【シニア世代の家事意識・実態調査】 約10年で家事の位置づけが「女性のやるべき仕事」から「家族が心地よく過ごせるように家を整えること」に変化
花王 生活者研究部 「くらしの研究」にて、11月2日公開
【主な調査結果のポイント】
●シニア女性の家事の位置づけが変化、男性の家事参加も増加
●家事の効率化を進めるシニア 「きれいにしたいけれど手間はかけたくない」
●デジタルスキルの向上、情報収集だけでなく購買行動も
【調査概要】
「生活まわりや家事に関する調査」
◎2010年1月/郵送調査/首都圏在住60~70代女性 60代130人、70代75人
「生活者の暮らしに関わる意識と行動調査」
◎2012年、2018年、 2020年(いずれも9月)/インターネット調査、郵送調査/首都圏在住60~70代既婚男女/男性2012年355人、2020年336人、女性2018年196人、2020年186人
「ライフスタイルと家事に関する調査」
◎2019年5月/インターネット調査/首都圏在住 60~70代女性、60代161人、70代52人
「リビング掃除訪問調査」
◎2019年11~12月/家庭訪問調査/首都圏在住60~70代女性/4世帯
「シニアのweb写真調査」
◎2020年6月/インターネット調査/首都圏在住 週1回以上家事をしている60~70代男女/266人
「生活者の意識と行動に関する調査」
◎2021年3月/インターネット調査/首都圏在住30~60代女性/400人
「コロナ禍における暮らしインタビュー調査」
◎2021年5月/電話インタビュー/首都圏在住60~70代女性/5人
●10年でシニアの家事は大きく変化
「あなたにとって家事とは?」の自由回答から単語ランキングを見てみると、2010年から2019年の約10年間で、既婚シニア女性の意識に変化がみられました。
上位3位の共通ワードを見比べると、2010年は第1位が「仕事」で「家族」は第3位でしたが、2019年は「家族」が第1位(60代は第2位)に浮上しています。
また、特徴的なワードに注目すると、2010年当時は「主婦」「女」「義務」というワードが、約10年後の2019年になると「快適だ」「楽しい」「気持ちよい」などのワードがみられます。
そこから、家事の意識は『女性のやるべき仕事』から『家族が心地よく過ごせるように家を整えること』に変化してきたように読み取れます。
また、シニア男性の家事実施率を見てみると、いずれの項目においても実施率が上昇しており、シニア男性の家事参加も高まってきています。
●団塊・ポスト団塊世代がシニアへ
シニア層の家事意識が変化してきた背景には、シニアの世代構成が変化してきたことがあげられます。60〜70代前半の人の内訳をみてみると、2010年の時点では、「戦中期生まれ」が半数以上を占めていましたが、2019年には、新しい価値観を持つ「団塊・ポスト団塊世代」が60〜70代前半の多くを占めるようになりました。
核家族化など新しい家族像の団塊世代、DCブランドの流行をはじめ、消費文化を謳歌してきた50年代以降に生まれたポスト団塊世代は、自分の時間を大切にし、外とのつながりを求め、生活や人生を楽しむ価値観を持つ世代です。また、仕事を持っていたり、親世代の介護をしているなど、忙しく生活をしている人も多くいます。
●家事の効率化を進めるシニア 「きれいにしておきたいけれど、手間をかけたくない」
従来、高齢者の住まいと言えば、年月の経過とともに蓄積してきた多くの「もの」にあふれた印象がありました。しかし、世代のシフトチェンジと共に、部屋の様子も、ものが減り、すっきりとした印象の住まいが増えています。
その背景には、2009年以降に出てきた新しい片付けの考え方「断捨離」や人生の最期を迎えるためにさまざまな準備をする「終活」という考え方が定着してきたことや、掃除しやすいように余計なものを置かないなど、家事の効率化を図る傾向がうかがえます。
団塊・ポスト団塊世代を中心とするシニア層は、「きれいにしておきたいけれど、手間をかけたくない」というおもいや、加齢による体の不調で家事がやりにくいといったシニアの課題を、新しい家電や洗剤を取り入れることで、楽しみながら、家事の効率化を図っていました。
一方、自分の家事のやり方を変えたくないシニアたちもいます。今まで通りの方法で、自分の手で掃除をしたほうが、汚れ落ちを確認でき、きれいに仕上がるという自負があり、体に不具合があっても休みながら、あるいは重い掃除機を軽い掃除機に買い替えるなどして、今までの家事を続けています。
●デジタルスキルが向上し、インターネットで情報収集だけでなく購買行動も
シニアの情報源としては、テレビ番組、コマーシャル、クチコミの他、この10年でインターネットの活用が伸びてきました。情報を見るだけでなく、家事に便利な話題の家電や商品をインターネットで探し、購入するシニアが増えています。
コロナ禍では、実店舗での買い物回数を減らし、ネット通販やネットスーパーを利用して、スマホ決済や電子マネーを使いこなしている様子もうかがえます。その他、友人や離れて暮らす家族との交流や習い事に、SNSツールやライブ配信なども利用するようになり、シニアのデジタルスキルは上がっているようです。
●より自分に合う家事スタイルへ
仕事や親の介護などで忙しいながら、自分の時間を大切にし、生活を楽しみたい団塊・ポスト団塊世代のシニアたち。「住まいをきれいにしておきたいけれど、手間はかけたくない」、「加齢による体力の衰えでやりにくい」。そんなシニアの家事負担に、家事の効率化や自分に合う家事スタイルを前向きに取り入れる姿が今回の調査から分かりました。これからもシニアの家事は時代の潮流と世代のシフトチェンジによって、より自分に合う無理のない家事スタイルに変化していくことと思われます。
詳しくは以下URLをご確認ください。
▶ くらしの研究 「くらしの現場レポート」
https://www.kao.co.jp/lifei/life/report-66/?cid=lifei_prtimes211102a
https://www.kao.co.jp/content/dam/sites/kao/www-kao-co-jp/lifei/report/pdf/66.pdf?cid=lifei_prtimes211102b
(2021年11月掲載)
シニア家事こそ、心も体も軽やかに!
年齢を重ねると「ちゃんと」「きちんと」しようとする家事が日々の負担になることも…。1990年代から合理的な「ネオ家事」を提唱し、近年の「時短家事」や「やめ家事」の先駆けとなる家事の新発想を発信し続けてきたコラムニストのももせいづみさんに、シニアはもとよりあらゆる世代の参考になる、ストレスのない家事との向き合い方をうかがいました。
▶ くらしの研究「達人コラム」
https://www.kao.co.jp/lifei/life/column-64/?cid=lifei_prtimes211102c
※1 花王株式会社「生活者研究部」 https://www.kao.co.jp/lifei/about/?cid=lifei_prtimes211102d
「生活者研究部」では、花王グループの使命である「よきモノづくりを通じて人々の豊かな生活文化へ貢献すること」の実現をめざし、生活者一人ひとりの暮らしを見つめた生活者研究をおこなっています。生活現場での観察と対話を重ねながら、行動に表れない本音、説明できないこだわりなど、行動の裏にひそむ「おもい」まで読み解いて、課題を発掘し、商品やコミュニケーション開発に活かすとともに、生活者研究のウェブサイト、花王「くらしの研究」から、広く社会に発信しています。
花王「くらしの研究」 https://www.kao.co.jp/lifei/?cid=lifei_prtimes211102e
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