【西表島ホテル】西表島のピーチパインで資源循環を目指す「環パインプロジェクト」の堆肥が完成しました!
~島のパイン農家と協業し、SDGsへ貢献する取り組みの活動報告~
世界自然遺産に登録された西表島で、日本初の「エコツーリズムリゾート」を目指す「星野リゾート 西表島(いりおもてじま)ホテル」は、島のパイン農家と協業し、ホテル内のレストランで出た生ごみを堆肥化する取り組みを2024年4月より開始しました。同年11月25日から複数回にわたって、完成した堆肥を畑に散布する作業を行うことで、パイン農家に還元。パイン農家と一緒にピーチパインの苗の植え付けも実施しました。収穫まで2年かかるため、2026年に堆肥を使用して栽培されたピーチパインを宿泊者に振る舞う予定です。今後も継続的に堆肥化の取り組みを続け、西表島における資源循環を確立するためにプロジェクトを続けていきます。
背景
西表島でのピーチパイン生産では、肥料の価格高騰や化学肥料使用による土壌環境の劣化が課題となっています。その課題に対して島で取り組んでいるのが、パイン農家を中心とした循環型農業の推進です。西表島ホテルは2022年よりこの活動に参画し、本プロジェクトを企画しました。ホテルのレストランから出る生ごみを堆肥化し、ピーチパインの生産に活用することで、廃棄物を減らすと同時に、美味しいピーチパインの生産にも貢献できると考えています。将来的には、循環型農業のサイクルによって栽培されたピーチパインを「春のピーチパイン祭り」にて提供し、サイクルを完成させるためにプロジェクトを進行中です。このサイクルを完成させることで、西表島の特産品であるピーチパインの産業が持続的に発展していくことを目指しています。
「環パイン プロジェクト」での取り組み
<堆肥化の準備と1次処理>
ホテル内のレストランで出た生ごみを堆肥化するために、西表島ホテルの敷地内に堆肥舎を設置しました。1次処理では、生ごみを床材(とこざい)*1に混ぜ込む作業を行います。生ごみが腐敗しないよう、毎日ホテルスタッフが堆肥の温度確認や生ごみの混ぜ込み作業を行い、適切に堆肥を管理しています。堆肥化の過程で使用する床材の材料は、すべて島内にあるものでまかなっています。島の米農家から提供されるもみ殻や米ぬかに加え、今後はさらに島内で課題となっている廃棄資源の活用も検討中です。島内の様々な関係者が協力し合うことで、島内における農業の持続可能な循環の構築を目指しています。
*1 もみ殻と米ぬかを短期間発酵させて作った微生物が沢山いる資材。微生物が生ごみを分解する活動を助けます。
<堆肥の2次処理と完熟堆肥の完成>
堆肥の1次処理が完了し、2024年7月から2次処理の作業を開始しました。この作業では、新たに米ぬかや水を混ぜ込んで堆肥を再発酵させます。週に一度必要に応じて水分を追加して撹拌し、3~4か月間発酵を継続させることで、完熟堆肥*2が完成します。
*2 有機物が微生物の作用によって分解され、十分に腐熟化した状態の堆肥のこと。
<完成した堆肥をパイン畑に撒き、ピーチパインを植えつけ>
完成した堆肥をパイン農家に還元し、パイン畑に肥料として散布しました。堆肥をパイン畑に撒く作業にはホテルスタッフも参加。堆肥を撒いた畑には、実際にピーチパインの植えつけも行いました。ピーチパインが収穫できる2年後まで、パイン農家と一緒に成長を見守りたいと思います。
<完成した堆肥で栽培されたピーチパインをホテルで提供予定>
ホテル内でつくられた堆肥を使い栽培されたピーチパインを、毎年開催している「春のピーチパイン祭り」で宿泊者に振る舞いたいと考えています。「春のピーチパイン祭り」は、2021年から島のパイン農家と協働し、ピーチパインが最も美味しい収穫期に開催しているイベントです。このイベントでは、西表島の特産品であるピーチパインを実際に味わい、美味しさの秘密を島のパイン農家から直接学ぶことができます。当ホテルは、生ごみの再資源化だけでなく、観光資源としてのピーチパインの価値向上にも貢献したいと考えています。
<「環パイン プロジェクト」の計画>
2024年04月:レストランで出た生ごみを堆肥として再資源化する取り組みを開始
2024年11月:完成した堆肥を島のパイン農家に還元(これ以降も継続的に堆肥を還元)
2025年春 :「春のピーチパイン祭り」5周年
堆肥を撒いた畑でピーチパインを栽培中(パインの収穫には2年かかるため)
2026年春 :堆肥を使用して栽培したピーチパインを収穫
「春のピーチパイン祭り」にて収穫したピーチパインを提供
島のパイン農家の協力
<西表島トロピカルフルーツ生産組合>
西表島の西部地区にあるトロピカルフルーツ生産農家が集まって結成された組合。新たな発想を積極的に取り入れながら、地域の課題を農業を通じて解決するための活動に取り組んでいます。島内にあるものを利用して堆肥を作り、有機質肥料を使用した美味しい果物の生産ができる体制構築のための活動など、島内での持続可能な農業の循環の構築を目指して活動しています。
SDGs への貢献について
西表島ホテルを経営する星野リゾートでは、経済価値と社会価値を両立するCSV経営*3が重要だと考えています。SDGs*4をCSV経営を促進するためのフレームワークとして捉え、各施設でさまざまな取り組みを推進しています。当ホテルでの本取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」、目標8「働きがいも経済成長も」、目標4「質の高い教育をみんなに」に寄与することを目指しています。
*3 CSV:共通価値の創造
*4 SDGs:持続可能な開発目標
【参考】「春のピーチパイン祭り」
当ホテルでは、西表島のパイン農家と協働して「春のピーチパイン祭り」を実施し続け、2025年で5周年を迎えます。特設ステージでは、パイン農家が鎌を使ってピーチパインを捌き、特徴や歴史を話す「ピーチパインSHOW」を開催。2025年は、島内散策でもピーチパインを楽しめるよう、地域店舗とも協力して西表島全体で収穫シーズンを盛り上げます。美味しさの秘密を知り、味わい、ピーチパインをとことん満喫できます。
関連資料:市場に出回ることが珍しいピーチパインをとことん楽しむ「春のピーチパイン祭り」開催
星野リゾート 西表島ホテル
西表島ホテルは日本初の「エコツーリズムリゾート」を目指し、マイボトルの貸し出しやロードキル防止活動など環境に配慮しながら、世界遺産に選ばれた島の魅力と価値を感じるネイチャーツアーを、一年を通して提案します。
所在地 :〒907-1541 沖縄県八重山郡竹富町上原2-2
電話 :050-3134-8094(星野リゾート予約センター)
客室数 :139室・チェックイン:15:00/チェックアウト:11:00
アクセス:石垣港離島ターミナルより西表島上原港行きフェリーにて約45分、上原港から車で10分
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