ガーナにおけるカーボンクレジット創出プロジェクトへの参画について ~関西電力、3Tとの協業による信頼性の高いカーボンクレジットの創出~
東京ガス株式会社(社長:笹山 晋一、以下「東京ガス」)は、このたび、関西電力株式会社(以下「関西電力」)、スリー・ツリーズ・プライベート・リミテッド(Three Trees Pte. Ltd.、以下「3T」)の2社と、関西電力・3Tが手掛けるガーナ共和国におけるカーボンクレジット創出プロジェクト(以下「本プロジェクト」)に東京ガスが参画することについて契約を締結しました。
本プロジェクトは、ガーナ中南部の荒廃地に植林し、原生林を再生することにより、ICVCM(*1)のCCPs(*2)に則った信頼性の高い除去・吸収カーボンクレジットを40年間で約120万t創出する計画です。CO2の除去・吸収のみならず、原生林の再生による生物多様性の向上や、植林活動を通じた雇用創出・インフラ整備による地域コミュニティへの貢献等、コベネフィットの高いプロジェクトを目指しています。
参画にあたり、東京ガスは「カーボンクレジット創出プロジェクトに関与する企業の人権尊重のためのフレームワーク(*3)」を適用し、地域コミュニティの人権や地域環境に対する影響の評価、ならびにそれらの改善に向けた提案を行うことを通じ、創出されるカーボンクレジットの品質向上に貢献していきます。
東京ガスは、グループ経営ビジョン「Compass2030」で「価値共創のエコシステム(*4)構築」ならびに「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げています。一人ひとりの暮らしから地域社会にいたるまでの多様な課題を解決するさまざまなサービスを創出・提供し、お客さまとともにカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
東京ガスグループは創立140周年を迎えます。東京を越え、ガスを越え、未来を先取りする企業として挑戦を進めていきます。
<参考>
■東京ガスのカーボンクレジットに関する取り組みについて
2050年カーボンニュートラルの達成に向けた熱の脱炭素化において、足元では天然ガスの高度利用を進めながら、e-メタン等の脱炭素化技術の社会実装・拡大を目指しており、その移行期における重要な手段の一つとして、信頼性の高いカーボンクレジットを用いたカーボンオフセット都市ガス(*5)の活用を進めてきました。
2019年に国内で初めてカーボンオフセット都市ガスの販売を開始して以降、信頼性の高いクレジットの調達・供給に向けた独自の品質基準の策定(*6)や第三者検証の受検(*7)、お客さまのニーズおよび外部環境の変化に応じたメニューの拡充(*8)等、先進的な施策を積み重ね、カーボンクレジットの単体販売と併せた累計供給拠点数は300拠点、バイヤーズアライアンス加盟法人は100法人に到達しています。
カーボンクレジットの調達においては、2024年9月に自然系カーボンクレジット創出ファンドへの出資を決定(*9)したほか、J-クレジット創出の推進(*10)など、信頼性の高いカーボンクレジット調達網の拡充に努めています。国際的に獲得の動きが過熱する信頼性の高いカーボンクレジットを安定的に調達し、必要なお客さまに届けることで、お客さまの事業活動のカーボンニュートラル化を支援するとともに、国内のカーボンクレジット市場の発展をリードしていきます。
なお、カーボンオフセット都市ガスは、ソリューション事業ブランドIGNITUREのソリューションとして、お客さまにお届けしています。
■関西電力との共同取り組みについて
関西電力と東京ガスは、これまでも、VPP分野における法人ソリューション開発に向けた業務提携(*11)や家庭用燃料電池・蓄電池に関する共同実証(*12)など、協働して事業を推進してきました。本プロジェクトは、その協業の領域をカーボンクレジット分野へ拡大するものです。両社は、本プロジェクトに留まらず、コンプライアンスクレジットも含めた信頼性の高いカーボンクレジットの創出に向け、プロジェクトの共同開発を検討していきます。
■3Tとの関係について
本プロジェクトにおいてカーボンクレジット創出を手掛ける3Tは、関西電力と東京ガスが出資するICJ2号ファンド(*13)が出資を行うデベロッパーであり、今回具体的な協業という形で両社の出資ならびに探索の成果が表れたものです。3Tはクレジット創出の計画策定から現場での施工を一貫して行っており、生物多様性やリモートセンシングを使った解析等にも積極的に取り組む企業です。3Tとの共同開発により創出される高品質なカーボンクレジットの普及を通じ、関西電力と東京ガスは日本国内のカーボンクレジット市場の活性化に貢献していきます。
■ソリューション事業ブランド「IGNITURE(イグニチャー)」(*14)について

東京ガスは、「ソリューションの本格展開」に向け、2023年11月、ソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げました。「IGNITURE」の下で展開するソリューションにより、ご家庭、法人、地域・コミュニティのお客さまが、「最適化による経済性・利便性・効率性向上などでさらに豊かな未来」と、「脱炭素・レジリエンス向上などでサステナブルな生活・事業」を、無理なく両立できます。
*1:Integrity Council for the Voluntary Carbon Marketの略。カーボンクレジットの評価基準を設定し、維持・管理するために設立された国際的な非営利組織。
*2:Core Carbon Principlesの略。中核炭素原則。信頼性の高いカーボンクレジットを提供するための国際的な基準であり、プロジェクト設計、モニタリング、クレジット発行までの全プロセスにおいて透明性と環境整合性を確保することを目的とする。
*3:「東京海上グループと連携、カーボンクレジットの信頼性向上を目的とした『人権尊重のためのフレームワーク』を策定」(2025年8月12日発表)
*4:多くの企業が、それぞれ強みを持つ領域の技術・ノウハウ・知見を持ち寄り新たな価値を創出していく事業生態系
*5:「カーボンクレジットを活用した都市ガスのオフセットメニューの総称「カーボンオフセット都市ガス」の使用開始について」(2024年9月2日発表)。なお、販売開始時の名称は「カーボンニュートラル都市ガス」
*6:東京ガス独自のカーボンクレジット評価基準を策定し、国際的にも信頼性の高いVerraやGold Standardといった基準に加え、ICVCMのCCPsや関連格付けサービスの指針等を参照し、上乗せする形で評価を実施
*7:「東京ガスのカーボンニュートラル都市ガス算定ルール」を作成し、これに基づき日本品質保証機構による第三者検証を実施
*8:「SHK制度における調整後排出係数がゼロとなる都市ガスメニューの販売開始について」(2024年4月9日発表)
*9:「信頼性の高い自然系カーボンクレジット創出を目的とする『ネイチャー・ベースド・カーボンファンド』への最大2,500万米ドルの出資について」(2024年9月2日発表)
*10:「Jクレジット創出に関する業務提携契約の締結について」(2024年12月18日東京ガス・クレアトゥラ株式会社発表)
*11:「VPP事業に関する業務提携契約締結について」(2021年11月19日 関西電力・東京ガス発表)
*12:「家庭用燃料電池「エネファーム」および家庭用蓄電池の群制御によるバーチャルパワープラント実証の開始について(2021年6月8日関西電力・東京ガス発表)」
*13:「環境・脱炭素分野における事業開発機能強化に向けたICJ2号ファンドへの出資」(2023年5月23日発表)
「『ICJ2号ファンド』66億円でファイナルクローズのお知らせ」(2023年10月13日 インクルージョン・ジャパン株式会社発表)
*14:IGNITUREの詳細はこちら
以上
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