【高島屋】北欧のテキスタイルと暮らし展 ― Beauty for All ― ミッドセンチュリー期の名作をご覧いただける貴重な機会。北欧スウェーデンとフィンランドのテキスタイル約90点を現地から。
日本橋店と大阪店で開催決定!マリメッコのヴィンテージや、19世紀の手工芸から20世紀のアートまで、時代とともに移り変わる織物を展観。ミッドセンチュリー期のプリントテキスタイルの名作をご覧いただけます。
2026年3月4日(水)~3月16日(月) 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
2026年3月25日(水)~4月13日(月) 大阪高島屋 7階グランドホール

展覧会概要
北欧では古くヴァイキングの時代から、寒い冬を乗り切るため様々な織物が作られてきました。それはやがて手工芸となり、部屋を彩るインテリアとなり、アートへと発展します。豊かな自然を感じさせる独特の色使い、思わず笑顔になる大胆で楽しい柄、感動を覚えるような芸術性に、時間を感じる圧倒的な手仕事の力。多種多様な美しいテキスタイル文化が花開きました。
手工芸が大量生産品の勢いに押されていた19 世紀末、1冊の本が生まれます。スウェーデンの思想家、エレン・ケイの『Beauty for All(美しさをすべての人に)』。彼女の「美しいと感じるものと暮らすことが幸せをもたらす」という考え方は、北欧全域へと浸透し、ものづくりをするデザイナーをはじめ、民衆から国家に至るまで、大きな影響を与えました。「国民の幸福度」で現代社会をリードする北欧諸国。その理由の一端が、美しいテキスタイルから見えてくるかもしれません。
主な見どころ
❖北欧スウェーデンとフィンランドのテキスタイル約90点を現地から
❖19世紀の手工芸から20世紀のアートまで、時代とともに移り変わる織物を展観
❖ミッドセンチュリー期のプリントテキスタイルの名作をヴィンテージプリントで
第1章 織の国、北欧 -家族のためのクリエイション
キーワード① 思い出の詰まったテキスタイルを大切に使う
北欧では古くからの手工芸である織物がインテリアとして発展してきました。
テキスタイルの原点といえる、名もなき農家の女性たちが、家族のために、そして嫁ぐ自身のために織った、美しい手仕事の数々を紹介します。




第2章 Beauty for All -美しさを価値へ
2-1 スウェーデン手工芸協会
19世紀後半、手工芸を営んでいた農村の生産者は、工業化の勢いに押されるように困窮していました。
1899年に設立された「スウェーデン手工芸協会」は、手仕事の価値と尊厳を守ろうとしました。手工芸協会の創設者、リリィ・ジッケルマン(Lilli Zickerman 1858-1949)は1910年から1932年にかけて、カメラを片手に馬と橇(そり)でスウェーデン全土を巡り、撮影したモノクロ写真に手描きで色を塗って、伝統的なデザインの目録を完成させました。
2-2 エレン・ケイと『Beauty for All』
美しさの中で暮らすことは、アーティストや目利きだけの特権ではなく「美しさを感受する心は誰にでもある」と、スウェーデンの社会思想家、エレン・ケイ(Ellen Key 1849-1926)は語りかけます。
彼女の「美しいと感じるものと暮らすことが幸せをもたらす」という考え方は、北欧全域へと浸透し、ものづくりをするデザイナーをはじめ、民衆から国家に至るまで、大きな影響を与えました。
北欧の人々は、美しいテキスタイルがもたらす幸せとともに、豊かに暮らしてきたのです。そんな姿に思いを馳せながら、作品をご覧ください。

第3章 デザインの黄金時代 -織とプリント、それぞれのモダニズム
モダニズムの発展を経て、ミッドセンチュリー期にはテキスタイル・デザインの黄金時代を迎えます。
3-1 アートへと昇華する織物 -特別な空間を象徴する存在へ
1920年代頃から確立されていったモダニズムの潮流は、伝統的な織物技術を芸術の域へと高めました。マルタ・モース=フィエッターストローム(Märta Måås-Fjetterström 1873-1941)は、手工芸協会の創設者、リリィ・ジッケルマンとともにモダンなデザインの開発などに携わったのち、1919年、スコーネ地方、ボースタッドに自身の織物工房〔MMF工房〕を開き、バーブロ・ニルソン(Barbro Nilsson 1899-1983)、マリアンヌ・リヒター(Marianne Richter 1916-2010)ら、優れた織り手を集めてラグを制作しました。
キーワード② 教会などの特別な空間を装飾する
《スウェーデン》
バーブロ・ニルソン/ヴィオラ・グロステン/マリアンヌ・リヒター/イングリッド・デッサウ/ほか
《フィンランド》
ドラ・ユング/マルヤッタ・メッツォヴァーラ



3-2 日常を彩るプリントデザイン ―テキスタイルがもたらす豊かな暮らし
もう1つのモダニズムの潮流は、1930~40年代のプリント技術の発展を背景にしたものでした。
才能あるデザイナーたちが、スクリーン捺染という新しいキャンバスを得て、自由で大胆なクリエイションが普及しました。工業製品として届けられたプリント生地の中から、人々は好みのデザインを選び、自分の手で空間を飾り、服を縫うことで、自分自身の日常を彩るクリエイションを楽しみました。
キーワード③ 自分のセンスで部屋のインテリアをコーディネートする
《スウェーデン》
ヨセフ・フランク/スヴェン・マルケリウス/ゴータ・トレガルド/ゴッケン・
ヨブス/アストリッド・サンペ/ヴィオラ・グロステン/スティグ・リンドベリ/ハンス・クロンダール/ほか
《フィンランド》
マイヤ・イソラ/マルヤッタ・メッツォヴァーラ/ヴォッコ・エスコリン=ヌルメスニエミ




第4章 さらなる自由へ ―表現の場として広がる可能性
テキスタイルは実用から解き放たれ、アーティストの内面や社会へのメッセージを表現する、純粋な「個人のクリエイション」のメディアとなりました。アートとして、部屋に飾られて心を満たすだけでなく、誰もが目にする公共的な空間にも展示され、人々に安らぎをもたらすなど、社会的な役割を果たしています。
キーワード④ 部屋にアートとして飾って心を満たす
《スウェーデン》
アニタ・グラフマン/アグネータ・フロック/エヴァ・ロデニウス
《フィンランド》
ウフラ=ベアタ・シンベリ=アールストロム/リトヴァ・プオティラ/メリッサ・サンマルヴァーラ/ほか




エピローグ -未来へ紡がれるテキスタイルと暮らし
キーワード⑤ 誰もが目にする公共の場の文化的な景観をつくる
北欧の基礎学校(小中一貫校)には、伝統的手工芸について学ぶ「スロイド」という授業があり、実際に大きな機織り機で織物づくりを行うこともあります。また、大人になってから手工芸学校に通い、学び直すこともできます。誰にでも開かれた、手仕事や自然素材に触れられるこうした経験が、北欧のテキスタイルを未来へとつないでいくのです。
左)ストックホルム市庁舎の100周年を記念して飾られたタペストリー《Wake, sleep, wander》
スーパー7 2023 photo: Kentauros Yasunaga ※この作品は展示されません
右)若者たちが結成した織物工房「スーパー7」の制作の様子 photo: Kentauros Yasunaga


開催概要
会期・会場
2026年3月4日(水)~3月16日(月) 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール
入場時間:午前10時30分~午後7時(午後7時30分閉場)
※最終日3月16日(月)は午後5時30分まで(午後6時閉場)
2026年3月25日(水)~4月13日(月) 大阪高島屋 7階グランドホール
入場時間:午前10時~午後6時30分(午後7時閉場)
※最終日4月13日(月)は午後4時30分まで(午後5時閉場)
入場料(税込)
一般1,200(1,000)円、大学・高校生1,000(800円)、中学生以下無料
※( )内は前売り料金。前売り券は、ローソンチケット、セブンチケット、イープラスにて、各会場の会期前日までお求めいただけます。
主催:北欧のテキスタイルと暮らし展実行委員会
後援:スウェーデン大使館、フィンランド大使館
監修:川上玲子(北欧建築・デザイン協会 前会長)
協力:カスタール、スウェーデンハウス、天童木工
企画協力:JR東海エージェンシー、Handcrafteriet
お問い合わせ:03-3211-4111(日本橋高島屋S.C.代表)
※都合により、催し内容・会期等が変更または中止になる場合がございます。最新の情報は開催店舗のホームページをご覧ください。
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