TOPPANデジタル、2023年画像関連学会連合会第9回合同秋季大会で最優秀ポスター賞を受賞
TOPPANデジタルと順天堂大学の共同研究に関するポスター発表「医療分野での活用を目的とした皮膚のRGB画像からの分光反射率画像生成」が受賞
画像関連学会連合会第9回合同秋季大会は、印刷技術、デジタル印刷およびイメージング技術に関するプロセスおよび材料などに関連した研究発表が行われる大会で、ポスター発表は4学会（日本印刷学会、日本画像学会、日本写真学会、画像電子学会）が一同に会した発表となっています。
今回、TOPPANデジタルが順天堂大学との共同研究として実施した分光反射率生成手法の考案に関する内容が高く評価され、受賞に至りました。最優秀ポスター賞は全19件の発表中2件が選定されています。
なお、ポスター発表を行った研究内容は、2023年11月29日（水）に開催される「第51回日本救急医学会総会・学術集会」（会場：東京ドームシティ）内のセミナーで順天堂大学と共催にて講演します。
ポスター発表「医療分野での活用を目的とした皮膚のRGB画像からの分光反射率画像生成」の概要 © TOPPAN Digital Inc.
■ 研究の背景とポスター発表の概要
TOPPANグループでは、印刷物の品質管理技術として独自のカラーマネジメント(CMS)（※2）技術を開発し、印刷物における色再現を実現してきました。TOPPANグループのデジタル事業を推進しているTOPPANデジタルではこの技術をさらに拡張し、従来必要だったカラーチャートを不要とし、対象物のカラー(RGB)画像を元に、光が当たった際の反射強度の違い（分光反射特性）から対象物本来の色を推定する高精度な色再現技術を確立しました。この技術では従来よりも簡便に本来の色調を再現することが可能になるため、救急医療でのトリアージやオンライン診療などの医療分野の活用だけでなく、トンネルや橋梁などのインフラ設備の経年劣化状況の遠隔監視など、社会課題解決の手段として活用が期待されます。
TOPPANデジタルでは2021年6月より、医学・医療分野での活用を視野に順天堂大学との共同研究「AI活用に向けた、画像・映像デジタルデータ品質について」（※3）を進めています。デジタル画像データの中でも、特に色再現の精度を重視する医学・医療分野において、救急医療における効率的なトリアージやオンライン診療における有用性の検証を行っています。
今回のポスター発表では、生体画像（皮膚）の色再現を行うための基礎データ収集と、それによるTOPPANの分光反射率推定技術における精度評価結果を報告しました。救急医療現場での撮影を想定し、さまざまな照明状況を再現可能な生体用分光画像測定装置を作成。取得した分光測定データを学習用データとして、病院各所で撮影した被験者前腕部のカメラ画像にTOPPANの技術を適用し、その色再現性を評価したところ、カラーチャートを用いた従来の色補正手法と同等以上の高い色再現性を実現しました。現在は、これらの技術を医療分野へ応用し、診断AIや遠隔医療の適用に取り組んでいます。
■ 今後の目標
TOPPANデジタルは今後、本学会で発表した技術をインフラ設備の遠隔監視による予防保全や防災・減災に向けた取り組み、ECサイトでの商品の色の正確な情報提示など、医学・医療以外の分野にも展開し、様々なサービスを提供していくことでTOPPANグループのDXによる事業ポートフォリオ変革を推進していきます。
■ 「第51回日本救急医学会総会・学術集会」について
今回受賞した研究内容について、「第51回日本救急医学会総会・学術集会」内のセミナーで順天堂大学と共催します。
日時 ： 2023年11月28日（火）～11月30日（木）
会場 ： 東京ドームシティ
主催 ： 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター
センター病院 救命救急センター
公式サイト ： https://site.convention.co.jp/jaam51/
参加方法 ： https://site.convention.co.jp/jaam51/online-registration/
※参加は事前登録制、費用がかかります。
セミナー内容：
演題 | 救急医療DXに向けて：色画像情報の「真正性」を追求する |
日時 | 11月29日(水) 12:40-13:40 |
会場 | 第2会場 東京ドームホテル B1F 天空(ノース) |
座長 | ・順天堂大学大学院医学研究科 救急AI色画像情報標準化講座 順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科 高度救命救急センター 岡本 健 先生 |
演者 | ・順天堂大学大学院医学研究科 救急AI色画像情報標準化講座 順天堂大学医学部附属浦安病院 救急診療科 高度救命救急センター 近藤 豊先生 ・TOPPANデジタル株式会社 技術戦略センター 三好 裕樹 |
共催 | TOPPANデジタル株式会社、順天堂大学 |
※1 分光反射
物体に光が当たった際の光の波長ごとの反射。物体には、それぞれ特に強く電磁波（可視光は人間の眼で見ることができる波長の電磁波）を反射・吸収・放出する波長域がある。
※2 カラーマネジメント(CMS)
ディスプレイやプリンタ、印刷物など異なるデバイス間で色の調整を行い、表示色の統一を図るための技術。
※3 「凸版印刷と順天堂大学、共同研究講座を開設」 2021年5月31日発表
https://www.toppan.co.jp/news/2021/05/nsrelease210531_1.html
＊「分光反射率推定技術と、生体用分光画像測定装置」は、TOPPANホールディングス株式会社が関連特許出願中です。
＊ 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
＊ 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上
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