シリア危機最大の国連人道物資輸送~ユニセフ、トラック30台分の支援物資を現地に【プレスリリース】

予防接種、保健・栄養・教育支援物資など提供

冬服の支援物資を受け取り、家に帰る途中の子どもたち。(2019年1月22日撮影) © UNICEF_UN0280490_Al-Issa冬服の支援物資を受け取り、家に帰る途中の子どもたち。(2019年1月22日撮影) © UNICEF_UN0280490_Al-Issa

 

 

【2019年2月15日 ニューヨーク / ダマスカス(シリア)発】

 ヨルダンとの国境に接するシリアの遠隔地ルクバン(Rukban)の国内避難民仮設居住区には、4万人以上が暮らしそのほとんどを女性と子どもたちが占めます。ここで、ユニセフ(国連児童基金)が支援する予防接種員が9日間にわたり、子どもたち数千人に対して予防接種を行いました。

 今回ユニセフ、国連、およびシリア赤新月社が共同で行ったルクバンへの人道支援物資輸送は、8年間に及ぶシリア危機の中で最大規模のものです。118台のトラックのうち30台には、ユニセフの子どもの命を守るための支援物資が満載されています。子どもと母親推定2万人に対する保健・栄養分野の支援物資、4万人以上のための衛生キット、レクリエーション・キット、また子ども8,000人以上のための教科書、文房具、および通学バッグを含む学用品が含まれます。

 「シリア国内のルクバンなど支援を届けるのが困難な場所に暮らす子どもたちは、今も生き残るための闘いを強いられており、手遅れになる前に緊急に人道支援を提供する必要があります」と昨年12月にシリアを訪問したユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは述べました。「今回の人道物資輸送により、最も弱い立場にある子どもたちと家族に対して、彼らが切実に必要としている支援を提供することができました。これは歓迎されるべき一歩ですが、私たちはこれからもすべての当事者に対して、シリア全土の子どもたちへの支援ができるよう、定期的かつ持続的な、制限のないアクセスの許可を求めていきます」

 

アレッポ東部の自宅で、料理をするために火をつける12歳のガーダさん。冬服が足りず、体調を崩すことも多い。(2019年1月22日撮影) © UNICEF_UN0280489_Al-Issaアレッポ東部の自宅で、料理をするために火をつける12歳のガーダさん。冬服が足りず、体調を崩すことも多い。(2019年1月22日撮影) © UNICEF_UN0280489_Al-Issa

 ルクバン地域における保健サービスへのアクセスは極端に制限されています。免許を持った医師はひとりもおらず、医薬品・医療品が不足したクリニックが数カ所あるのみです。昨年12月以降、零下の気温と医療ケアの不足により、少なくとも8人の子どもが仮設居住区で亡くなり、そのほとんどが新生児でした。

 「ルクバンの母親と子どもたちにとって、冬は信じがたいほど厳しいものでした。栄養不良と非常に厳しい生活環境が、彼らの健康状態を悪化させています」と支援物資輸送に同行したユニセフ・シリア事務所代表のフラン・エクイザは述べました。「適切な医療施設や資格のある医療従事者が不足しているために、出産時の単純な合併症が母親と赤ちゃんの命取りになりかねないのです」

 ルクバンの学齢期の子ども3,000人近くが、教室不足、資格を有する教員の不足、および逼迫した経済状況のために学校に通えていません。収入創出の機会が極めて限られている中で、ほとんどの家族にとって、月2,000 シリアポンド(3.5米ドル)の授業料を払うことは困難となっています。

 「子どもたちが床に座り、黒板の代わりに壁に紙が貼られた、混雑した、泥で作られた教室においても、学習意欲を持ち、新しい通学バッグを見て喜ぶ子どもたちに会いました」とエクイザは話します。「この子どもたちにとって、学校は学習するだけの場所ではありません。学校は、学校の外で起こっている厳しい現実を離れ、安全なスペースも提供するのです」
 

ルクバン近郊に到着したユニセフとシリア赤新月社が輸送する人道支援物資。(2019年2月6日撮影) © UNICEF_UN0279377_anonymousルクバン近郊に到着したユニセフとシリア赤新月社が輸送する人道支援物資。(2019年2月6日撮影) © UNICEF_UN0279377_anonymous

 仮設居住区に暮らす親や子どもたちは、児童労働、早婚、子どもに対する暴力、および女の子や女性に対する暴力の恐れを含む、保護の問題を指摘しました。

 「この遠隔地の身動きが取れない子どもたちや家族にとって、仮設居住区の人道的状況は過酷であり続けています」とエクイザは話します。「彼らは、食料、水、保健ケア、住居を切実に必要としています。人道支援の提供は一時的な解決にしかなりません」

 すべての紛争当事者は、支援を必要とする子どもたちに対して、彼らがどこにいようとも、誰が管理する地域にいようとも、人道支援を届けるためのアクセスを提供する義務と責任があります。ユニセフは、シリアで活動する他の国連機関と協力して、ルクバンに暮らす家族たちが安全に、かつ尊厳を持って彼らの故郷への帰還あるいは彼らが選択する場所への移住を支援する、安全かつ自主的な長期的解決策を今後も求めていきます。

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )

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会社概要

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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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