シリア危機8年:シリア・中東の子ども300人が歌う、アルバム「11」発表【プレスリリース】

ユニセフ、作曲家ジアド・ラバーニ氏、EUが協力

レバノンのスタジオで行われたワークショップで、ジアド・ラバーニ氏と一緒に歌う子どもたち。© UNICEFレバノンのスタジオで行われたワークショップで、ジアド・ラバーニ氏と一緒に歌う子どもたち。© UNICEF

 

【2019年3月11日 ベイルート(レバノン)発】

 「今日は、今までで最高の1日だった。歌って、学んで、楽しかった。心を奪われた。別の世界にいた。まるで夢の中にいるようだった」― アレッポ出身でトルコ在住のアシア・モハメッド君(11歳)。

 シリア紛争が開始から8年経過したことを受け、ユニセフは初めて子どもの歌のアルバムを作成しました。アルバムではシリアとその周辺国の子どもたちが、1976年に制作された子どもの歌を歌います。

 収録されている歌は、世界的に有名な作曲家エリアス・ラバーニ氏がレバノン戦争中に制作したもので、中東地域全域で親しまれてきたものです。ラバーニ氏は6,500曲を作曲しました。収録されている歌を歌ったのは、まだ子どもだった彼の息子ジアドとガッサンでした。

 「シリア危機に対応するためのEU 地域信託基金(Madad 基金)」の支援の下、ユニセフとジアド・ラバーニ氏は、障がいをもつ子どもを含む約300人の子どもたちと計11回のワークショップで歌の練習をし、新しくアレンジした歌をレコーディングしました。そのワークショップには、ヨルダン、イラク、レバノン、パレスチナ、トルコの子どもたちも参加しました。

 「私は子どものときにこれらの歌に感銘を受け、レバノン戦争中には恐怖に耐える支えになったことも覚えています。これは特別なプロジェクトで、このアルバムが子どもたちに幸福感を与え、彼らの胸が前向きなエネルギーで満たされることを願っています」とジアド・ラバーニ氏は述べました。

 このプロジェクトは、危機の影響を受ける子どもたちを支えていくというユニセフの重要な決意を表したものです。ユニセフが紛争や危機下にある地域で行う支援には、心理社会ケアが含まれます。危機が発生してから8年が経過したシリアでは、800万人近い子どもたちが心理社会ケアを含む支援を必要としています。
 

音楽や芸術を使った心理社会ケアは、子どもたちが経験したショックと向き合い、子ども時代を取り戻す手助けをする。© UNICEF音楽や芸術を使った心理社会ケアは、子どもたちが経験したショックと向き合い、子ども時代を取り戻す手助けをする。© UNICEF

 「シリアの子どもたちは、目にしてはならないものを見てきました。多くが目に見えない傷を負いました。アルバム「11」のようなプロジェクトも含めて、音楽や芸術を使った心理社会ケアは、子どもたちが経験したショックと向き合い、ゆっくりと子ども時代を取り戻すことを手助けできることが証明されています」とユニセフ中東・北アフリカ地域事務所代表ヘルト・カッペラエレは話しました。「そのようなケアがなければ、子どもたちは癒されない傷を抱えたまま、深刻な影響を残しておとなになるリスクがあります」

 ユニセフはシリア危機において、シリア国内とその周辺国に暮らす75万7,000人の子どもたちに心理社会ケアを提供してきました。心理社会ケアには、子どもたちに遊び、歌い、学び、スポーツや芸術を楽しむことができる機会の提供も含みます。

 アルバム「11」には、教育、環境、家族の絆、栄養、平和や復興に関する子どもの歌が含まれます。ユニセフはこのアルバムが、シリア危機の影響を受ける子どもたちに止まらず、中東・北アフリカ地域全体の子どもたちにも伝わることを期待しています。

 ユニセフは、2020年末までにアルバム「11」のコピー100万枚を配布するという野心的な展開計画を立てています。アルバムは、地域全域の学校、クラブ、音楽学校やレクリエーション・センターに無料で配布されます。

■ アルバム「11」について
 ユニセフは、欧州連合(EU)の支援を受け、著名なレバノン人作曲家ジアド・ラバーニ氏の協力のもと、中東地域で愛されている子どもの歌を集めたアルバム「11」を制作しました。ラバーニ氏がアレンジした歌を、シリア、レバノン、ヨルダン、およびトルコの子どもたちが歌いました。このアルバムは、ユニセフが行っているシリア危機の影響を受ける子どもたちへの心理社会ケアプログラムの一環として制作されました。このプロジェクトでは、音楽と歌を使って社会の結束を促します。子どもたちが地域の遺産やアラビア語とのつながりを再構築する機会を提供します。アルバムに含まれているのは、世界的に有名な作曲家エリアス・ラバーニ氏がレバノン戦争中の1976年に作詞・作曲し、地域で愛され続けている歌です。オリジナルのレコーディングでは、まだ子どもの頃のラバーニ氏の2人の息子ジアドとガッサンが歌っています。
 このアルバムは、「シリア危機に対応するためのEU 地域信託基金(Madad 基金)」の支援で実現しました。
 アルバム「11」には、教育、環境、家族の絆、栄養、平和や復興に関する歌が含まれます。ユニセフは中東地域全域の子どもたちに楽しんでもらうことを期待しています。

■ ジアド・ラバーニ氏について
 ジアド・ラバーニ氏は、著名なレバノン人作曲家であり音楽プロデューサーです。世界的に有名な音楽家エリアス・ラバーニ氏の息子として1968年にレバノンで生まれ、ピアノ、ハーモニー(コード進行)、作曲・管弦楽曲を学び、エリアス・ラバーニ・スタジオの音楽エンジニア兼ジェネラル・マネージャーを務めています。
 ラバーニ氏は、3,000曲以上のジングル、歌、ミュージカル、サウンド・デザイン、テレビ・ラジオCMの作曲をてがけ、何人ものレバノン人歌手のアルバムを作曲・プロデュースしました。

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■ユニセフについて
 ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
 公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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