サイクロン「イダイ」:過去20年で最悪の被害【プレスリリース】
緊急支援を必要とする子ども150万人以上
【2019年3月27日 ニューヨーク 発】
南部アフリカに過去20年間で最悪の被害をもたらしたサイクロン「イダイ」の影響を受けた、マラウイ、モザンビーク、およびジンバブエの3カ国で緊急に人道支援を必要としている人は推定300万人にのぼり、その半数以上は子どもです。ユニセフ(国連児童基金)は本日、被災した3カ国において今後9カ月間、サイクロンによって打撃を受けた子どもたちと家族に人道支援を提供するために1億2,200万米ドルの資金が必要になると発表しました。
「サイクロン『イダイ』がもたらした大規模な被害が、日に日にあきらかになってきています」と、先週サイクロンの被害を受けたモザンビークのベイラを訪問したユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォアは述べました。「何百万人もの子どもたちと家族の命に危機が迫っています。私たちは直ちに、被災した3カ国に対して迅速かつ効果的な人道支援を提供する必要があります」
サイクロンの影響を受けたより多くの地域へのアクセスが可能となるにつれ、被災地の状況は改善し始める前に、さらに悪化することが予測されています。また、日和見感染症の拡大を防ぐための時間も極めて限られています。淀んだ水、不十分な衛生環境(トイレ)、死体の腐敗、過密した仮設住居といった現状は、下痢症、マラリア、およびコレラ集団感染を容易に引き起こす可能性があり、特に感染しやすいのは子どもたちです。モザンビーク当局は、ベイラですでに最初のコレラの症例が確認されたと発表しました。不衛生な環境下で避難生活を送る人々への広がりが懸念されています。
ユニセフはまた、過密した仮設住居で暮らし、暴力や搾取にあう危険がある女性と子どもの安全と健康を、また嵐で親を失った子どもや、家族とはなればなれになってしまった子どものことを深く憂慮しています。
最も影響を受けたモザンビークでは、子ども100万人を含む185万人が、切実に支援を必要としています。ベイラでは、インフラ施設が深刻な被害を受け、都市部は水が引かないために深く浸水したままです。収穫期直前の洪水により、モザンビークの例年の穀物生産量の50%までもが破壊されました。
マラウイでは、44万3,000人の子どもを含む、86万9,000人以上が影響を受け、8万5,000人以上が避難生活を余儀なくされています。
ジンバブエでは、27万人以上が影響を受け、その半数は子どもです。
ユニセフは3カ国において、影響を受けた子どもたちと家族への支援を強化し、保健ケア、水、衛生環境(トイレ)、教育などのサービスが受けられるようにするための活動をおこなっています。また、パートナー団体と共に、栄養不良増加の予防、家族を亡くしたり離ればなれになった子どもの特定、学校の再開などにも注力しています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。( www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。( www.unicef.or.jp )
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