からの無人検測の実現に取り組みます。さらに、営業車と同様に自動運転導入の検討を進めてまいります。以下に、搭載する主な検測装置を紹介します。
⑴軌道変位検測装置(レールの歪みを把握)
現在のEast-iでは、複数のセンサを用いて基準線からレールまでの距離を測定する方式を採用していますが、275km/hを超える速度での検測には対応できないという課題がありました。今後は、床下に搭載した1つの装置にセンサ類を集約した検測方式へと移行し、ALFA-Xで試験開発してきた2次元レーザーによる多点測定を導入します。これにより、より細かく正確なデータの取得が可能となり、高速かつ高精度な検測が実現します。

⑵電車線金具モニタリング装置※(電車線金具の状態を把握)
保守用車からの人力による至近距離検査に代わり、カメラで撮影した画像から電車線金具をAIで検知します。その画像をスクリーニングして電車線設備の良否の判定を行うことで、検査の品質を向上します。

※(公財)鉄道総合技術研究所の開発した技術をもとに検測装置をJR東日本研究開発センターで新規開発
⑶トロリ線状態測定装置※(摩耗、高さ等を把握)
現行のレーザー光のしゅう動面(パンタフラフと接する面)からの反射による残存直径の測定から、スリット光を用いたトロリ線下部形状のカメラ撮影に変更します。取得した画像よりトロリ線の断面形状や位置を把握することで摩耗状態等を高精度に検測します。

※(公財)鉄道総合技術研究所の開発した技術をもとに検測装置をJR東日本研究開発センターで新規開発
3.デザイン(カラーリング)
デザイン(カラーリング)は、JR東日本グループの社員の応募作品の中から選定を行う予定です。デザインの監修は、E10系のデザインを手がけているtangerine社が担当します。選定されたデザインを考案した社員とtangerine社が連携し、2026年夏頃を目指して実車に向けた細部のデザインを仕上げていきます。
4.その他
今回開発する新たな新幹線専用検測車ならびにベースとなる次期秋田新幹線車両の詳細な仕様は、決まり次第、別途お知らせします。
【別紙】現行の電気・軌道総合検測車(East-i)との比較

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