LED照明の性能を高める先進的な機能を統合したフライバック・コントローラを発表
多種多様な電子機器に半導体を提供する世界的半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、最大180WのLED照明アプリケーション向けの90V~400Vフライバック・コントローラ「HVLED101」を発表しました。同製品は、幅広い機能や特許取得済みの制御技術、および1次側センシング・レギュレーションにより、性能向上ならびに設計簡略化に貢献します。
STの高力率(HPF)LEDドライバ「HVLED」ファミリの新製品であるHVLED101は、LEDターンオン・タイムを250ms未満に短縮する800V起動回路を搭載しています。また、高電圧入力センシング回路と最大電力制御(MPC)エンジンも搭載し、電源電圧が変動しても安定した出力を実現します。これにより、設計者はより小型かつ低コストの外部受動部品で厳しい電源条件に対応可能です。また、絶縁型フィードバックを使用しない1次側センシング・レギュレーションにより、部品数の削減や信頼性の向上に貢献します。
HVLED101には、STの革新的な特許取得済み技術の1つである入力電流補正アルゴリズムが搭載されており、全高調波歪(THD)を低減し、力率を最大化します。また、HVLED101は、STの新しいバレー・ロッキング技術が実装された初の高力率フライバック・コントローラで、可聴ノイズの最小化や、レギュレーション改善、および歪みの低減を実現しています。バレー・ロッキングは、擬似共振動作の定常状態において、出力電力または入力電圧の大きな変化が検出されるまでバレー・スキップ数を固定します。電流補正とバレー・ロッキングを組み合わせることで、低・中負荷時でも力率およびTHDを改善することができます。HVLED101によって制御されるフライバック・コンバータは、全負荷時で5%、1/3負荷時で10%のTHDを実現するため、主要なエコデザイン規格に準拠可能です。
また、外部抵抗を使用して、純粋な擬似共振動作におけるゼロクロス検出後の遅延時間をプログラムすることも可能です。HVLED101は、バレーの最下点でゲートがオンになるようにすることで、エネルギー損失とEMIを最小限に抑えます。これらの特徴により、HVLED101は、最大効率90%以上、無負荷電力100mW未満のコンバータを実現できます。
さらに、過電流保護、入力過電圧保護、ブラウンアウト保護など、必要な保護機能がすべて搭載されています。あらゆる保護機能をラッチフリーで動作させるスマートなオート・リロード・タイマ(ART)も搭載されており、高い信頼性と優れたユーザ体験を提供します。
また、開発期間の短縮や迅速な開発スタートに貢献する2種類の評価ボードも提供されています。「EVLHV101PSR50W」は、1次側センシング・レギュレーションに対応した90VAC~265VAC、60V/0.8A絶縁型フライバック・コンバータです。「EVLHV101SSR50W」は、2次側センシング・レギュレーションに対応した90VAC~265VAC、60V/0.8A絶縁型フライバック・コンバータです。
HVLED101は現在量産中で、SO-14N薄型パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約0.99ドルです。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
( https://www.st.com/ja/power-management/hvled.html?sc=hvled )
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、IoT・コネクティビティの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラルの実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト( http://www.st.com )をご覧ください。
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