べネッセコーポレーション 「生成AIの利用に関する調査」2024 生成AIを知っている小学生は23% 保護者は53% うち、利用に肯定的な保護者は66% 昨年より10ポイント増加
知っている小学生のうち利用経験があるのは70%とほぼ横ばい
株式会社ベネッセコーポレーション(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:小林 仁)は、全国の小学3年生から小学6年生とその保護者1,032組に、ChatGPTなどの生成AIの認知、利用経験や今後の利用意向、利用する上で大事だと思うことなどについてアンケート調査を実施しました(※1)。
昨年7月に文部科学省より「初等中等教育における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が発表されてから1年、教育現場での生成AI活用に関する取り組みや検証が続いています。今年度の調査は、小学生とその保護者の生成AIの利用実態や意識について、昨年からどのような変化があったのかを調べることを目的に実施しました。
昨年の調査結果(※2)と比較すると、この1年間で、認知や利用率の変化はほぼ見られませんでした。もっとも大きな変化は、「生成AI」がどのようなものかを知っている保護者のうち、66%が利用に肯定的で、昨年より10ポイント増加していた点でした。結果は以下のとおりです。
*子どもの回答は、保護者から子どもに質問していただく形式で調査しています。
*グラフ内の%表示は小数第1位を四捨五入した数字のため、数値の合計が100%にならないものもあります。
■小学生の生成AIの認知(全体)
子どもの23%が生成AIを「知っている」
「知らない」は昨年の調査より9ポイントダウン
Q.お子さまは生成AI(ChatGPTなど)について知っていますか n=1,032
■小学生の保護者の生成AIの認知(全体)
保護者の53%が生成AIを「知っている」
Q.あなたは生成AI(ChatGPTなど)について知っていますか n=1,032
以降は、生成AIを「知っている」と回答した子ども233名と保護者542名に質問対象者を絞っています。
■小学生の生成AIの利用経験(認知層)
生成AIを知っている子どもの約7割に利用経験
昨年とほぼ同割合で変化はあまり見られない
Q.お子さまは生成AIをどのくらい使っていますか n=233
■子どもが生成AIを利用することに対する保護者の意見(認知層)
66%の保護者が利用に肯定的(「積極的に使ってほしい」 「少し使ってみてほしい」)で、昨年の調査より10ポイントアップ。否定的な意見(「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」)は4.1%。
Q. お子さまの生成AIの利用についてどう思われますか。
もっともお気持ちに合うものをお選びください。n=542
■子どもが生成AIを利用することに対する意見の理由(認知層)
利用に肯定的な(「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」)保護者の意見でもっとも多い理由は「新しい技術の活用力を養うよい機会になりそうだから」。否定的な意見(「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」)の保護者の回答理由でもっとも多いのは「自分で考えなくなりそうだから」。
生成AIを「知っている」と回答した保護者542名のうち、前問にて今後の生成AIの利用に肯定的な回答をした保護者と、否定的な回答をした保護者のそれぞれに理由を聞きました。
Q. 前問のご回答の理由として、もっともお気持ちに合うものを選んでください。
「積極的に使ってほしい」「少し使ってみてほしい」理由
n=358
「あまり使ってほしくない」「まったく使ってほしくない」理由
n=129
■子ども自身の生成AIの利用意向(認知層)
約9割の子どもが利用に肯定的(「たくさん使いたい」「少し使ってみたい」)。否定的な意見(「あまり使いたくない」「まったく使いたくない」)は約1割。
Q. 生成AIを今後どのくらい使ってみたいですか。
もっともお気持ちに合うものをえらんでください。 n=233
■生成AIの利用希望
生成AIの利用希望としてもっとも多いのは、親子ともに「好きなことについて調べる時」
生成AIを「知っている」と回答した子ども233名と保護者542名のうち、前問で今後の生成AI利用に肯定的な意見を持つ子どもと保護者に質問対象者を絞っています。
Q.どのような時に生成AIを使いたいですか n=205(子)/ お子さまに生成AIをどのような時に使ってほしいですか n=358(保護者)
■生成AIを使う時に大事だと思うこと
どの項目も親子で同程度。中でも「個人情報は入力しない」ことを大事だと思うスコアがもっとも高い。
Q.生成AIを使う時に、次のことはどのくらい大事だと思いますか。n=233(子)n=542(保護者)
選択肢:とても大事/まあ大事/あまり大事ではない/まったく大事ではない/わからない ※グラフは「とても大事だと思う」「まあ大事だと思う」の合計
【調査の結果を受けて】
ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター長 小村俊平
生成AIへの認知や利用率は1年前と比べて大きな変化が見られないものの利用に肯定的な保護者が増えました。これはニュースで生成AIの様々な活用事例を目にしたり、保護者自身が実際に生成AIを使ってみたりした結果ではないでしょうか。
興味深いのは、生成AIの利用に肯定的な保護者が「自分で考える力が伸びそうだから(13%)」と回答する一方、否定的な保護者は「自分で考えなくなりそうだから(48%)」と回答していることです。また、肯定的な保護者と子どものいずれも、生成AIの利用希望として「好きなことについて調べる時」が最も高く過半数であり、続いて「学習での疑問解決」「調べ学習(自由研究など)での情報収集」と回答しています。生成AIが検索エンジンのように「情報収集のツール」として認知されていることが伺えます。
「アイディアを探したり考えを広げたりする時」という回答は、子ども33.7%、保護者40.8%ですが、生成AIはやり取りを繰り返すことで「自分の考えを引き出したり、表現を洗練するのに役立つツール」でもあります。ご家庭で利用する場合は、生成AIに答えを教えてもらうのではなく、生成AIを使って試行錯誤しながら、「自分の考えを引き出すツール」として使うようにお子さんにアドバイスするとよいのではないでしょうか。それがお子さんの物事を多角的に捉えて吟味する思考力や、豊かな創造力を高めていくことにつながると思います。
※1 調査概要
調査対象:小学3年生~6年生とその保護者1,032組
調査期間:2024年6月24日~26日
調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査項目:生成AIの認知、利用経験や今後の利用意向、利用する上で大事だと思うことなど
※2 ベネッセ「ChatGPTの利用に関する意識調査」 (2023年7月13日発表)
https://blog.benesse.ne.jp/bh/ja/news/education/2023/07/13_5991.html
【その他の調査結果】
■小学生の保護者の生成AI利用経験
Q.あなたは生成AIをどのくらい使っていますか n=542
生成AIを「知っている」保護者542名に質問対象者を絞っています。
■生成AIの使い方について保護者と子どもで話したことがあるか
Q.お子さまと生成AIの使い方について話したことがありますか。n=542
生成AIを「知っている」保護者542名に質問対象者を絞っています。
【参考情報】生成AIを活用している教材
■進研ゼミ小学講座「自由研究おたすけチャット」
昨年に引き続き、進研ゼミ小学講座では、自由研究のテーマ決めを支援する「自由研究おたすけチャット」を会員向けに提供します。提供2年目の今年は、昨年度に好評だった機能を活かしつつ、よりわかりやすく使いやすいデザインに改訂し、小学生にさらに自由研究に活かしていただけるような改良を行っています。
安心・安全の環境で、生成AIの活用を通じた思考力の育成や、探究学習の深まりを支援します。
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